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【イタリア】体力回復!寝る以外の方法があった!〜Artのチカラ〜

ほぼ毎日、日本食レストランで働いています。
昼と夜の営業にみっちり。
朝に家事やパソコン作業をして、
夕方は残りの家事をして仮眠をとる。

これが毎日のルーティーンで、
変わり映えしないけれど、これが日常なんだと
敷かれたレールの上を走って無難に過ごしています。

イレギュラーもありますが、なるべくリズムを壊さないように、
とにかく午後は、少しでも横になり、
夜の営業のために体力を回復させます。

画家の友だちに誘われて

この街で唯一親しい友だちがいます。
普段は会社員として勤めていますが、
もう一つの顔として画家として活動しています。

勤務時間以外で作成したり個展を開いたり、
教室で教えたり、美術館を巡る旅に出たり。

私は何度か教室で「折り紙先生」として
子どもたちに教えたことがあります。
拙いイタリア語でも、子どもたちの理解する能力と
好奇心でうまくこなすことができました。



先日、もしヒマならおいでと、
子どもたちのレッスンに呼ばれました。

普通なら休憩する午後に教室へ。

いつものようにお手伝いだと思ったら、
小学低学年の中に大きな大人が一人、
一緒になって参加しました。

この日は、パターンのレッスン


白い紙を用意し、
手より少し大きい輪ゴムをいくつか持ち、
上からパラっと広げて歪な輪を作る。
内側と外側をペンでなぞり、ゴムを除けると
不規則な輪ができます。
その間を絵を描かずにパターンで埋めていくというもの。

初めは斜めの線だったのが、丸と線、
ギザギザや点を使うなど、
ペンで配色を考えながら彩っていきました。

至って普通だけれど、黙々と描いていく…

どうしても失敗したくない私は、
無難な春色で進めていましたが、
友人である先生は、締めの色が必要と、
私が選ばないものを挿し色に出してきました。
また、彼女はそこに和柄を入れてきたのです。

彼女は日本の舞妓や芸妓、着物などについて勉強し、
作品にも取り入れているほど日本文化に傾倒しています。
だから、日本やアジアの柄は知っているのです。
それを私に提案してきました。


いかに私の頭が硬いのか…

確かに浴衣の柄や手拭いなど、
簡単な線と丸の組み合わせで描かれているものが多い。
当たり前すぎて、それがどのようなデザインだったのか
なんて考えるどころか、記憶にもありませんでした。

これまで使ってきた折り紙の柄にも使われていたのに、
自分の文化を知らずに他を知ろうとしていました。

和柄を取り入れながら進めた一枚の紙は、
まとまりはないけれど、少しずつ色を加えるごとに
段々と作品になっていきました。

実は、手元にないのでお見せすることができないのですが、

できた作品よりももっと素晴らしい発見がありました。

教室を終えて、すぐに夜のレストランへと入りました。
仕事中に眠くてボーっとするだろうなぁと
思っていたんですが、全くない!

むしろ心地いい〜

いつもは寝ることによって体力を回復させていたのが、
目の前にある紙とペンに集中しているだけで、
緊張や日頃の疲れがどんどんと取れていったのです。

アートがこんな効果があるだなんて、
初めて知りました。

友人からも、すごく集中していたことを褒められたほど、
自分の世界へと没頭していました。

一緒に参加していた子どもたちは女の子が多く、
口は達者でお喋りが止まらない。
途中、音楽を流しながらすると、
みんなで歌いながら集中していく。
全員が一体になる見事なユニゾンができました。

こんな風に心が穏やかで気持ちが晴れるだなんて!
自分を癒す時間はほかにもあるのかもしれません。
集中して達成する時間が必要なんだと気付かされました。


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