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眠れないとそれだけで生きるのが辛くなるので十分に眠るためにいじけた自分を労ってみたい

神経が高ぶると眠れない、らしい。

子供の頃から寝付きがひどく悪かった。私の神経は高ぶりまくっていた、らしい。
保育園でのお昼寝の時間で一度も眠ったことがない。
お昼寝の概念がなかったし今もない。寝不足の時にたまに仮眠するが、お昼寝と仮眠が結びついていない。三子の魂なんとやらである。

姉や妹と同じ部屋で就寝していたが、いつも眠りから取り残された。布団に入っても2時間は眠れない。目覚まし時計を見てうんざりする。当然朝はなかなか起きられず、小学生の頃から朝寝坊であると言うレッテルが貼られていたし、自分でもそうだと思った。

高校生ぐらいになって、発熱したか何かで病院に行って血圧を測ることになった。
上が85かそこらだった。
きっと風邪をひいていたせいでいつもよりも血圧が下がっていたのだが、お医者さんから風邪の他に血圧について指導があった。
低すぎなので、少し塩分をとって下さいとの事。

どうやら私は生まれつき血圧は低めのようだった。
そう言えば、立ちくらみがひどかった。立ち上がると血の気が引いていき、視界がほぼ真っ白になって何も見えなくなる。
1日に数回はこういうことがあったので慣れていたし、時間にして10秒にも満たなかったので転ばないように気をつけていれば大した問題ではなかった。
なので、立ちくらみが起こることについて別に誰にも相談したりしないし、困っていたわけでもなかった。
(今になって人にこのことを話すとびっくりされる。1日に数回視界が全く遮られてしまうほどの立ちくらみが起こる人は私の周りにはいなかった)

そして夜になると、どれほど疲れていようが熱があろうが、なかなか眠れない。

大人になると、前の日に徹夜して次の日もまた眠れないこともあった。朝仕事に行かなくてはと思うと、遅刻することが恐怖で、なおさら緊張して眠れないのである。
控えめに言ってこれは地獄!

割と忙しめの体動かす仕事だった時は本当にまいった。
睡眠導入剤を試したこともあるが、効いてるのか効いてないのかよくわからなかった。

なかなか眠れないことと、朝なかなか体が目覚めないことは、私のこれまでの人生でかなり大きな障害だった。
眠れないかもしれない恐怖、起きられないかもしれない恐怖は、社会や他人に迷惑をかける恐怖に直結していた。
だらしがない人間になってしまう。周りから信用を失う。
非常に辛かった。しかも言い訳が効かない笑。自分がちゃんとできていないのが悪いのであって、社会人失格であって、だらしがないのである。

今現在は週末に知り合いの仕事を少し手伝っている程度で、それもあまり早起きする必要は無いので心は楽だが、それでも今までの積み重ねからくる不安はついて回る。

布団に入って横になっても、目を閉じてじっとしていても、全く眠れない時間が明け方まで続くのはしんどくて苦しくてやらせなかった。

とにかくどんなに疲れていても、前日に眠れていないとしても、眠れない時は眠れない。
生活のリズムを一定にしたくても寝付きが悪いとなかなかうまくいかない。

ところが最近部屋にベッドがやってきて少し事情が変わった。

新しいマットレスは少し固めである。
少し寝転んで本でも読もうか、と思うと、いつの間にか寝ていた。
おや?
重要なことに気がついた。
もしかして寝具が悪かった?

もともと血圧が低くて寝付きが悪い自分は、もっと寝具に気をつけるべきだった?
(なんか当たり前のことすぎるが、こんなに違うと思わなかった)
1日中動いていても夜なかなか眠くならないので布団に入る事は今まで苦痛だったが、横になっていればいつの間にか眠れると思うと、ベッドは楽しみの場所になった。
しかも私はもう一つ眠るための策を見出したのだ!

