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くるりもソウルフラワーユニオンもあきらめて選挙ボランティアをした話4

10月30日
瓦町駅前最後の演説

18時。ここ、瓦町から市民による革命が始まるんだぜ、だから絶対に昨日の麻生さんが来た時より人が集まらなきゃいけないんだぜ!くらいの熱い気持ちと、やっぱり与党現職前大臣で地元メディアが味方についてる人に敵うわけがないんだろうなあという弱気な気持ちを、半々くらい勝手に抱いて到着した瓦町駅前。昨日と比較すると

歩道(1階席アリーナ)50%
デッキ(2階席)70%
信号の向こうの歩道(見切れ席)90%

くらい。スーツ姿の人たちが埋め尽くした昨日の光景と比べると、正直かなり物足りない人出だった。やはり敵わないのか…そう思いながら始まった支援者のマイクリレー、そして小川淳也さん最後の演説が終わる頃には

歩道(1階席アリーナ)70%
デッキ(2階席)90%
信号の向こうの歩道(見切れ席)120%

ほどに増えていた。
勝手なイメージだが、この日、デッキや信号の向こうで様子を伺うように聞いていたような人々の心が動いてくれないと、野党は選挙に勝てないんだろうなという気がした。
そしてこの日、ここで足を止めて演説を聞いた人たちには確実に届いていそうな、そんな気もした。

同じ場所で2日連続で見た演説の違いをまとめてみた。

演説
小川さん
今の政治を、みなさんと一緒に変えて行きたい。
信頼を得られる政治にしたい。

昨日
なぜ君は総理大臣になれないのかの悪口
鬼無駅のトイレを水洗にする話
立憲共産党という揶揄
助けてくださいという雄叫び

聴衆
小川さん
私服の人、女性の比率が高い。高齢者も多い。
熱心なファンの数は多いわけじゃないけど、話を聞いた結果いいこと言うじゃんという空気。

昨日
高校生や大学生は昨日の方がたくさんいて、麻生さんに笑顔で手振ったりしていた。芸能人見た感覚なのかなあ。
拍手を送って聞いている人は、ほぼスーツ姿の男性。その合間に会社の制服姿の女性。意外と高齢者は少ない。

演説後
小川さん
ステージから客席に飛び込んでハイタッチして回るロックスターのように、見切れ席からバックステージ(選挙カー裏)まで隅々笑顔で駆け巡り、
大型コンサートでトロッコに乗って遠い席の客前まで来てくれたアイドルのように、2階席までくまなく挨拶してまわっていた。

昨日
とても感じの良い女性のアナウンスは始終流れるも、黄色いジャケットの人たちの警護が厚く、おいそれとは近づけない空気感。
ビラを配っている人たちは非常に感じよかった。

スタッフ
小川さん
とにかく全員楽しそう。ただただ音楽を聴いていてもよい音楽フェス中のお客さんみたいに、ただただ選挙を楽しんでいるという様子。

昨日
仕事です!というビシッとした感じ。
この感じの方がちゃんとしていていいですよ。という人もいると思う。あまりにも疲れてそうで心配になっちゃう人を数人見かけた。

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円座
マイク納め
マイク納めという単語自体に初めて出会った。10/30の20時までにマイクを使う選挙活動を全て終えなければいけないらしい。
これまでのどの集会よりもくだけた、アットホームで温かな空気。結局時間内にスピーチは収まっていなかったけれど、駆け足で話すのではなく、最後はみんなでカウントダウン。20時を過ぎてからは地声でお話し。ほぼ雑談。
これで明日落選だったらめちゃくちゃ悲しいけど、でもここにいる人全員、これから先がどうなろうと小川淳也応援し続けちゃうよなと思える、幸せな、まだ帰りたくないな、明日にならないといいな、朝までだらだらポテチと炭酸で話してたいな、というような空気で満ち溢れていた。

ボランティアスタッフの方に瓦町まで送ってもらう。
大学生、主婦、社長業の男性まで多岐にわたる属性の方がいる車内で、この選挙戦を熱く振り返り、明日の当選を強く願いつつ、結局みんなとにかく楽しかったと言っていた。

