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コロナ備忘録①-2020年3月-


はじめに

新型コロナウィルスによって仕事と生活が一変してしまいました。まさか自分の生きているうちに(しかも事業を始めて2年目に)こんな大不況に見舞われるなんて想像もしておらず、毎日が不安と恐怖で思考停止してしまう日もありました。

ですが、コロナという不可抗力要素においても会社を経営し、スタッフやお客様がいる以上はそれに立ち向かっていかなければならず、自分の行動を一旦整理して改めて未来に向けて行動していくため、日々の事業の状況や自分自身の心境、ゲストハウス存続のために行動した事などをここに残していきたいと思います。

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はじめに、コロナが宿泊業に影響し始めた3月について書いていきます。

2月の中旬。イベントや学会が増えてくるこの頃からほとんど新規の予約が入ってこなくなりました。入ってくるのは前日・当日の大学生グループが中心で、週末も埋まらなくなってきたのもこの時期から。

この頃、本当に経営者として失格ですが正直こんな状況もGWまでには終わってまたGWで稼げるだろうから、4月・5月に向けて準備していこうと、自分の希望を勝手な予想にすり替えて考えていました。


3月上旬ー予約が入らずノーゲスの日も

3月に入ると、本格的に新規予約が止まりキャンセル通知のみ届く日々で、普段なら入ってくる直前予約すら入ってこない状況に。予約の無い「ノーゲスト」の日もちらほら出てきました。

感染者数も東京や北海道、大阪で毎日増えていき、北海道では緊急事態宣言、海外ではロックダウンなど大変な状況になってきていました。ここにきてやっと、これは本当にまずい状況になったと自覚をしました。これが3月の頭。

この時、自分が考えたことは「出ていくお金を減らし、料金変動(値下げ)をやめる」ということでした。

ちょうどこの頃、12月決算なので最終的な数字が確定して納税した頃で、経営者としてやっとリアルな数字と向き合っていた時期でした。「売上が順調でもこれだけしか利益にならないのか」とも思っていて、そんなタイミングでもあったので、とにかく販売管理費を減らさなければ、と考えたのは自社販売を強化し、どうせ予約が入らないならと全サイトで料金変動(値下げ)をやめました。

3月中旬ーTwitter炎上

Twitterを3月以前からフォローしてくださっている方ならもしかすると覚えていらっしゃるかもしれないのですが、この時の私がとった行動は完全にアウトでした。

売上が減っていく中で、販売手数料を減らすために自社HPでの予約を増やしたいと、Twitterである発言をしたところ、最終的に100件くらいのコメント・6〜7万RT・いいね まで伸び、いわゆる炎上をしました。

ツイート自体はコメント・メッセージで賛同してくださる方は多かったものの、同業の方からも消した方が良いというお声もあり少し時間をあけて削除したのでもうありませんが内容を完結にいうとこうです。

「ホテルに泊まる時にはホテルのHPから予約をしてほしい」「予約サイトへの手数料が負担だから」「宿泊施設は皆同じ気持ちなんです」

これに対し、コメントの中には「困ったときだけ勝手な言い分だ」「予約サイトも大変だし家族がいるのに潰れたら責任をとれるのか」というご意見が多く、冷静に考えれば思い至ることであったし軽率な行動だったと思いました。多くの方に不快な思いをさせてしまったこと、本当に申し訳ないと思いながらも、こんな風に今までも自分さえ良ければ良いと行動してきたことがあったかもしれない、と自分の言動を見直すとても良い機会になりました。

第三者の良心に訴えるという卑怯な手を使うのではなく、自社の努力でブランディングをしていき自社集客に繋げていく力をつけなければ生き残っていけないと強く思えたのはこの炎上ツイートがあったからです。たぶんこの件がなければずっと、自分のような小さな存在では大きなものに勝てるわけない、と戦う前から諦めて卑怯技を探すダメな経営者のままでした。

