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脚本「マンホールのUFOにのって」

上演時間約100分

僕の彼女のはるかちゃんはおそらく高確率で宇宙人だ。
発言に不可解な点があるし、会う度に印象も違う。
足音がしない気がするのは地上から数ミリ浮いているからかもしれない。
はるかちゃんは連絡先も住んでいる最寄り駅さえも教えてくれない。
きっとおうちはUFOで、ご近所さんにバレないように「透明マント」のようなシートで覆われているんだろう。もしくはゴミ屋敷か。
〜〜〜
15年後。
すっかり大人になったはるかさんの毎日は退屈だ。
かつて好きだった男の子を時々思い出しては夜空に向かって深めのため息をつく。
やることもないので夜ごとバッティングセンターで黙々と打撃練習に取り組んでいる。
大人になったはるかさんは数ミリも浮いてなんかなくて、軸足をしっかりと地につけて滑らかな体重移動で腰を回転させつつ力強くバットを振っている。
いつか剥がしたカサブタと共に、お気に入りの猫のアップリケを付けて、
今日も生きてる、歩いてる。

上演申請 info@m-appartement.com
※学生団体の上演、稽古利用は無料です。
※使用する際は必ずご連絡をお願いします。

「マンホールのUFOにのって」PDF
https://drive.google.com/file/d/1xLrvK-62YOFAKSOBHuxV170us1xrPo1Q/view?usp=sharing

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