これでついに明日は京都でボロフェスタだ。
この1年半、人々が楽しむための様々なことが、じゅんぐりに不要不急だと目の敵にされてきた。
一方で人々は決して働くことだけは止めず、止めてもらえず、生きてきた。
今年のフジロックに参加した人たちと共に過ごしたフジロックの日々は、自分にとってとても意味のある時間だった。決してこの場所から新規感染を出さず、徹底的にルールを守り、且つ全力で遊ぶぞという強い決意が会場全体に満ちていた。
ボロフェスタも同じだ。今年の京都で、くるりやソウルフラワーユニオンやイースタンユースやサニーデイサービスやTHA BLUE HERBやZAZEN BOYSを、ルールを徹底しながら聴くこと楽しむこと。それは自分にとっては市民運動みたいなものなのだ、という気持ちすら持っていた。

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10月31日
朝、身支度を整えホテルの部屋を出る、ことが、どうしても、できない。

開票まで見届けたい…
だがさすがに最後にちょっとだけ顔出しただけの人間の行っていい場所じゃないよなという気持ちと、どうしても最後まで見届けたい気持ちがせめぎあう。

思いきって、お世話になったボランティアスタッフの方に、開票の時間事務所行けないですよね?と連絡してみる。
結果、さすがに開票の時は無理ですよ、と言われて晴れて京都に向かう想定だったはずが、ぜひお越しください。と言ってもらえる。
フロントに行ってもう1泊できるか聞く。泊まれる。

最後のおなじみを済ませて選挙事務所まで、琴電と徒歩で向かう。
コックさんの「ありがとう」が日に日にやさしい声になるのがうれしかった。ごちそうさまでした!

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ついに開票
18時

たどりついた選挙事務所はすでに中継用のカメラや照明でビッシリだったが、重々しい空気はまったくなくて、
驚くほどだれでも
驚くほどすんなり
驚くほど前の方へ行けた。
会う人会う人、よく来たねやっぱり来たねもっと前行きなよと言ってくれる。

街の方の事務所にあった自分ら県外組が書いた寄せ書きも、こちらに移してまた貼ってくれていた。

19時半
小川さん到着。毎回、投票終了から結果が出るまで支持者と一緒に待つスタイルなのだそうだ。
事務所にいるひとりひとりに挨拶していく。テレビで見た、純烈のスーパー銭湯巡業みたいだ。
選挙期間中、ことあるごとに選挙が終わるのが寂しい、人の善性が善性を呼んで繋がっていく、そんな空気だと小川さんが言っていたが、この日の会場は、その集大成みたいな、とても清々しい空気だった。
中継の練習をしているアナウンサーの方が
「すでに大勢の支持者が集まり、とても明るい空気に包まれています」と言っていたのがなんだか誇らしかった。

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挨拶を終えて小川さんも支持者と横並びの席に着席。
通常当落の判明は深夜に及ぶから、飲み食いするものや寒さ対策を万全に、と教えてもらっていたので、ここから夜半にかけて徐々に会場の一体感も高まりつつ、長い夜になるんだろうな。なんて思っているとテレビで投票終了までのカウントダウンが始まる。

20時
開票速報番組のタイトルが出たその直後、
突如現れた「小川淳也当確」の文字。

人々の喜びの感情が、あそこまで一気に爆発したのを見たのはいつぶりだっただろう。
何かの時に似ているなと思っていたがついに思い出した。
欅坂46の東京ドーム公演で、ずっと封印していた「不協和音」のイントロが流れたあの時の、5万人のどよめきと喜びの声だ。
え、嘘だ。意外すぎる。今なのか。いや、でも、これは、現実だー!!

この2年、大好きな音楽ライブでもスポーツ観戦でも、夢に見た東京オリンピックでも叶わなかった、
同じものを好きな人たちと、好きなものを応援し続け、その好きなものが勝利した瞬間の歓喜が爆発した。あれはもう、本当に爆発だった。
一斉に立ち上がったのではなく、爆風でみんな一斉に浮かんだようにすら見えた。

こんなのまた批判したい人に見つかったら叩かれちゃうんじゃないかしらと心配になる程、皆一様に叫んで、泣いて笑って、握手してハイタッチして抱き合っていた。この日の時点で香川県は3日連続新規感染者ゼロだったようだし、まあ、いいか、この時くらい。

