#クリスマス金曜トワイライト 文学賞　結果発表（57作品）

すべての作品にドラマがありました。楽しんで頂けた事がなによりも嬉しいです。ピアノの連奏による「ピアニスト」の会話のように「書き手」による文章の会話が生まれたように感じています。これは新しい無形資産と言えるのではないでしょうか。

『良い文章とは読む人の数だけある』と思うのですが、伝えたいものは何か？書くことへ何らかの目標があるか？は文章に滲み出るものだと感じます。顔に人相があるように、文章にも人相があるように思うのです。

「紙の文学賞」とは違う。「企業によるnoteお題企画」とも違う。「新しいWEB文学の文学賞」はないのだろうか？とずっと感じていました。ブリリアントブルーで、嶋津さん、仲さんと話していましたが、なかなか巡りあいませんでした。というわけで新しい文学賞の主催に挑戦してみました。これには多くの仲間がいたから実現できたのだと思います。まだクリスマス金曜トワイライトは映像化にむけて続いています。これからもこの挑戦にお付き合い頂ければ嬉しいです。よろしくおねがいします。

クリスマス金曜トワイライト・イベントメンバー
選考グループ　：　仲高宏　クニミユキ　池松潤
fm配信グループ： 嶋津亮太　クニミユキ　masako kato
映像グループ　：　猫野サラ　
賞品協賛対応　：　田所敦嗣　
会場グループ　：　ホンブダイゴ 　mcynamb

#クリスマス金曜トワイライト 文学賞 授賞式 イベント zoom収録動画

【ノミネート作品】

選考ミーティングでノミネートされた作品です。残念ながら僅差で賞には至りませんでしたが、選考メンバーでピックアップした作品を紹介します（順不同）

・タダノヒトミさん
原作を踏襲しつつも、美しさだけではなく女性が持つ生身のエグミをよくリライトで表現されています。多面的な切り口が作品に新たな深みを与えています。そこが素晴らしかったです。

・百瀬七海さん
この想いを温めるには、少しだけ時間が必要です。
これをはじめに読んでまず驚いたのは、まるで原作を自分で書き直したのかと錯覚してしまうほど文章のリズムや特徴が似通っていた点です。原作を踏襲しつつも明らかに編集された内容のものを赤の他人が書いて、一つの水準にまで到達してきた。これが評価ポイントです。もともとの要求が「二次創作寄りになっても良いので新しい物語を作り出すぐらいの気持ちでリライトしてください。」だったので、多くの人は文調も変えた人が多かったのですが、文調は原作のままで、物語を編集してリライトしてくるという展開に非常に心を動かされました。

・あずきさん
原作でチョイ役だった後輩に焦点をあて、第三者視点でリライト展開させている点と、心象風景と事象の距離感を文章に表わした点が、他の作品には無い視点でした。

・しめじさん
「恋愛の愚かさ」が露呈していてぞわぞわしました。リライトの解釈は人それぞれを地で行く作品です。女性のしたたかさや打算的な思考と、あくまで純粋に女性を想う男性、その対比はそのまま「男と女の思考の差」なのかもと、そう思わせる作品でした。

・水野うたさん　
レモンB面そして女性側を書いたものは多かったですが、ここまで文体まで原作に合わせ、なおかつリライト、そして完成度高いのはこれじゃないでしょうか。「でも、どうか忘れてください。私のことなど、どうか。」←二回使ってるのがニクイです。

「選考委員賞」

あなたによって生まれ変わった恋の新しい原作を書いてくれた方へ選考委員会から贈る賞です。

湖嶋いてらさん

この作品には恋に落ちる表現がありました。

「僕も初めてです。」
ふっと顔を上げた。数時間前に作ったばかりの前髪がぎこちなく揺れた。
「嘘です。」
途端にクスッと笑い声がして驚いた。私の口から出たようだ。
こなれた場所でこなれた冗談を飛ばす、こなれた着こなしのこなれた目尻のひと。
今このひとの視界の中で笑うショートヘアの女は、新しい私だろうか、偽物の私だろうか。

恋の表現方法の中に、『自分が自分でなくなる瞬間を描く』という手法があります。原作者（池松潤）が苦手とするところを上手いこと拾い上げているのが、湖嶋いてらさんです。素敵な文章だと思いました。

