ガタガタのレーダーチャート

短所を克服するには、人生はあまりにも短い

日本て、例えば小学生のときの通信簿で、国語5、算数2、理科4、社会4とかだと、「お前は国語、理科、社会はできるんだから、もうやらなくていい。その分、算数頑張りなさい、算数!」って言われるじゃないですか。親とか先生に。

これって、違うと思うのね。

好きだからできるのか、できるから好きなのか、両方なのか。嫌いだからできないのか、できないから嫌いなのか、両方なのか。

まあ、好きだけどできないってことって、あんまり無いと思うんですよ、人生で。好きなものは、それこそ寝食忘れて没頭するわけだから、人並みまではできるようになるはずだし、たいていのことは、人よりもできるようになる。好きなんだから。

であるならば、一度きりの人生、好きなこと(≒できること)に集中した方が、人生のROIは最大になると思うのです。日本はなぜか弱みを克服して平均値を取らせようとする。そこが根本的な間違いなんじゃないかなと。

そしたら、こんなエントリーが。

これこれ、これなのよ!

仕事というのは4つあると思っており。

①自分にしかできないこと、②自分がやった方がいいこと、③自分じゃなくてもできること、④他の人がやった方がうまくできること。

僕はむかし「それなりに器用」「なんでも自分でやりたがる習性」「俺がやった方が早い病」でした(自己評価)

すると、仕事をしている全体時間のうち、自分がやった方がいいこと(②)がすごく多くなる。自分がやった方が、部下よりもうまくできるし、早くできると思っていたわけ(多いよね、そういうひと)

すると、①の時間が少なくなる(おまけに、部下から②の仕事を奪っているから部下は育たないし、どんどん他律的になる)

さらにタチが悪いことに、自分の中に弱点があるのがすごく嫌だったことから弱点克服病の病を発症し、20代の頃、数字に弱いと感じていた僕は、「税理士になったら財務諸表に強くなるよな」と謎の決断をし、大原簿記学校で簿記論とか財務諸表論の勉強を始めるという愚行に出てみたり。

当然、数字が嫌いなんだから、毎週末の講義は苦痛極まりなく、左手で電卓を叩きながら仕訳(しわけ)をし始める隣の奴を見ながら、「こいつとは友だちになれない」と思ったり。そして、全国模試で3,000人中2,950位の結果が出たとき、ようやく僕は気づいたのです。

これ(簿記)、俺には合わないわ。って(遅)

体は一個しかない。人生も一度きりしかない。時間も24時間、365日しかない。能力の有り無しに関わらず、これはすべての人間に共通していること。

であるならば、自分は、②自分がやった方がいいこと、③自分じゃなくてもできること、④他の人がやった方がうまくできることをやっている場合ではなく、①自分にしかできないことに集中すべきなんじゃないのか。そんな当たり前のことに気づいたわけです。28歳でようやく。

でも、こういう話をすると、「それ、自分の苦手なことなんですよねー」「好きなこと、得意なことを伸ばせって言われました!」などと勘違いする若い子が出てくる。

そんなときに、えとみほさんのこの流石ツイート。

ほんこれ!

たとえば、新規事業を立ち上げる3人のスタートアップの場合、ビジネス領域を管轄するCEO、設計書無しでプロトタイプつくっちゃうCTO、マーケや営業をオールラウンドでこなすCOOなどという布陣が多い。

その人数で、「俺、数字苦手だから経理とか絶対無理だわ。興味もないし」などという輩がいたら「じゃあ誰やんの?誰かがやんなきゃなんないのよ?バカなの?」ってなる。

人数が少ない組織では、全員が「だいたいのことはできるオールラウンダーであり、かつ何かの専門領域に強い奴」じゃないとやっていけない。専門組織なんてものはなく、仕事の際(きわ)が滲みまくっているんだから。

でも、事業が育ち、体制が50人や100人になってくると、分業と専門組織ができ、今度はオールラウンダーの活躍するフィールドから、「自分はXXのことについては誰にも負けないけど、一方でYYについては箸にも棒にもかからないくらい苦手」という人間が活躍できるフィールドが整ってくる。

話の脱線ついでに、僕の大好きな『宇宙兄弟』。

いま、ムッタはチーム・ジョーカーズとともに月のミッションに従事しています。リーダーは、経験豊富で月にも行ったことがあるエディ・J。メンバーは、力持ちのアンディ、陽気なフィリップ、イタリア人でキザだけど腕は確かな医師であるカルロ、男勝りなベティと個性派揃い。誰一人と言って、オール3のオールラウンダーはいない。でも、最高のチームを形成している。

これって、仕事で言うと、こういう状態だと思うのです。

一人ひとりが、専門領域では戦闘力5だけど、それ意外はオール1とか2とか3の状態。専門外のことについては平均以下なんだけど、特筆すべき得意領域を持っている。

こういうチームの場合、オール3のスタッフは、全員のサポートをしたり、アシスタント業務をすることはあっても、キラキラ光り輝くことはなかなか難しい。

本に例えると、一冊でざっくり全体が概観できる総合書と、1冊で500ページの専門書という位置づけ。

だから、一言でチームと言っても、こっちのことを言っているわけではありません。

ボート競技のような仕事の場合、漕ぐ力と持久力の高いチームメンバーが、一糸乱れぬリズムでオールを漕ぐことが「良いチームワーク」となります。この場合は、個性派揃いのチームは求められない。

逆に、オーシャンズ11や、宇宙兄弟や、キングダムや、ワンピースのように、複雑なミッションや未見の敵と戦う状況適応力が求められる場合、個性派揃いの凹凸メンバーが、それぞれの強みを発揮し、弱みを補完しあうチームの方が高いパフォーマンスを出す。その場合においても、前提は、全員が、それぞれの持ち場において圧倒的なプロフェッショナルであること

だから、小さな組織、またはすべての領域でピヨピヨの新卒が「これ得意」「これ苦手」と言うのはナンセンス。強みを発揮し、弱みを補完しあえる一定規模の組織であり、自分の持ち場においては右に出るものはいないレベルに達した人間もしくは状況においては、強みに集中できる、が正しい

まあいろいろくどくど書いたけども、言いたいのは、人生は弱みを克服することに時間を費やすには、あまりにも短い。だから、自身の強みを見出し、そこを徹底的に伸ばそう。そのかわり、徹底的にだ、ということです。

強みで生きよう。

ご武運を!

PS

こちらも合わせて読むと、とても参考になるよ! いかにして強みを伸ばすか、楽天大学学長・仲山進也さんによる「加減乗除論」が解説されてます。

ちなみに今日はキングダム54巻の発売日であり、映画KINGDOMの公開日だぜよ!

橋本環奈の河了貂が見たい…


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