また、融資申し込みに向けて準備をはじめたのもこの頃です。

ゲストハウスの運営開始時に、初期費用としてある程度の融資を受けていたのと、兵庫県の起業家向け無金利融資を受けており、それなりに借り入れがあったので、これ以上の借り入れは正直したくないと思っていました。借りたら返さなければいけないし、じゃあいつ売上が戻って返済できるのかも分からない状況で、なかなか踏み出せなかった一歩でした。

それに加えてこの時は正直、まだ考えが甘くこんな状況にあっても「GWには100%戻らなくとも50%くらい稼働が戻り、夏休みには前年70%くらいまで戻れるのでは」と考えていたところもありました。

その前提で、半年分の運転資金を借り入れ申し込みをしました。

同時期に、建物の家賃交渉を管理会社さんを通じてさせてもらったのもこの時期です。


3月下旬ー「とにかく何でもやる」

私は勢いと度胸はあるものの、抜きん出るセンスがありません。ただの勉強不足もありますが、唯一無二な特別なことを想像することが出来ない、いわゆる凡人です。

ですが思いついたことをすぐ行動にうつすスピード感はあるので、先の炎上があってからはとにかく手数を出す方向で「数打ちゃ当たる」スタンスでいこうと考えました。思いついたことはすぐに実行し、これならうちも出来ると思った他社のサービスは秒で真似します。

3月に始めたことを以下にご紹介させていただきます。

コロナを受けてスタートしたこと

・お家で真似できるお掃除動画配信

・少しでも笑顔になってもらえれば、と踊ってみた動画の配信


・宿泊しないプランの販売

元々やっていたプランの内容を拡張したり、そのまま露出強化したものがほとんどですが、これらのプランをコロナ以前からもっと強化しておくべきであったと、猛省しました。

宿泊売上というある程度安定した売上がありそれなりに順調に売上が上がっていると、なかなか新しいことを始めたり、強化したりするまで至らないのは、切羽詰まった状況では無かったからなんですが、切羽詰まった時に始めたって遅いんだということに今回のコロナでは痛感しました。


気持ちが焦り完全にタイミングを誤ったプランも

このプランは、近隣の飲食店さんにも影響が出始め、飲食店さんたちもコロナの影響を実感され始めてきたこの頃、何人かの店主さんに持ちかけて始めたプランです。

内容は、夕食or昼食付き宿泊プランで、宿泊プラン自体を1つのメディアとして店主さんやお店について取材した内容を掲載し、この店主さんのいるお店でオススメの定食を食べられるというもの。プランが地域の情報誌となり広く発信したいという想いで企画しました。

状況をなんとかしたいという気持ちが先行しており「とにかく早く世に出して宣伝しないと」と急いでリリースしたタイミングがまた悪く、メディアに掲載してもらったタイミングが志村けんさんが亡くなられた翌日で世間の意識が一気に変わったときでした。

これももっと早く取り掛かるべきだったし、もしくはもう少し先に出すべきだったものです。

3月を振り返って

3月は、状況をやっと理解し、焦ったり、やる気になったり、失敗して落ち込んでまた復活したりと、気持ちの浮き沈みが激しい1ヶ月で、あっという間に過ぎました。

3月に始めたことは、どれも通常時から取り組んでおくべきことばかりで、いかに今まで自社ブランディングが出来ていなかったか、ということに気付かされました。

自社集客の強化を急ぐあまりに間違ったアプローチや間違ったタイミングで取り掛かってしまったこともあり反省の多い1ヶ月です。

何もせずに沈んでいくより足掻いて何か行動すること自体は間違っていないと信じているので、失敗したことを次に活かしながらまだまだ前を向いていきたいと思ってます。

ご近所の有名中華料理店さんのオーナーから言われた一言、

「コロナは誰のせいでも無いんだから、落ち込まずに行けるところまで行こう!!」

落ち込むことが多かった3月、この言葉にとっても救われました。行けるところまで、まだまだ行こうと思います。

4月、5月も引き続き書いていこうと思いますのでお付き合いくださる方はぜひ。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました⚓️

なでしこ屋外観(夜)


















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