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ワタシの移住物語 岡山編

2023年3月、
子どもの頃から慣れ親しんだ
横浜を後にして
念願の地方移住を
実現しました

肚を決めて
年明けから動き始めたら
ものすごいスピードで
現実創造されました

2月には子どもたちが
それぞれ一人暮らしを始め、
それを見届けてから
夫婦で移住して
新たなスタートを切りました

そこに至るまでの物語、
よろしければ
お付き合いください


海が大好きな私は
いつしか
「海が見える家に住みたい」
と夢見るようになった

きっかけは、たぶん
2019年に
ワークショップで訪れた
岩手県陸前高田市の
宿泊施設「箱根山テラス」

山の中腹にあるその施設は
木々に囲まれていて、
階段状の広いテラスから
海を一望できた

そのテラスで
海を眺めながら食事をしたり、
参加者の方と
おしゃべりを楽しんだり、
風や光を感じたり、
夜は寝っ転がって
満天の星空を眺めたり

五感が研ぎ澄まされる
気持ち良さがあって、
こんな自然豊かな環境に
身を置きたいなぁ
と望みが湧いた


下の子が大学生になった
昨年4月、
地方への移住を
本格的に検討し始める

でも、
「海が見える山の中腹」
という漠然とした
イメージしかなかったから
どの地を見に行くか
夫婦で途方に暮れる日々

いったいそんな場所は
どこにあるの?

そうしたら、
「岡山」というワードが
立て続けに3回も
目に、耳に飛び込んできた

岡山は一度も
訪れたことがないけど、
たしかに私が望んでいる
山も海もある

「直感が来た」
という話を時々聞くけど、
映像が見えるとか
声が聴こえるとか
そういう特殊な能力は
残念ながら私にはない

でも、
こういう形で
直感が来るんだなぁと感心した

これは、
岡山に行けってことかも?!

そう思ったものの、
日々の忙しさで
岡山行きをついつい後回しに

そんなとき、
たまたま催事で見つけた
クリームパンに心惹かれて
家族へのお土産に購入

すると、
クリームパンを食べようとして
手に取った夫が
思わず叫んだ

「岡山って書いてある!」

あぁ、これはきっと
グズグズしている私たちに
「早く岡山に行け」という
メッセージだなと受け止めて
岡山行きの準備を進めた

「せっかく岡山に行くなら、
3月に早期退職して
地域おこし協力隊として
岡山の和気町に移住した
大学の先輩にも会おう」

こうして大学の先輩である
酒巻さんに連絡を取った

後から振り返れば、
「岡山」のワードは
この先輩に会いに行け!
というメッセージだったんだなと
はっきりと分かる


久しぶりに会う酒巻さんは
とってもリラックスしていて
終始晴れやかな笑顔だった

今までの生き方を手放して、
縁もゆかりもない岡山に
単身移住した先輩

ワクワクと同時に
不安や緊張もあったはず

その先輩が
移住して2ヶ月経った今、
こんなに生き生きとされているのが
すごく嬉しかった

移住に至る経緯を
じっくりと伺う

「実は金八先生に憧れていた」
という酒巻さんは、
会社勤めをしながら
なんと教職を取得していた

すごいパワー!

