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コストセンターという言葉が嫌いです

コストセンターという言葉は会計用語から生まれたもので、直接利益を生まない部門、たとえば、経理、総務、法務、広くは(アウトバウンド営業ではない)コールセンターやカスタマーサポートなどを指します。

一方のプロフィットセンターは、直接利益を生む部門で、営業部、事業部、マーケティング部などが該当します。

プロフィットセンターはお金を稼ぐ部門だから、攻め重視効果を追求せよ。コストセンターは、自分では直接お金を稼がない部門だから、効率を追求して費用を最小化せよ、というトーンで使われることが多い。

いや、ちょっと待てと。

会計用語だから純粋な分類のための言葉であることも、言わんとすることもわかります。が、その上でやっぱりこの言葉はよくないと思うのです。

じゃあなにか? プロフィットセンターは利益を稼ぐ部門だからコスト管理はザルで、効率は重視しなくていいんか? コストセンターはプロフィットセンターに感謝せよ、と言われるけど、プロフィットセンターはコストセンターに感謝しなくていいのか?

それって、ゴールキーパーに「フォワードはたくさん点入れるけど、お前は一点も取らないコストパーソンだから、効率よく働けよ。あと、点をとってくれるフォワードへの感謝も忘れずにな!」と言ってるようなものです。

組織化の目的は効果と効率双方の最大化です。そのために、機能分化や役割分担をする。会社がかかげるミッションを実現すべく、みんながそれぞれの持場で一所懸命頑張る。そこに上も下もないし、利益も費用もない。

社内でプロフィットセンターが必要以上に幅をきかせている会社って、家で「誰のおかげで飯が食えていると思っているんだ!」とイキってる昭和時代の前時代的思想に近い気がします。

売上は、企業活動の総体を表す一番大きな指標です。基礎研究、応用研究、マーケティングリサーチ、商品開発、生産管理、ロジスティクス、営業、宣伝、広報、販促、そしてそれらに携わる人が本業に集中することができるようにしてあげる人事、採用、経理、財務、労務、法務、総務、カスタマーサポートなどの人たちがいる。

その全員のパスがつながって、1点入る。最後にシュートしたのはフォワードだけど、その1点は全員で入れた1点。

大切なのは、すべての部署の人たちが、「全員で1点入れるんだ」と強く認識して、毎日を過ごすこと。

「点を入れるのはあいつらの仕事なんだからしっかりしてほしいよな!」とか「お前らは点を入れないんだからこのくらいしっかりやってくれよ!」など、自分の機能を中心とした他者攻撃をするのではなく、「全員で1点をとるために、それぞれの持場の人間が100%力を発揮し、かつチームとして一丸となれているか?」を問うべきです。

言葉は印象を変え、認識を変え、行動までも変えてしまう力を持っています。コストは悪いもの。できる限り少ない方が良いもの。コスト=カット。そういうネガティブな印象を持った言葉でくくられた部門の人は、毎日どんな気持ちで働くんでしょう。

世の中では当たり前の言葉であっても、違和感のある言葉は使わないようにする。そして、使わないだけじゃなく、使わないことや、なぜ使わないのかを宣言する。そんな小さなことの積み重ねが、とても大切だと思うのです。

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