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教科の一人学び「自由進度学習」の考え方・進め方② 小山儀秋監修 竹内淑子著

自由進度学習の作り方

1 「コース」作り


 1単元の中に複数コースを作る場合が多い。基本となる1コースは教科書の流れをベースに作ることが多い。もう一つのコースは「手こずっている子供」をイメージして,その子がとにかく喜んで活動するような学習の核を考える。例えば「画用紙で,サッカーボールを作ろう」「沖縄や北海道の家の模型を作ろう」など。そのようなコースをつくるとき,「果たしてこれで単元の目標を解決できるのか」との議論は必ず起きる。そこで学習指導要領に戻り,本当にこの単元狙う目標は何かを考える。

2 「ガイダンス」作り


 単元の目標に迫る動機付けを行う。子供に「なぜ?」と疑問をもたせたり,まとめや発展の教師見本を見せたりして「自分も作っていみたい」「こんなことを,してみたい」と思わせれば一応成功である。

3 「学習の手引き」作り


 目標は,子供の具体的な活動度チェック方法で示す。同時進行の場合は,標準時間を示す。学習の流れと,それに対応するカード類,教科書該当ページなどを表で示す。途中2〜3ヶ所の教師チェックを入れる。

4 「学習カード」作り


 教科書の内容を「子供が読んで進められる」ように文字に落とす。基本的にはカード1枚で1時間分を目安に作るが,ものづくりなどの作業が多く入ってくる場合は,カードの見た目よりも時間がかかることがある。「手引き」に示された教師チェックの他に「自己チェック」を適宜入れる。

5 「発展学習」づくり


 学習に関連しそうなことを探す。まず,指導書や関連の図書,インターネットの検索などで「使えそうなネタ」を集める。実現可能かどうかはひとまず置いておく」「拡大解釈して遊びながら考える」雰囲気が大切である。例:「てこはたらき鹿威し」「人や動物の体・心臓の模型」

6 「学習環境」づくり


 単元名のタイトル看板をつくる。単元のイメージを視覚的に伝える工夫も入れる。学習材や資料,関連図書などを並べ,それが活用されるようなキャッチコピーや説明などをつける。実際にさわったり遊んだりするものは,丈夫に作りたい。

 自由進度学習をつくるうえで,単元の導入で子供の興味をひきつけ,学習カードで学習意欲を継続し,発展学習で疑問の解決をアウトプットするという流れになる。土台になるのは児童の実態。児童の目線で授業を組み立てていくことが必要である。
 

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