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日記:古本まつり

    池袋西武で開催中の古本まつりに行ってきた。西武の古本まつりは年に二回程別館で開催されるもので、様々な古本屋がギャラリーの中にひしめき合う。前も後ろも、右も左も、足元も、すべて古本。或いは雑貨。本好きにとってみれば、正にお宝の山である。私はこの古本まつりで、秘宝を見つけた海賊よろしく本を買い漁るのを、開催されるまでの半年間ずっと楽しみにしている。
    今日の収穫はというと、本が七冊にメモ帳が一冊、ビー玉の入った袋が一袋である。私の購入品を目にした店員さんは初め薄いビニール袋を取り出したが、すぐに諦めて大きめの紙袋に購入品を入れてくれた。七冊の本は、建築や詩集、エッセイや映画評論など、ジャンルも大きさも様々。私の趣味は元々雑食なほうだが、大学に入ってから更に広がったと思っている。映画評論は授業でゴダールやトリュフォーなど有名どころのフランス映画を学ばなければ興味をもたなかっただろうし、(今回は買っていないが)和歌や日本古典文学にも大学で本格的に学ばなければ興味をもつことはなかっただろう。高校生の時、古典の授業ほど退屈なものはなかった。もし私が今いる大学の学科に入らず経済や経営を学んでいたら、私の読んでいる本はまるで違ったかもしれない。
    本格的に何かを学べる環境に身を置くということは、真剣に授業を聞いているか、ハイクオリティな課題を提出するかに限らず、自分の興味の幅、大それた言い方をすれば世界を広げることに繋がる。そんなことを思いながら古本まつりを出た時の私の顔の、なんと晴れやかだったことか。この世のいろいろなものを面白いと思えるのは、本当に幸福なことだと思う。早く家で転がりながら買った本をぱらぱらと捲りたいが、その前に期末課題やテストを片付けなければならない。私の所有する本のレパートリーを増やすのも大学、その本を遠ざけるのもまた、大学である。


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