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わたしたちが心地よい「新しいあたりまえ」を。提唱から社会実装まで行う「ニューノームコンソーシアム」とは

コロナ禍で働き方や暮らし方が激変しているいま、否が応でもみな「新しいあたりまえ」を考えてなくてはいけない時代になった。

今まではリモートワークに及び腰だった企業すらもリモートワークを検討し始めたし、顔を合わせることだけが目的のミーティングはオンラインに置き替わった。

私が働いている会社でも、これからはリモートワークを基本とすることになり、働いているスキマ時間で家事もできるようになった。何人かの同僚は、より広い家に住むために郊外へと引っ越していった。

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この時代を生き抜くために、企業や個人はどう変わっていくべきで、いわゆる「新しいあたりまえ」がどういう「あたりまえ」であれば、わたしたちは心地よく働けるのだろうか。

「どうせ変えなきゃいけないなら、前向きに『新しいあたりまえ』を創造していこう」

まだ肌寒かった4月のコロナ禍のさなかに、そうして立ち上がった団体が「ニューノームコンソーシアム」だ。

このコンソーシアムは、筆者であるわたしもエンジニアとして働く 株式会社 tsumug が発起人となり、電通や東京ガスなどの大企業からベンチャー企業まで、法人34社、個人6名の方が名を連ねている(8月時点)。

ニューノームコンソーシアムとは一体何なのか。株式会社フォースタートアップスで社長室 、コミュニケーションデザイン、 ヒューマンキャピタリストを担当しながら、ニューノームコンソーシアムの事務局長を務めている鈴木聡子さんにお話を伺った。

(聞き手・編集: 池澤 あやか)

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ニューノームコンソーシアムとは何か

池澤: ニューノームコンソーシアムとは、何を目的とした団体なのでしょうか。

鈴木さん: ニューノームコンソーシアムでは、新しいあたりまえを前提とした事業や、生活に必要なあたらしい基準や規範(ニューノーム)を考え、研究し、社会実装していくことを目的としています。

4月の発足のタイミングでは、法人19社+個人4名、8月現在では、法人34社+個人6名の方にご賛同いただいています。

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鈴木さん: ひとつの企業だけで新しい価値観を提唱するのは難しいですが、こうして多くの企業や個人の方と協力しながら「新しいあたりまえ」を創造していけるからこそ、社会に与えられる影響も大きいのではないかと考えています。

池澤: 具体的には、どういった活動をされているんですか?

鈴木さん: 現在は、賛同された方々と一緒に、不定期にディスカッションしたり、月1回をペースにオンラインイベントを開催しています。

オンラインイベントでは、「企業と従業員の関係性のこれから」「オフィスのこれから」「大学のこれから」「契約のこれから」など、さまざまなテーマを設けて、「新しいあたりまえ」について考えています。

そこから気づいた課題や生まれた共感から、実際にニューノームコンソーシアムの取り組みとして動き出す「種」を探しています。

これまで開催したオンラインイベントのなかでも、わたしはDMM.comの亀山さんが出ていたセッションが印象に残っていて。
「画面越しだと、ロイヤリティや一体感が落ちていくのは確実で、会社に愛着を持ってもらうのが難しい時代になっていく」という話をされていて、確かに、仕事上のコミュニケーションの密度の問題はこれから表面化していくかもしれない、と危機感を抱きました。

池澤: わたしも1回目のニューノームコンソーシアムイベントに司会として参加していたのですが、新しい時代のキャリアを考えるセッションはかなり印象に残りました。

「リモート中心になって、アウトプットが重視されるようになると、雇用の形もメンバーシップ型からジョブ型に変わっていく」みたいな話になったのですが、そのセッションの3ヶ月後くらいにKDDIがジョブ型人事制度を導入するというニュースがあって、「本当にいまって変革期なんだ!」と改めて実感しました(笑)

鈴木さん: これまでは働き方にまつわることを中心に議論してきましたが、コロナ禍になって、働き方と暮らし方の距離がグッと縮まってきたように感じます。なので、暮らし方に焦点をあてたテーマも、今後取り入れていくことが必然の流れだと思っています。

企業間コミュニケーションのプラットフォーム

池澤: コンソーシアムにはさまざまな企業が参加されていますが、企業間のコラボレーションが生まれることもあるでしょうか?

鈴木さん: 例えば、コンソーシアムがきっかけとなり、JDDさんとマネーフォワードさんが協力して、大手金融グループ企業の四半期決算のリモート化が実現しました。

また、コンソーシアム参加企業の連携により、飲食のスタートアップが生まれようとしています。飲食はコロナの打撃を最もうけた業種のひとつですが、今の御時世でも通じるような飲食店が成長していける取り組みはできないかという話になっていて。

コンソーシアムの参加企業である、トレタさん、シャープさん、キャンプファイヤさん、JDDさんなどで、飲食店の新しいあたりまえを実感していただけるサービスを実現しようとしています。

池澤: わたし、このメンバーにすごく見覚えがあるのですが……!もしかして、イベントの後に Zoom で開催されたニューノームコンソーシアムの懇親会ですごく盛り上がっていたやつ……?

鈴木さん: まさにそこから生まれました!(笑)

コロナ禍でリモートが当たり前になってきて、「気軽に質問しにくくなった」とか「孤独感を感じる」とか、そういった社内のコミュニケーションはよく問題視されていますが、個人的にはそれだけじゃなくて、企業間のコミュニケーションも明らかに少なくなっていると感じています。

そうした中で、コミュニケーションが生まれやすい環境を作って、企業と企業を横につないでいったり、協業するにあたって背中を押したりするのが事務局の役割なのかなと思っています。

池澤: まさに、ニューノームコンソーシアムは、新時代の企業間コミュニケーションのプラットフォームといえるかも……?

これからは「変化前提社会」

池澤: ニューノームコンソーシアムとして、今の時代をどう捉えていますか?

鈴木さん: さまざまな企業の中で、変化が前提の社会になってきていると感じます。

例えば、これまでであれば、Zoom みたいなオンラインミーティングが、この短期間で中小企業、地方企業、大企業含めて浸透するなんて考えられなかったじゃないですか。

その他も、これが契機にならなかったら一生議論されなかったような、契約書や印鑑のオンライン化や、シッターや家事代行についても、当事者として議論されるようになってきましたよね。

これまでも課題だったけれど変化を厭うことで議論さえされなかったことが明確になったということでもあると思います。

今ならどの企業も、新しい価値観を受け入れたり、新しいサービスが生まれてくることや変化に対してポジティブになってきているんじゃないかなと思います。

池澤: ニューノームコンソーシアムとして、どういう未来を創っていきたいですか?

鈴木さん: コンソーシアムの参画企業やメンバーがそれぞれ思い描いている未来を組み合わせて、複数社でブラッシュアップをしたり、育てていくところから、世間に広く報せていくところまで、コンソーシアム事務局としてはサポートしていきたいと思っています。

コンソーシアム内で、今までだったら会食中の雑談から生まれてきたような、偶発的なコラボレーションがどんどん生まれてくるような環境をわたしたちも整えていきたいです。

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■ New Norm Consortium

本記事は、日経MJでの連載『デジもじゃ通信』での取材インタビューを基に執筆しています。
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