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元地域おこし協力隊、スポーツバイクショップの店長が、クラフトコーラを開発!0から1を作っていくことの楽しさが原動力。


家族で過ごす時間を何よりも大切にしたいから
「仕事をしすぎない」とだけ決めて移住した。

小野義矩さん

2017年に縁も所縁もない高知県いの町に家族で移住。
同町いの地区初の隊員として3年間活動後、起業し、高知県の素材を使ったクラフトコーラ『sawachina』開発や、仁淀川をスポーツバイクに乗って楽しむ『高知仁淀ブルーライド』などの主催を行っている。


Q:なぜ縁もゆかりもない高知県に家族で移住されたのですか?
A:家族が揃う時間がない。そんな異常な状況を変えたかった。

私は移住する前は、スポーツバイクブランドTREK専門店の店長をしていて、妻は普通の会社員として働いていました。私がサービス業ということもあって土日が仕事だったので、妻と休みが合わなかったんです。

そんな生活をしていると、家族で揃って会える日が1週間のうちに1日もなくて…
この状況は異常だなと思って、生活を変えるために移住を考え始めました。

その時にただ移住をするだけじゃなくて、行ったことない場所に行って、新しいことにトライしたいって思ったんです。
日本地図を広げてながめた時に、「そういえば四国行ったことないな、暖かそうだから、高知県にしようか」そんな感じのテンションでした(笑)

Q:高知県の数ある市町村の中からいの町を選んだのはなぜですか?
A:高知市内まで車で20分くらいで行けて、とても便利な町。

高知に移住しようかなと考え始めた時は、「高知といえばカツオ!」くらいの知識しかありませんでした(笑)

東京交通会館の移住コンシェルジュの方に、高知に移住することを相談しに行ったら、高知県いの町と室戸市が合っているのではと勧められたんです。移住を決める前に、夏休みに一度行ってみようかってことで、4泊5日で高知へ旅行に行ったんです。

実際に行ってみて初めて気がついたんですけど、いの町は高知市内まで車で20分くらいで行けて、とても便利な町なんです。妻は高知市内で仕事をする予定だったので通勤がしやすい、いの町の方がいいかなと。

そんな感じで「いの町って住みやすくていいところだな〜、高知の夏は暑いな〜」って思いながら、旅行を終えて、次に高知へ来たのは引越しの時でした(笑)


Q:地域おこし協力隊として移住をした理由を教えてください。
A:子どもとの時間を大切にするため。


移住フェアで出会ったいの町役場の方が地域おこし協力隊の制度を使って移住することを勧めてくださったんです。しかも「地域おこし協力隊は1年単位の契約で最大3年の任期の制度だから、とりあえず挑戦してみて、自分に合わないと思ったら1年で帰ってもいいよ!」って言ってくれて。

ほとんどの自治体がやっぱり、一度移住してきた人には長くいて欲しいから、そう言ってくれるところってなかなかないんです。本当に自分に合わなければ戻ればいいか、くらいで気負い過ぎず移住ができました。

あと高知に移住しようってなった時に、妻と「仕事をしすぎない」っていうのだけ決めていたんです。子どもとの時間を作るために移住をすると決めたのに、仕事ばっかりやってても、意味がない。

何よりも子どもとの時間を大切にしたいという気持ちが強かったんです。
だから「週4の勤務で定時で帰れる」という条件も地域おこし協力隊を選んだ大きな理由でした。

Q:地域おこし協力隊としていの町に移住して、地域の方に受け入れてもらうために行ったことはありますか?
A:自分から地域の事業者さんのところに挨拶に。

まずは、自分から地域の事業者さんのところに挨拶にいきました。待っているだけじゃなくて、自分から地域に入っていくのが大切だなと思ったので。

たまに地域の方からは「すぐ東京に帰っちゃうでしょ。」って言われることもありました。全然相手は悪気がある訳じゃなくて、「ここは何もないし、都会の方がいろんなものがあっておもしろいでしょ」って気持ちがあるみたいなんです。

そういう時は「確かにずっといるかわからないし、来たばっかりだから全てを知っている訳ではないけど、今はすごくいの町が好きだからここにいますよ。」と正直な気持ちをお話すれば、受け入れていただけました。

Q:地域おこし協力隊現役時代は、どのような活動を行っていましたか?
A:カフェの経営、スポーツバイクのイベント企画、クラフトコーラの開発などなど。

一言では言えないくらい、いろんなことをしていましたね(笑)

地域の方への名刺代わりとして、古民家を改修した“good five”という飲食店をオープンさせたり、高知の美味しい郷土料理を味わいながら、仁淀川流域の100kmのコースを走る“GREAT EARTH仁淀ブルーライド”というイベントの企画運営を行ったりしていました。

●good fiveの公式インスタグラム
●GREAT EARTH仁淀ブルーライドの公式サイト


1番大きかったのは、天然クラフトコーラ "sawachina”の企画販売ですね。

体にいい、いの町の生姜を使っている、パンチがある、全てを満たす何かを作りたいなと考えていた時に、クラフトコーラの存在をたまたま知って、飲んでみたらめちゃめちゃ美味しくて感動したんです。

クラフトコーラとは、柑橘類・スパイス・コーラの実など全て天然の材料を使っている"完全無添加の身体にやさしいコーラのことです。高知で作っている人は誰もいなかったので、じゃあ、私が作りたいと思って。

高知県内の柚子や和ハーブや天日塩などの生産者さんに、いきなり電話して「高知でクラフトコーラを作りたいんです」と企画説明をして周りました。皆さんいきなりだったにもかかわらず、「とりあえずせっかく来てくれたから話は聞こうか」って聞いてくれて、優しい方が多かったです。

そうやって協力していただける方を増やしていき、原材料をつくってくれる農家さん、商品のメインビジュアルやパッケージを担当してくれる編集者とデザイナーのユニットの“chuu!”、コーラの味を決める調香師、みんなで役割分担をしチームを作ってコーラの開発を進めていきました。

完成したのが、1つの瓶に有機生姜、仁淀川山椒、和ハーブ、天火塩、旬の柑橘類、高知の魅力がぎゅっと詰まっている天然クラフトコーラ“sawachina”です。完全無添加で、健康的で、本当にいいものを作った自信があります。


でもコーラってどうしても、体に悪いイメージがあるじゃないですか。その分『健康的なコーラだ』という認知を広めて、クラフトコーラの市場を作っていくのに時間がかかりましたね。
今は徐々に応援していただける方が増えてきたのを実感しています!

●sawachinaの公式サイト


Q:小野さんの活動を行う原動力はなんですか?
A:0から1を作っていくことの楽しさ。

やったことがないことをやるのが、とにかく楽しいんです。飲食店も、クラフトコーラの開発も、高知仁淀ブルーライドのイベント企画も、全てが私にとって初めてのことばかりでした。

しかも前例も少ないことが多くて、最初は手探りでしたね。

生姜を使った商品はよくあるんですけど、“sawachina”のように生姜と文旦、和ハーブなどを組み合わせた商品って珍しいし、“GREAT EARTH高知仁淀ブルーライド”のように、仁淀川流域の6市町村が一斉に観光客をおもてなしをする、市町村の垣根をこえた企画も高知県の中央部では今までなかったんです。

こんなふうに0から1を作っていくことの楽しさ、それが私の原動力ですかね。


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