noteというプロダクトは【女神の前髪】かもしれない

 自称レイトマジョリティーのエンジニアである私がnoteを利用し始めた経緯と発見を書いておきたい。LINEですら可能な限り避けて通り、色んな活動が二進も三進もいかなくなった2015年にやっとインストールした私がnote IDを取得したというのは、自分でも意外なことだったのだ。

触らぬ神に祟りなし

 ここ1~2年だろうか、私のまわりのエンジニアたちが、noteを使い始めた。noteって何だ、今度はどんな時代がきたっていうんだ。見ている分にはブログみたいだし、SNSなのか、何かのプラットフォームの様相もある。note内だけでお金も循環してるみたいで怖いし、レイトマジョリティーらしくよく分からないものは、遠くから見るに限る。

 SNSというのも、Twitter、ほったらかし気味のFacebook、ほったらかしのmixiしかアカウントをもっていない。Instagramはちょっと、お姉さん怖くて手が出せません。触らぬ神に祟りなし。実際に正しく供養されなかった結果祟り神となったレガシーシステムの例が多数報告されている。

暇すぎて映画をみた。観すぎて忘れた。

 今年度から、仕事で残業しないことにした。そうしたら暇になったので映画のDVDを毎週5本借りる日々が始まった。人に勧められたり勧めたり、はじめはよかったのだが観たそばからどんどん忘れる。何を観たか忘れるのはまだいい、でも映画を観ている瞬間の感動や興奮、その実感を置き去りにしたくなかった。

 日記でもつけようか、ブログでもやるか、‥否。noteをはじめるのにうってつけの動機では?というやましい発想で、媒体はnoteを選択。速やかにnote IDを決定、取得し初めての投稿をすべくエディタを開く。

や、やられた~!!

 なんだこのUI。真っ白やんけ。タイトルをつけて、書く。それだけだった。新しいもの嫌いの私がいうには僭越だが、エンジニアなら誰しも遭遇したことがあるだろう、自分の技術や発想を凌駕する洗練されたモノに出会ったときの「やられた感」。自覚していた体のサイズがひゅっと小さくなる羞恥心と憧れのどちらともいえないソワソワした感覚。完敗です。お腹を上に向けてハゥハゥします。

1週間で4note、190view、10スキ

 はじめてスキがついたとき、noteを開いたらポップアップが立ち上がり、お祝いされた。恥を忍んで言おう、頭をよぎったのはこんな言葉だ。「何でPCで開いたんだ、私! スマホでスクショとればよかった!!」

 ものは試しと知人に知らせず、一切プロモーションもせずに投稿した。ひっそりと、noteを書いて公開するだけ。それだけでこんなにたくさんの人に見てもらえるなんて。私のアウトプットだけに対してスキって言ってくれた。インターネットってすげえ。みんな知ってた? インターネットって、すごいのよ。

 現在5note、296viewとなり、驚愕している。新しいnoteをあげると、それを見てくれた半数約の方が過去のnoteも見てくれているということが分かる。本当に嬉しいから、早く次のnoteを書きたいと思う。

祟るとかいってすみませんでした

 ふと気になって、noteの運営会社を調べた。ピースオブケイクさんというらしい。このピースオブケイクさんの「News」投稿をずーっとずーっと遡ると2012年に至った。そんな、私ぜんぜん知らなかった。その最初のNewsから、この私がnoteのエディタを開くまで、noteというプロダクトは一体どれだけの道程を、その開発にはどんな物語が、と思いを馳せるだけで胸がふるえた。映画のトレーラーだけで泣くスキルを習得した私には、もう最初の投稿の日付をみるだけで泣ける。

クリエイトしたいという欲求を抱いたことがまるでなかった

 小さいころからそうだ。絵も文章も造形も、自分で生み出すものではなかった。社会人になってからはBtoBで業務系のシステムをつくってきた。つくるといっても受託開発というのは自らCreateするのではなく、「あなたのためだけのシステム」をShapeしていく仕事だ。

 私がエンジニアとして働くためのバイブルのひとつに、人月の神話という本がある。以下の一節を紹介したい。

 子供が泥だんごではしゃぐように、大人は物を組み立てること、特に自分でデザインしたものを作り上げることを楽しむ。これは、神が万物を創造されたときの歓喜、つまり葉っぱの1枚1枚、雪の結晶1つ1つがみんな違っていて、しかもすべてが新しいという喜びに近いものだろう。

 私がnoteの真っ白なエディタに相対したときの、ソワソワした面映ゆい気持ちは、「創造する喜び」のはしっこみたいなものだったのかもしれない。

 映画の感想文がクリエイティブなのかというと甚だ疑問だし、しかも筋肉かマッチョかくらいしか語彙のないマガジンで正直後ろめたいが、これからも続けてみようとおもう。noteというプロダクトがわたしのことも、クリエイトする人と呼んでくれたから、もっとその喜びを知りたいのだ。

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noteでよかったこと

いただいたサポートで映画を鑑賞します。 御礼として何の映画を観るか勝手にチョイスして返信、鑑賞後はnoteにてレビューとしてアウトプット致します。