「読み手賞」

スキ・引用RTを集計して一番多い方の賞です。

ゼロの紙／元コピーライターさん
この賞はnoteスキ数＋TwitterRT数によって決定した賞ですが、スキ数だけでも133あり、圧倒的でした。

「書き手賞」

リライト企画に参加された書き手による投票数で選ぶ賞です。同数首位でしたので２作品に贈ります。

・ますこすこさん

・湖嶋いてらさん

「妄想賞」

妄想の激しさを基準に選考委員会が贈る賞です。

・ますこすこさん
読み初め、不思議な文体だと思いつつも、ふたりの行動の詳細描写にぐいぐい引き込まれました。リライトはともすれば大筋がわかっているため離脱しがちですが、これは離脱ができない文章です。原作を踏襲しつつ、そこに本来ないパラレルワールドができあがっていることに驚きました。

「ゆうらくで賞」

特別に際立っていたので特別に賞を設けました。

・逆佐亭裕らく師匠

これからは小説にもAI時代が来ます。しかしAIにはスタイルは作れません。でも裕らくさんは、誰が読んでも裕らくさんだとわかるスタイルを作った点が素晴らしいです。

「イケマツ賞」

池松潤の独断と偏見で贈る賞です。

・涼雨 零音さん・イケマツ賞（金賞）
こどもが持つ純粋さだけではなく、そこに併せ持つ醜さだとか弱さだとかに焦点をあててリライトに取り組んでいらっしゃることが分かりました。入り組んだ感情表現が絶妙で骨太でした。

・椿-TSUBAKI-さん・イケマツ賞（銀賞）
まず、原文をただトレースして修正するのではなく、思い切った編集がなされた形跡が見えることが一点。はじめの行で手紙について言及、次に新幹線の時間、そこから放置されていた手紙に気づき疾走するという描写が冒頭で展開されています。これらは原作にある一番中心のエッセンス。これらを的確に抜き出していることが素晴らしかったです。はじめの導入が的確なのでそこからの物語の動線が掴みやすく、非常にスムーズで頭に入りやすかった。第二に映像的なニュアンスを捉えられている点です。椿さんはショートムービーさながらの文章を展開しているのですね。これはとてもすごいことだと思いました。

「金曜トワイライト特別賞」

筆者自らが難易度を高めて「挑戦」した作品に贈る賞です。

・四宮麻衣さん
独白調の文章であった原作を、四宮麻衣さんは類いまれな描写力と想像力で小説のレベルにまで引き上げて仕上げてらっしゃいました。これは一本の映画に匹敵する文章だと感じます。作品のあとご自身でもリライトの意図を語ってくれていますが、原作の全てを描かずにある程度そぎ落とした上で、その代わりワンシーン・ワンシーンを精密に再構築することに重きをおかれています。原作では細切れの独白で物語は構成されていますが、再構築することで物語の深みにつながっていました。行間の隙間を埋めたことで、物語としての情報は詰まっていくのですが決して窮屈にはならず、そこから生まれる余韻は逆に拡がりを見せているのが素晴らしかったと感じました。

「総合大賞」

上記の賞から「総合大賞」を選考委員会で選びました。

この作品には恋に落ちる表現があります。

「僕も初めてです。」
ふっと顔を上げた。数時間前に作ったばかりの前髪がぎこちなく揺れた。
「嘘です。」
途端にクスッと笑い声がして驚いた。私の口から出たようだ。
こなれた場所でこなれた冗談を飛ばす、こなれた着こなしのこなれた目尻のひと。
今このひとの視界の中で笑うショートヘアの女は、新しい私だろうか、偽物の私だろうか。

恋の表現方法の中に『自分が自分でなくなる瞬間を描く』という手法があります。原作者が苦手とするところを上手いこと拾い上げているのが、湖嶋いてらさんの作風に活きてます。新しい時代の幕開けを感じさせる素晴らしい作品だと思いました。

※受賞者の皆様へは、何らかの方法で表彰状をお送りします。

57本（＋1）※ の新しい恋愛小説を読んで感動しています。ぜひ読んでみてください。きっと新しい「何か」があると思います。
※下記noteの後にUPされた１本がありました。

クリスマス金曜トワイライト・イベントへご参加・ご興味いただきありがとうございました。コロナ禍で会場からzoomへ変更など色々大変でしたが、これから映像化へ向けて頑張ります。

そこでクラウドファンディング的な応援してもらう企画をはじめました。クリスマス・シーズンにぴったりな特別限定セットをお届けします。会場開催ができなくなった柴田屋バル・ホンブさんへの応援になります。持ち出しで開催している私たちの元気にもなります。下記のフォームからポチっとして頂けると嬉しいです。よろしくおねがいします。

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