1時間位の動画やラジオ聴きながら眠るのだ。
これはホワイトノイズとして使っている。心地よい雑音である。
以前は音楽をかけて眠ろうとしていたが、話し声の方が断然眠れる。
実は昨日もかなり気分が高ぶっていたので、精神科医の方がやっているYouTubeを聴きながら眠った。多分20分もしないで寝付いた。

先日通院日だったのだが、主治医から再三無理をするなと言われた。
激しい緊張やパニックのために疲れ切って知恵熱?を出すことが多いので、神経が高ぶるようなことやストレスを感じる行動をしないように指導されている。
昔から体温調節や血圧の調節が下手くそな私の体は、日々の生活に強いストレスを受けてきたのかもしれない。
他の人は当たり前にできる(とは限らないが当たり前にできなければならない)ことを自分はできない。
すぐに高熱を出す。信じられない位寝付きが悪い。
体は弱くは無いのだが、バランスが偏っている。ほんの幼い頃からなので、血液を調べたり尿検査をしたりレントゲンを撮っても異常は見つからない。

これはちょっと不利な生まれつきの体質なんだろう。

今書いていて、自分でなるほどと思ってしまった。

私を苦しめていたものは生まれついての性質であるとしたら、もう少し自分を労った方が良いのではないか。
だってその体質は私のせいでは無いのだから、自分を責めても仕方がないし何も良くならないのだ。
だったら今までめんどくさい体質で苦しんできたことを労ってもいいよね。

例えば、睡眠の質を向上させるために(私が快適になるために)良い枕を使うとか、入浴グッズお金をかけるとか、心地良いパジャマを手に入れるとか。
寝る前にリラックスするための準備に手間をかけても良いと思う。
今までそこに考えが及んでいなかったが、きっと眠れないことも起きれないことも熱が出ることも、自分がだらしないからと言う無意味な自罰傾向に走って根本的に体質が眠りにくく環境の変化に弱いことへのケアに至っていなかったのだ。
私はもっと私を丁重に取り扱うべきだった。
だらしがないとか意志が弱いと言って根本の原因を探ることをせず改善方法も見つからなかった。
そういえば子供の頃から明け方まで眠れない時も多々あったが、そのことを大人に相談したこともなかった。
今の自分からすれば、成長期の子供が睡眠障害を持っていたらそれは大人に助けを求めるべきだと思うだろう。
自分のことはなかなか客観的に見れない。

今日ここにこうして自分の睡眠について書いてみて、改めて気がつくことがたくさんあった。

眠れない事はだらしがないことではない。
心が弱いから眠れないのではない。
もともと体のバランスが良くないので、もっと気を遣ってやるべきだった。
だから自分を責めるのは間違いだ。睡眠に関する悩みはまだ解決できていないが、自分の人間性を否定することはない。そんなことをしても解決はできない。
もっと周りに自分の状況を説明して、改善方法のアドバイスをもらったり、比較的人よりもリラックスしにくい体質なことを自覚して行動することが大切だ。
他人に迷惑をかけてしまうのが心苦しいが、自覚しているのとしていないのでは結果もだいぶ違うように思える。

眠れないとそれだけ生きるのが辛くなってくる。体がきついのはもちろん、周囲の目が気になって苦しくなる。
私はプライドが高く意地っ張りだったので、自分の弱みを人に見せることが下手だ。
これからはもう少し素直に血圧が低いことや立ちくらみがあること、どんなに疲れていても夜に眠るのが困難になる体質だと言うことを相談して、困っているときは他人に頼らなければならない。支えてくれている人たちには感謝している。
今でも夜は辛い。
ベッドのおかげで少し改善はしたが、きちんと眠れない日もある。
自分に合った方法を探し、バランスを少しでも整えるよう心がけるしかない。
問題に正面から立ち向かって改善しようとする事は悪いことでは無いはず。
暗くなってうじうじしていても何も起こらない。

こうして前向きな風なことを書いているが、やはり私はいじけた根性が直らない。三つ子の私は執念深い。
せめて新しい枕のことでも考えてちょっと楽しくなりたいものである。

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