こんな幸せな感情が味わえる場所がまだこの世にあったのか、もう他の悦楽じゃ満足できない体になってしまうのではないか、と怖くなるくらい本当に気持ちの良い体験だった。
なんなら小川淳也さんが一番冷静だったのではないかというほどみんな喜び狂っていた。


当選確実が報じられてからの感想はすでに第一回で書いたが、
この日一番印象的だったのは小川さんの娘さんのスピーチだった。上の動画の14:40くらいから。
小さい頃からお父さんが負けるたびに、社会に出たら正直者がバカを見る現実に立ち向かわなきゃいけないのかと思ってた。今日初めて正直者の気持ちが社会に届くのかもと思えた。
とおっしゃっていた。やはりここからが、今の政治を変えるスタートなのだなと思った。

あなたに会えてよかった

今回、自分の選挙区以外でも信頼できる政治家を見つけることができればそれだけで政治は、選挙は、至極楽しいイベントに変わることを知った。

ギャンブルが好きな人なら、選挙は絶対に楽しい。賭けた馬や船や自転車を応援するその熱量を、無料で楽しめてしまうのだ。
もちろん金額のバックはないけれど、正しい目利きで選んだ政治家に投票して、その人を応援すれば自分の生活に還元されることはあるかもしれない。

アイドルオーディションにのめり込む人も、選挙は絶対に楽しい。
自分の選挙区以外でも、この選挙区はこの人、あの選挙区はこの人、と応援する政治家を決めて、その人となりを追っていれば、開票特番を見るのがものすごく楽しくなる。これまた無料で楽しめる。

スタジアムまで足繁く通うような熱心なスポーツファンは、応援のプロであるから、選挙ボランティアに絶対にハマる。一生の趣味にできると思う。そのくらい楽しい。

ただ、それもこれも「応援したいと思える政治家」が見つからないと成り立たない。
他人を、ましてや社会の少数派を思いやる余裕なんてない人も多いだろうし、理解できない、したくない人も大勢いるだろう。政治や社会の不正義を正そうなんて人はことさら少なくなっていく。

けれどもし、全ての政治家が小川淳也さんのように、きちんと国民に興味を向けてくれたなら、その人のことを好きになって、この人に投票しようと思う人が増えると思う。
与党であれ野党であれ、政策の詳細や他党の批判の前にまず、信頼できる、苦しい時に寄り添ってくれる人であることを見せてほしい。
選挙前の演説ですら、そういうことを決してしない人がいるんだということも、小川さん以外の候補者を見て、今回改めて感じたことでもある。

この動画、5000回しか見られてないのか。
そのうち10回くらい自分だから4990回しか見られていない。悔しい。

改めて聞いても、実は当たり前と思えるようなことしか言っていないし、具体的な政策の話もしていない。でも、それでいい。すごくいい。

政治の方から寄り添ってくれると言われるなんて思っていなかった。
政治家が一般市民の話を聞いて頭を下げてくれると思っていなかった。
政治家が一般市民の話を聞いて涙ぐんで語ってくれるなんて思ってもみなかった。
政治家の選挙事務所に飛び込みでボランティアできるとも思わなかった。
開票を選挙事務所で候補者と一緒に見届けてハイタッチするなんてことが人生に起こり得ると思うわけもなかった。

物心ついた時にはすでに政治家はとても偉い人で、自分とは関係ない世界の人だと思っていたが、小川淳也さんは最初に話したその瞬間から、上でも下でもなくてぴったり真横に寄り添ってくれるようなそんな接し方で、あ、政治家って偉くないんだ。と思わせてくれた。
選挙は政治を変えてくれる政治家を選ぶのではなく、一緒に政治を変えていくために自分らの先頭に立ってくれる人を見つけることなんだなと思った。

香川1区で、小川淳也さんと、小川淳也を応援する人たちが、政治の、政治家の、選挙の意味をガラリと変えてくれた。

また、選挙のたびに、絶対に応援に行きます。
小川淳也が総理大臣になるまで、政治が変わるまで、応援し続けます。
なぜなら、何より、すごく楽しかったからです!
ありがとうございました!

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11月5日
ついにボロフェスタに到着しました!くるりもソウルフラワーも間に合わなかったけど、やっぱり最高です!

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↓香川1区日記①↓

↓香川1区日記②↓

↓香川1区日記③↓


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