陰湿女子と自称サバサバ女子のバトル①
自称サバサバ女子は実は、サバサバしていないことが多いとは世間によく知られた事実だ。
知人にも一人いた。
Sちゃんという。
この手のタイプにありがちな「男性と過ごす方が同性と過ごすより、気を遣わないでいいし楽ぅー」ということもよく言っていた。
楽ぅー、と言いながら、ぐうっと伸びをする。
本人的にはそれを可愛いと思ってやっているっぽいが、俺はそれをみるときに、グミを噛んでやり過ごした。
Sちゃんは飲み会とかで、「どんな漫画好きなの?」と聞かれると、「少女漫画より、ドラゴンボールとか、少年ジャンプの漫画が好だった。お兄ちゃんの影響かな。だけど、こういう話ができるからかもしれないけど、男友達がいきなり告白してくることが多くて、嫌なんだよね。私は友達が欲しいだけなんだけど。恋愛って面倒じゃん。なんなんだろうね? 恋愛至上主義の人の脳内って。男女の仲に恋愛以外の関係性があってもいいよね」
などと、やや早口で言っていた。
もちろん、男女の仲に恋愛以外の関係性があってもいい。
ただ、聞いてるのは好きな漫画の話であって。
君の恋愛の話、誰も聞いてないんだが?
ってなる。
ちなみにこの子は誰かの話題を勝手にさらって、自分の話題にすることも得意であった。
たとえば、彼女と共通の知り合いYが「私、今度、誕生日に彼女と北海道に旅行に行くんだ」と話した時のこと。
普通は、「いいねえ。楽しみだねえ」となり、旅行か彼女の話題にフォーカスして話題を広げるだろ? だよな?
だけどSちゃんは違う。
「そっか。あ、北海道の漫画のゴールデンカムイ、私好きなんだけどさ。読んでよ、いろんな囚人が出てくるし、グルメ漫画の要素もあるの!」と言って、話題を自分が好きな話題に変える。その後、ずっとゴールデンカムイ話。
確かにゴールデンカムイは楽しいよ。大好きだよ、俺も。
でもさ、戻してあげて! 彼女との旅行の話に戻してあげて!
Sちゃんは自分の恋愛の話はするけれど、他人の恋愛の話題はしない。
ただ、別れそうとか、酷い目にあった不幸な話なんかは根掘り葉掘り聞く。
それで、ニチャア・・・と笑う。
だから、嫌なやつだなーと、みんな嫌っていた。
「そういうのよくないよ。ちゃんと話聞いてあげなきゃ」とそれとなく誰かが注意すると、「あー、私って本能に忠実なタイプだからさ。人ってなんでも我慢を美徳と思ってるところあるじゃない? でもね、少しわがままに生きないと、他人に自分の人生を取られちゃうって本にも書いてあったし。そう生きてるの。こういうの言うと、お前、黙ってるといい女なんだけどなーって言われるんだけど」という。
グォオオオオオオ。
コーラとメントスを口に入れて、唇を縫合したい。
泡が全ての穴からジュバーッって噴出する姿でも見ないと、もう書いててどうにかなりそうだぜ。
そんなSちゃんだが、ある女子と合コンすることになったらしい。
幹事は俺の知り合いである。
そこで出会った「私、結構、根が暗いから」という自称陰湿女子とバトルを繰り広げることになる、、、
長くなりそうなので、続きは次に書く。
気になったら、明日また読んでね。
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