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南極に行ってきた話

大学生の頃南米を旅していた時にアルゼンチンから南極にいけることを知った
調べてみたら日本にも南極クルーズは存在しているものの値段は100万円〜で、アルゼンチンからでいくと安いやつを選べば30万円くらいで当時行けた

猛烈に南極に行きたくなったが学生時代の30万円は出せる金額ではなく(当時のほぼ全財産を使って南米を旅していた)絶対に社会人になって来てやる!と決めて南米旅を終えたのだが
30歳になって9年越しに南極行きを叶えることができた


南極に上陸もしないただ船から見るだけのツアーから上陸できるもの、船の設備などによってツアーはピンキリだったが
今回は上陸かつそこそこの設備を備えているocean endeaver という船でintrepidという会社の運営するツアーに参加した

ツアーの詳細は以下の通り
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▽ツアー費用;72万円/1人+保険代3000円+チップ代5万円

▽ツアー内容;
1日目:ウシュアイアという港町のホテル泊
2日目:ウシュアイア出発
3日目:南極への航海
4日目:南極への航海
5日目:(南極上陸+ボートで南極の海探索)×2回(午前と午後)
6日目:(南極上陸+ボートで南極の海探索)×2回(午前と午後)
7日目:(南極上陸+ボートで南極の海探索)×2回(午前と午後)
8日目:(南極上陸+ボートで南極の海探索)×2回(午前と午後)
9日目:ウシュアイアへの航海
10日目:ウシュアイアへの航海
11日目:ウシュアイア到着

▽船の設備;
・朝昼晩3食付+アフターヌーンティー(15時ごろの軽食)
・コーヒー/ティー、クッキー/フルーツ24時間飲み放題食べ放題
・トレーニングルーム
・ヨガルーム
・サウナ
・ボードゲーム
・売店

▽部屋の設備
2人部屋、トイレ、シャワー付

▽船移動中のコンテンツ
・南極に関する講義
・写真講座
・ヨガセッション

▽オプション
・アルコール
・Wi-Fi(500MBで55USD)←高すぎ
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なぜ南極に行きたかったか?と聞かれると明確な回答はパッと思いつかないのだが、自然がそもそも大好きなので世界の果てをこの目で見たかったというのが率直な理由である

ウシュアイアと南極の間にはドレーク海峡というそれはそれは波の激しい海峡があり、帰りは波が6mほどで地獄だった

そんな地獄の海峡を突破してついた南極

日の出は4時半ということで早起きして日の出を拝んだらそこは完全に異世界だった


これまでそこそこ旅をしてきていていろんな絶景を見て来ていたが、
大迫力の岩場にのしかかっている氷河、真っ黒の海、そして海に浮かぶさまざまな氷河、驚くほど見かける野生の動物たち、そして圧倒的に澄んだ空気に圧倒された
このNoteを書いているのは南極からアルゼンチンに戻ってからだが、いまだに初めて南極大陸をみたときのあの景色は脳裏にはっきりと焼き付いている

(寒い時に息を吐くと白く曇るが、あれは空気中の埃に水蒸気が反応して白く煙みたいに見えるらしく、空気中に埃がほとんどない南極では息は白くならなかった)

まず、野生動物がこんなに?というくらいいる
常時レベルで鳥とペンギンは見ることができた(5分くらい海眺めていたら鳥かペンギンは見つけられる)
そして毎日のようにクジラとアザラシに出会えた
1日だけシャチを見れたが、少し遠くて鯨と見分けがつかなかった笑


南極には本当に何も人工物がない
アフリカのサファリですらなんだかんだ橋や看板や小屋があるが、南極にはそういうものすら一切ない

地球ってそもそもこんな感じだったんだろうなということをぼんやり考えていた

野生の動物や純度100%の大自然、大陸に上陸して山を登ったり、海を眺めながらボーッとしたり、ペンギンのコロニーを観察したりとそういったことが最も想い出に残っているのだが
この感動を文章で残せる気がしなく、そういう感想は省略しようと思う
言葉にするとどうしても「すごかった」「感動した」「やばかった」「異世界に圧倒された」みたいな並の表現になってしまう
仮にVRなどが発達して南極をリアルに感じられるような体験をしたとしても、あの澄んだ空気の中で芯まで刺さる寒さ、潮風とともに感じる野生の匂い、今まで見たことのない吸い込まれるような黒い海など五感でしか得られないあの感覚は現地に実際に行かなければ手に入れることはできない


*現地の様子などは詳しくInstagramのリールに投稿しているので興味がある方はぜひ見てほしい

https://www.instagram.com/kazuma.ishida?igsh=YzR0b3R4azF4Zjgx&utm_source=qr

南極クルーズは考えてみたらそりゃそうだとなるが、参加者の年齢層がびっくりするくらい高かった
基本的に人生満喫しきった朗らかな表情と身体のおじいちゃんおばあちゃんばかりだった
基本的にアメリカ、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパの物価高い国々の裕福な老夫婦たちに人気のツアーのようだ

南極に到着して2日目の夕方に有志で南極の海に飛び込もう!というイベントがあった
氷河のぷかぷか浮いている海なので氷水の中に飛び込むようなものだ

数少ない若い人たちはウイスキーをストレートで飲み込んで身体を温めて叫びながら準備していたのだが
中には「まじ?」というようなおじいちゃんおばあちゃんも海にひん曲がった腰で飛び込んでいた

あぁ、こんな老人になりたいと心から思った

旅していると普段出会えない人と出会えて、かつ人生の指針となるような瞬間を見ることができる
80歳になっても南極の海に飛び込める人間でいたい

南極での感動を得られて実は北極にも行きたくなっている自分がいる

世界一周も残り2ヶ月、引き続き楽しむ

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