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先に光が見えなくても

あぁ死にたい。

毎日そう思っていた時期があった。

今となっては、死にたかった訳じゃない気もするし、本当に死にたかったような気もする。

「そんな不確かな気持ちなら、本当ではなかったんじゃないの?」と、思うだろうか。

そう、いわゆる思春期の。不安定な時期の。ひとりの子どもの成長過程の。

とるにたらない気持ちにすぎなかったのだろう。

ただ、私には過ぎ去ったその時期のその心に、いま向き合っている子がいるなら。

あの時の自分が誰かに言って欲しかったことを、言ってあげられるかもしれないと思った。聞いて欲しかった話を聞いてあげられるかもしれないと思った。

あの日、真っ暗なトンネルは終わらないと絶望し、この先何も楽しい事などないと決めつけた。孤独だった。最高に孤独だった。そんなあの時の私に、言ってあげたいな。

先に光が見えなくてもいい。

今はとまってもいいから、死ぬな。


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