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仕事の「指示をする」とは、相手の頭の中に「画像を置きに行く」ということ

今週、リモートワークにおける仕事の振り方について書いたら、多くの人から「耳が痛い!」との反響をもらったので、仕事で「指示をする」とはどういうことなのか、もうちょっと深ぼってお伝えします。

多くの仕事はチームでやります。チームでやるということは、必ずチーム内で、(上司から部下へ)指示出し→(部下から上司へ)提出→(上司から部下へ)フィードバックという業務が発生しますよね。

で、そのときよく発生するのが、部下から提出されたアウトプットに対する「う~ん、こうじゃないんだよなあ…」というギャップ。

これ、ほとんどの場合、部下じゃなく、上司に責任があります。

横行する指示という名の丸投げ

いいですか。

作業指示というのは、「やっといて」と丸投げすることではありません。相手が、すぐに作業に取り掛かることができ、期限通りに、期待するアウトプットが出せるように、明確なビジョンとやり方を伝えることです。

僕はこの工程を、仕事の「指示をする」とは、相手の頭の中に「画像を置きに行く」ことと言っています。

画像を置きに行く

たとえば、あなたが部下に「キャンプの記事をつくるから、キャンプ場に行って”いい感じ”の写真撮ってきて。テントはピルツ型がいいな。あと、オートキャンプだから真ん中におしゃれな車とステキなグッズを置いた感じでよろしく!」と指示を出したらどうでしょう。

たぶん、部下の頭の中にはこんな画像(アウトプットイメージ)が置かれています。

wagencamp_モザイク

このまま撮影に行かせ、写真を提出されると、「いや、、こうじゃなくてさ…」となりますよね。

これは部下の責任でしょうか。違います。上司が明確な「指示」が出せていないことがすべての元凶です。

理想的な指示は(もし上司が下記の仕上がりをイメージしているなら)この解像度で部下に指示を出さなければなりません。

画像1

・車は淡いグリーンと白のツートンカラーの前期型ワーゲンバス
・車からストライプのタープを付けて
・車の屋根にはサーフボードがあると良い
・車の周辺にはヴィンテージ系のボックスやランタンを配置
・望遠鏡や(水を入れる)カラフルなジャグがると良い
・車の角度は真正面、真横ではなく斜めカットで
・真ん中に車、右側にノルディスク製のピルツ型テントを配置

ここまで「指示」できれば、提出物(アウトプット)が大きくズレることは無いでしょう。

これが指示です。

指示が出せない2つの理由

では、なぜ多くの上司は明確な指示が出せないのでしょう。

それは、上司本人が(頭の中に)明確な画像(アウトプットイメージ)を持っていないことと、仮に持っていたとしても伝え方が下手で、相手にちゃんと伝わっていないことの2つが要因です。

自分は画像を持っているのか?

上司は、部下に指示をする際、自問自答してください。

指示をする以前に「自分は明確なアウトプットイメージを持っているか?」と。

多くの場合、「忙しいし面倒だからとりあえず振っちゃおう」か、「自分もやったことないしよくわからないから、とりあえず任せちゃおう」だったりします。

指示というのは、「自分でもできるけど(自分がやった方が精度も高いし早いけど、それをやってると仕事が回らないので)相手に任せる」ものであるべきです。

自分の頭の中に画像(明確なアウトプットイメージ)が無いのに、相手に振るのは指示ではなく単なる丸投げです。

そんな曖昧な指示という名の丸投げから、あなたより知識や経験の少ない部下が想定を上回るアウトプットを出してくることなんて起こりえません。仮に出てきたら部下が相当優秀であり、あなたは不要ということです。

部下から上がってくる提出物は、あなたの頭の中にある解像度を超えることはほぼありません。

部下の仕事のクオリティに嘆く前に、自身の頭の中を確認してください。

わかりやすく伝えているか?

自分の頭の中にあることを、相手の頭の中に置きに行こうとするとき、どんなに正確かつ詳細な作業指示書をつくろうと、説明が上手い人が丁寧に伝えようと、100.0%の精度で情報をインストールさせることはできません。

伝える過程で、必ず情報は漏れるし、歪むのです。

まずそれを大前提として「伝わる努力」をしなければなりません。

あなたが頭の中に完璧なアウトプットイメージを持っていて、それを伝達効率100%で相手の頭にインストールすることができる状態がこれ。

伝達1

でも、この状態は実現できません。必ず伝える過程で情報は劣化します。なので、どんなに完璧に指示を出せたとしてもこうなります。

伝達2

こうなることを前提に、何が伝わらないのか(漏れるのか)、どこが歪むのかをできる限り想像して伝え方に工夫を凝らす必要があります。

あなたの頭の中に完璧なアウトプットイメージ(画像)がある場合でもこうなるのですから、もしあなたに明確な画像がないとこうなります。

伝達3

これが、多くの現場で「(上司)なんだよこれ、、こうじゃないんだよなあ。。」「(部下)そんなん言うならもっと細かく作業指示出してくれよ、、あんな曖昧な指示でわかるわけないだろ。。説明もわかりにくいし。。」という悲劇の要因です。

リモートワークだからこそ明確な指示を

対面であれば多少雑な指示でも(上司の頭の中に明確なアウトプットイメージがなくても)伝え方でごまかすことができます。

でも、リモートワークになると、対面でのコミュニケーションよりも伝達効率が落ちるので、より一層、気をつけて指示を出して上げる必要があります。

指示を出される側の心得

普段、指示を出される側の人(部下やスタッフ)も、こういう状態ですから、遠慮している場合ではありません。

このまま作業を進めるのは危険だな、と感じたら、躊躇なく「すみません、ちょっと何を言っているのかわからないです」「もうちょっと細かい指示出しがほしいです」と伝えましょう。

ただし「もっと細かく」「詳細な指示を!」と「ちょうだい」ばかりしていると「こいつ使えねーな」という烙印を押されてしまうリスクもありますので、「私はXXという理解をしましたが、間違いないですか?」と自らアウトプットイメージをすり合わせにいく積極性を持ちましょう

伝達効率を最大化させるためのコツは、伝達の過程で情報が劣化していることを前提として、双方がすり合わせる努力をいとわないことです。

リモートに慣れれば対面での伝達効率はもっとよくなる

アフターコロナがどうなるかわかりませんが、以前よりもリモートでの仕事が増えることは間違いないでしょう。

リモートでほぼ完璧に仕事の指示ができる、または受けれるようになれば、対面での伝達効率はそれよりもさらによくなるはずです。

これを機に、指示をする方も、される方も、伝達効率を最大化させる仕事術を身につけてしまいましょう。

ご武運を!

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