「無知の知」は大事だけど、もっと大事なのはその次の「学びの知」だと思うよ、というお話
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「無知の知」は大事だけど、もっと大事なのはその次の「学びの知」だと思うよ、というお話

みなさん、「無知の知」は知ってますね。「自分が何を知らないかを知っている」状態です。ソクラテス大先生が提唱したものですね。

これがないと根拠のない万能感に浸り、勘違い野郎、井の中の蛙、裸の大様になっちゃうよ、というやつです。

「無知の知」がないということは、「自分が知らないことを知らない(自分が知らないことに気づいていない、自分が知らないことを自覚していない)」ということなので、考えてみるととても怖い状態です。

僕も、もう20年以上マーケティングを仕事にしていますが、やればやるほど、無知の地平線が広がっていき、「こんなにも自分が知らない世界が永遠と続いているのか…」「一度生きただけじゃとてもじゃないけどコンプリートは無理!」と絶望する毎日です。

だからこそ、少しでもゴールに近づくために、先人の知恵を授かり、スピードアップをはかるべく、本を読むのです。

さて、では、本を読みまくれば、賢くなって、良い仕事ができるようになるのでしょうか。

誰よりもたくさんの本を読めば賢くなって職務スキルが上がるのなら、読書王が仕事王になれます。でも、どうやらそういうことでもなさそうです。

では、何が大事なのか。

僕は、2段階あると思います。

まずは、無知の知を手に入れること。しかしこれまた「完璧な無知の知」なんてものはありませんから、人や成長ステージによって違うのでしょう。だから、いまの自分が想像できる最大レベルでの無知の知で良いと思います。

肝心なのは、その次です。

無知の知を手に入れたとて、「じゃあどうする?」につながらなければ意味がありません(なくはないですが、もったいない)。

「自分はXXを知らない」→「XXを学び、マスターする」という次の段階に進む必要があります。

それが、「学びの知」(勝手につけた呼び方)です。

「自分はXXを知らない」ということを自覚し、それをマスターしようと行動を開始するとき、どういうプロセスを設計するか

知らないことを知るときの学び方には、王道がある気がします。無駄がなく、効率的に、最短距離で、一定のレベルまで知を高める知の高速道路

誤解が無いように言っておくと、それは決して「ラクができる術」ではないし、インスタントに知を手に入れることができる「裏道」のようなものではありません。

特定の領域の知を手に入れるためには、どんな効率的な手段をとったとしても数百時間以上はかかるだろうし、たくさんの読書、試行錯誤、アウトプット、実務など、やらなければならないことはたくさんあります。

でも、だからこそ、どうやれば、自分が知らない領域を最短距離でマスターすることがでるのか、というルート設計力(知を吸収する勝ちパターン)を持っておくことが重要だと思うのです。

図にするまでもないでしょうが、こんな感じです。

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その肝心の「学びの知」とやらを早く教えろよ!という声が聞こえてきそうです。

そういうところですぞ!

自分はまだ知らない、すごく素敵な情報、知識、知恵、ノウハウが、インスタントに手に入ると(心のどこかで)思っていることが、学びの知を手に入れる一番の障害だと思います。

残念ながら、そんなものはないんです(あったらみんなそれをやっていて、あなたよりも先にとっとと賢くなっています)。

そして、学び方や効果的・効率的な吸収法は、人によってぜんぜん違います。読書が良い人もいれば、セミナーのように人の話を聞いた方が頭に入る人もいる。学び方にも、相性があるんです。だから、「みんなこれやればすぐに簡単に誰でも学びの知が手に入るよー!」なんて魔法の杖はないんです。

その前提の上で、僕の、あくまでn=1の、新しい領域の知を手に入れるときにやっていることを書いておきます。くどいですが、これをやれば誰でも簡単に知が手に入るわけではありませんよ。

学びの知 Step1

本を読むことです。

1に読書、2に読書、3-4も読書、5も読書です。本ほど効率的に知を学ぶ方法は、この世にありません。そして、読書よりもコストパフォーマンスが高い方法も無いと思います。

たった2,000円程度で、先人が積み重ねた知識、知恵、経験をベースに極限まで抽象化を高めたパッケージはこの世に存在しません(この世に絶対はありませんが、これだけは絶対です

だから、とにかく、徹底的に本を読む。Twitterで良さそうな情報を拾っても、Googleで検索しても、よさげなnoteを何本読もうと、ビジネスYouTuberの動画を観ても、高いセミナーを数本聴講しても、体系的な知は手に入りません

邪心を捨て、脇目も振らず、本を読みましょう。

その際のコツは、複数の本を併読すること。1冊じゃだめです。そして、読む順番が大切です。

最初に分厚い理論書から入ってしまうと、全体感を掴む前に挫折する可能性が高いのでお勧めできません。まず大事なのは、自分が何を学ぶべきなのかの「全体感」を把握することです。