そして、たまたま
地域おこし協力隊の枠で
高校の職員を募集していた
岡山の和気町にたどり着いた

今は住まいのアパートから
川べりの土手を歩いて
高校に出勤しているという

おー、
まさに金八先生の世界
そのものじゃないか 笑

そこまで望みを
叶えちゃってる先輩に
私たち夫婦も大笑い


昨年6月末、岡山に初上陸

酒巻さんから
移住に関する情報を聞き、
その後、ほかの移住者や
和気町役場 移住推進課の飯豊さんに
繋げてもらう

オンラインで
そうした方々から話を伺い、
移住に向けて
何をどう進めていけばいいかが
なんとなく見えてきた

飯豊さんは、
私たち夫婦の希望を聞いて
「瀬戸内市と玉野市あたりがいいのでは」
と候補地を挙げて
各市の移住推進担当者につなげてくれた

海はないけど、
飯豊さんの人柄と和気町に魅力を感じた私たちは
和気町も候補地に挙げた


一回目の岡山旅が
ほぼ観光で終わってしまった
私たち夫婦は、
9月に再び岡山を訪れた

和気町役場
移住推進課の飯豊さんに
案内してもらいながら
移住目線で候補地を見ていく

飯豊さんも
東日本大地震をきっかけに
夫婦で岡山に移住した人

移住経験者の彼は、
移住に向けて不安なこと、
知りたいことなどを
よく分かっていて
私たちに丁寧に寄り添ってくれた

飯豊さんが移住したときは
役場に移住支援課がなかった

サポートなしで
移住に必要な情報を得て
検討するのは大変だったとのこと

そこで、
移住支援をしたいと思った彼は
町長に直談判して
役場に移住推進課を作り、
その仕事に就いたという

「和気町に来てくれたら
もちろん嬉しいですが、
ほかの地に移住されるとしても
私でできることがあれば
お手伝いしますよ」

そんな飯豊さんの
ありがたい言葉が
私たちの心を温めた


案内途中に立ち寄った
町運営のカフェでは
若い夫婦に出会う

他県から移住してきた
この二人は、
地域おこし協力隊として出会い
昨年結婚したばかり

大きなまんまるのお腹を
愛おしそうになでる女性は
今日が出産日だった

「生まれる気配がないから
ご飯を食べに来た」
と笑った

その2日後に
第一子を無事に出産

移住推進課の飯豊さん、
学生時代の先輩やその同僚など、
和気町の皆さんが
我がことのように喜んでいて

嬉しい知らせに
小さな町が大いに湧いていた

そんな温かな雰囲気も
田舎ならではだなぁと
微笑ましく感じた


飯豊さんに、
宿泊は移住者の方が営んでいる
ゲストハウスを勧められた

和気町の外れの山奥にある
自給自足を目指す
ゲストハウス「静耕舎」

そして、
子ども食堂を開催したり
レンタルスペースを提供している
「藤野民宿」

これがホントによくて、
一緒に食事をしながら
移住にまつわる
様々な話を聞かせてもらった

「静耕舎」には
ハワイからのウーファーである
リキさんが滞在中だった

「ウーファー」
初めて聞く言葉だった

ウーフ(WWOOF)とは
World Wide Opportunities on Organic Farmsの略

WWOOFの参加者を
ウーファーと呼ぶらしい

WWOOFは、
ウーファーが
「労働力」を提供し、
ホストが
「食事、宿泊場所、知識、経験」
を提供する、
お金のやり取りを介さない
世界的なボランティアシステム

ウーファーとホストの
家族のような関係性に、
こんな旅の仕方もいいなぁと
心が躍った

DIYが得意なリキさんは
今回、母屋の隣の納屋の改装を
任されていた

ボロボロの納屋を改装して
いずれカフェを営むのが
ホスト二人の夢

リキさんの力作を見ようと
納屋の2階に上がると、
目の前に山と畑と空の絶景が広がった

「ここにカウンターを作って
景色を楽しみながら
美味しい食事を味わってもらいたい」

地元の人たちが集ったり
旅行者が立ち寄っている姿が目に浮かぶ

「カフェが完成したら
再び静耕舎に来よう」

そう夫と話した

誰かの夢を一緒に応援できるのって
なんて豊かなんだろう


移住者の皆さん
一人ひとりのストーリーにも
魅せられた

久しぶりに
インタビュアーの血が騒ぐ

移住の理由も叶え方も
十人十色で、
どの人も
大変なことや不便なことも
ぜーんぶひっくるめて
そのまんま楽しんでいて、
今の暮らしに満足しているのが
伝わってきた

そして、
目をキラキラさせながら
自分たちの夢について
語ってくれた

「自給自足をしたい」

「納屋を改装して
カフェを作りたい」

「人が集う場所を作りたい」

「みんなで何か
面白いことをしたい」

「子どもたちの未来のために
今できることをしたい」

2018年に
家族5人で移住した
「藤野民宿」の梅村さんは、
自分たちの夢を描いた絵を
額に入れて飾っていた

「今年の夏、
ようやくこの絵のような光景を
実現できました」

そう語る表情が
なんとも嬉しそうだった


年間を通して雨や雪が少なく
温暖で
日照時間が長い
晴れの国 岡山

野菜や果物が豊富で
美味しくて
暮らしやすい

和気町には
私の好きな海はなかったけど、
出会った人たちも
みんな温かくて素敵だった

和気町に心惹かれたものの
正直なところ
神奈川からかなり離れているのが
気になった

「岡山はちょっと帰るには
遠すぎるよー」
と娘が言った

家族が大好きで
時々は子どもたちに
帰ってきて欲しいと思った私は
神奈川からほどよい距離で
移住先を探そうと思った

せっかく候補地が出てきたのに
また振り出しに戻ってしまった…

ガッカリもあったけど
望みがより明確になったし、
移住経験者である
学生時代の先輩のおかげで
移住に向けての手応えを掴めた


ワタシの移住物語 長野編】につづく


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