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【イタリア】デパートの入り口に資生堂 鎮座

街に小さなデパートがある。地下一階・地上二階の建物で、それ以上はマンションになっている。ここは、地下に行っても、日本のように食品を扱っていない。だからデパ地下なんて言葉もなけりゃ食べ物を想像する人は誰もいない。

だけど、イタリアのデパートでも一階はコレ…

デパートのドアが開けば、待ってましたと言わんばかりに、空気いっぱいに含んだ華やかなフレグランスの香りに包まる。スッと息を胸に落とすと、その先に、光り輝き 艶を放った眩い化粧品の数々が、触れて欲しそうに並んでいる。


まずその先頭に陣取っているのが、まさかの


SHISEIDO

実は、イタリアと資生堂は密な関係がある。
ここで、資生堂の140年に渡る歴史を見てみよう。

1872年 日本初の民間洋風調剤薬局として創業
1888年 日本初の練り歯磨き発表
1897年 化粧品業界へ進出
1902年 ソーダ水、アイスクリームの製造販売開始
1916年 現在の銀座7丁目に化粧品部開店
1927年 株式会社資生堂となる
1928年 資生堂化粧品部、資生堂アイスクリームパーラー開店
1931年 東南アジアに向け「ローズ化粧品」輸出。初の本格海外展開
1949年 東京証券取引所に株式を上場
1957年 台湾で販売開始
1962年 資生堂が出資した、初の海外販売会社資生堂オブハワイ設立
1963年 イタリア・ミラノで販売開始。初のヨーロッパ向け化粧品輸出
1965年 資生堂コスメティックス(アメリカ)設立
1968年 資生堂コスメティチ(イタリア)設立
1970年 資生堂シンガポール設立
1971年 資生堂ニュージーランド設立
1972年 資生堂タイランド設立
1980年   資生堂フランス設立
      資生堂ドイチュランドGmbh設立

1981年 中国・北京で販売開始
1982年 資生堂オーストラリア設立
1986年 資生堂ユナイテッドキングダム設立
1991年 欧州に初めて生産拠点を開設(フランス)
1997年 資生堂ヨーロッパヨ株式会社設立
2000年 ヨーロッパ物流センター設立
2006年 ヨーロッパリサーチセンター設立
2013年 欧州販売開始50周年。
               この時点で欧州51カ国、1万店以上で販売
2016年 「DOLCE &GABBANA」とライセンス契約を締結
資生堂のホームページより抜粋


ヨーロッパで一番最初に扱い始めたのがイタリアだった。資生堂というたった一つのブランドに、8人で始まったという。それから、フランスやドイツへと広がり、ヨーロッパでも立派な地位を獲得。そして、2018年の時点で、220人の社員に11種のブランドを扱うようになったとか。ちなみにそのブランドとは、ANESSA, clé de peau, DRUNK ELEOHANT, D program, ELIXIR, íPSA, NARS, PERFECT COVER, SHISEIDO, THE GINZA, TORY BURCH。

2023年は、イタリアの販売開始から60年となる。


イタリアにおけるSHISEIDO の存在


イタリアやドイツでは、スキンケア部門でトップシェアを占めているとか。
スーパーやコスメ専門店の日焼け止めコーナーでも、真っ青と黄色のパッケージが主張している。日本のブランドがここまで一般市民に近づいてきたのかと実感する。

イタリア資生堂のカントリーゼネラルマネージャーは、パンデミックの状況についてインタビューに答えていた。2020年2月に、いち早くリモートワークを導入。従業員の固定相当額を維持しただけでなく、国際赤十字や病院に寄付を行った。
また、ロックダウン中に家から出なくなったことで、香水の購入をやめた人が多くいたが、その代わりスキンケアの世界に移った。パーソナルケアも急増し、ボディに関する商品やアンチエイジングにも消費者は興味を持っていったと語っていた。

イタリア歴60年の老舗ブランドにもなると、母体はしっかりし、こんな状況があったとしても、余裕で市場の動向を掴むことができるのだろう。

だが、イタリア人の中で、このブランドが日本製だということをどれほどの人が知っているのだろうか。私は友だちの会話で、一度も話題になったことはない。デパートの入り口にあるのは、人気だからなのか、注目して欲しいからなのか。


イタリアのデパートにある資生堂の商品

まずはコスメ

スキンケア商品はこちら

この棚には、上から、

  • バイタルパーフェクション

  • ベネフィアンス

  • アルティミューン

  • エッセンシャルエナジー

  • ホワイトルーセン

  • トリートメントソフナー

資生堂一押しのハイブランドがずらりと並んでいる。日本らしさを感じる、漆黒に朱が効いて潔くかっこいい。これは、他のメーカーと違う色合いを醸し出せているのだろうか。

あと、日本人として、試してみたいと思うけれど、91年にフランスでの生産拠点を構えたことで、やはりヨーロピアンに向けて改良されたのではないかと考え躊躇してしまっている。

実は、もっと二の足を踏んでいる理由がある。
兄夫婦はKANEBOの社員。ミラノのデパートにはあったが、ここまではまだ届いていない。こんな地方都市で、資生堂とKANEBOが並ぶ日は来るのだろうか。

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