僕の場合は、だいたいこういう順番で臨みます。

第一段階:新書を3冊読み全体感をざっくり把握(←大事)
第二段階:アカデミックな理論書を3冊読み正確かつ構造的な知識を吸収
第三段階:当該テーマの近著を4冊読み最新知識を吸収

計10冊

1冊じゃ駄目です。3冊でも駄目です。10冊を、一気に読みましょう。そして、何をどう読んだらわからない人は、騙されたと思って、この順番で読んでみてください。

理論書から入らない。流行りの本から入らない。まずは複数の新書を読んで、「学ぶことはだいたいここからこの辺までなんだな」という土地勘を手に入れた上で、理論書にアタックしましょう。新書じゃなくても、文庫でも、「マンガでわかる〜」でも構いません。要はざっと概観を把握することが大切です。

理論書は、様々な「具体」を濃縮果汁還元して、超高度に抽象化(汎用化)してくれているので、しっかりした(正確な)知の構造を手に入れることができます。構造的な知は、再現可能性を高めます。

決して、わかりやすい事例の学習から入ってはいけません。成功事例は、特定の企業や商品やサービスが、特定の時期に、特定の競合と、特定の条件で戦い、勝った「結果」でしかありませんから、再現可能性はほぼありません。そして、事例は危ない媚薬ですから、学んだ気、わかった気になれてしまうことが一番怖いのです。事例だけを学んでいる人は、結局、事例の焼き直ししかできません。

なので、全体感把握→理論書で構造理解→最新の本という順番で読み進めるいことが最もリスクがなく、効率的なのです。そして、くどいですが、10冊の併読です。2,000円の本でも10冊でたったの2万円。セミナー1回分です。コスパ最強です。

学びの知 Step2

次は、出力(アウトプット)です。

読んだだけでは、自分のものにはなっていません。まだ借り物の知です。

それを自分のものに近づける(←まだ自分のものにはならない)ためには、自分の頭で考え、解釈し、出力する必要があります。

そのときの注意点(お勧め)は、人の目に触れる場所で出力することです。

Evernoteやメモ帳などに雑記や感想を書くだけでは質の高い出力にはなりません。質の低い出力を何百回繰り返しても、ほとんど意味がありません。そして、知の定着が実感できないと、いつしか出力に意味を見いだせなくなり、やめてしまうことが関の山でしょう。

ポイントは、人の目に触れる場所での出力です。

「これを出したら馬鹿にされるのではないか…」「コイツなんもわかってねーな!ブハハ!と笑われて恥をかくのではないか…」など、心配で夜も眠れませんか?

大丈夫です!みんな忙しくて、あなたが出力した情報になんて興味ありませんから!

冗談はさておき、この「人の目に触れる場所で出力する」という緊張感は、馬鹿にできないんです。それだけで、人は「ちゃんと出力しよう」とします。そして、「ちゃんと出力する」ことを前提とした「ちゃんとした入力」をするようになります。

緊張感のある出力は、知の定着を助けるだけでなく、入力の質を高めることにもつながるんです。

Twitterでも良い、Facebookでも良い、noteでも良い、社内勉強会の講師でも良い、有志で集まっている学びコミュニティの場でも良い、どこでも良いです。とにかく、人の目に触れる場所で出力する。これがStep2です。

学びの知 Step3

実務です。

定着しかけている、でもまだどこか借り物の知を、徹底的に、実務で使いまくるのです。

提案書作成で活用する、プランニングで活用する、実行段階で活用する、レポート作成で活用する、会議で話してみる、クライアントとのミーティングで披露してみる、上司に話してみる、部下や後輩に教えてみる。

Step2の出力と似ていると感じるかもしれませんが、まったく違います。天と地ほど違います。

プロとして仕事をする実務の中で使うのです。ヒリヒリ感が違います。駄目出しもくらいます。通用しないことに愕然とし、絶望するかもしれません。でもそれで良いんです。そこが出発点なんです。

Step3は、仕上げのように感じたかもしれませんが、Step3こそが、スタートラインなんです。ここから始まるんです。

そして、「もしかしたら自分、スゲー賢くなってんじゃね?」という大いなる慢心を打ち砕かれ、何が駄目なのかを見つめ直し、無知の知がアップデートされ、またStep1に戻る。

結局、この当たり前のサイクルを、どこまで狂人的にやり切れるかの差なんだと思います。

さらっと書こうと思ったら長くなってしまいました。ということで、みんなで一緒に謙虚に学び、成長してまいりましょう。今日はこれにて。

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池田紀行@トライバル

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ソーシャルメディアに強いトライバルメディアハウス代表。得意領域はソーシャルメディア、ブランド、インフルエンサー、効果測定など。著書・共著書10冊。年間講演回数50回以上。サーフィン、ワーゲンバス、キャンプ、登山、DIY、ロードバイクが大好きな48歳。鎌倉稲村ヶ崎在住の2歳児パパ