【SIGMAfp】【Sony α7】ライフスタイルに合ったカメラ選び
カメラは写真表現の道具
一口にカメラと言っても、さまざまな種類が存在する。
フィルムカメラにデジタルカメラ… デジカメでも一眼レフカメラとミラーレスカメラがある。その中でもレンズ交換の有無とセンサーサイズ、画素数、モニタの形状などその種類は枚挙をいとわない。
フォトグラファーはそれぞれのライフスタイルや撮影用途に合わせてカメラを選択する。
しかし、カメラという道具は手段である以上に、本来の目的と無関係なスペックやブランドが先行しがちなプロダクトである。
「ニコン以外は○ソ」
「ライカこそ至高」
「フィルムしか勝たん」
…このような言葉がSNSを中心にたびたび飛び交っている気がする。しかし、冷静になって考えれば、カメラは写真表現の手段に過ぎないはずだ。
(かくいう私もSNSのプロフィールに機材名を書いているが…)
例えば、自動車。
自動車と言っても、スポーツカーからトレーラーまで様々な形がある。これらは個々人の用途に応じた選択の余地であり、そこに優劣は無い。
ポルシェ911は工事用重機を載せて高速道路を80キロで走ることはできないし、三菱ふそうトラックがアウトバーンの直線を300キロで走行することはできないだろう。
僕は5ナンバーのコンパクトカーに乗っている。
高速道路も峠道も狭い路地も、スイスイと走りたいというワガママな要望を叶えてくれる僕の足だ。
靴だって同じ。
靴は歩くための道具だ。その種類も革靴からスニーカー、安全靴、登山靴など、用途によってさまざまだ。散歩が好きな僕は、一日中歩いてもストレスを感じない靴、ニューバランスのスニーカー、M2002Rを履いている。
もちろん、限定品のエア・ジョーダンがミドリ安全CF110より優れているなんて話は無いわけだ。
僕は小さなカメラが好き
さて、話をカメラに戻そう。僕はメインカメラにSIGMAfpを、サブにはSony α7(初代)を採用している。いずれもフルサイズセンサーを積んだカメラでは400g台の軽量なものだ。なぜ彼らを選択したか。
1.「荷物の体積と質量をコンパクトに」
2.「暮らしに溶け込んでくれる」
以上、2つの理由で僕は小さいカメラが好きなのだ。これがライフスタイルに合っている。
1.荷物の体積と質量をコンパクトに
前の部分で少し触れたが、僕は散歩が好きだ。カメラを持って一日中歩き続けることもしばしば。また、山登りにもトライしている。自然が作り出したダイナミックな地形を脚で踏みしめながら歩く。
これらのシーンでは、荷物はなるだけ軽くしたい。また、バックパックに占める荷物の体積も、切り詰める必要がある。カメラは軽く…なるべく小さく…自ずとそうなっていく。
ミラーレス一眼であれば、質量と体積をコンパクトに抑えることができる。僕はフルサイズセンサのカメラを採用しているが、小さいセンサのAPS-Cやマイクロフォーサーズ搭載のものであれば、さらにコンパクトに出来るだろう。
過去に大きめのカメラを買ってみたこともある。しかし、荷物の重さと容量の問題で、疲労が蓄積し、結果的に持ち出し頻度が落ちてしまった。大きいカメラ、とりわけ一眼レフへの憧れもあったが、売りに出してしまった。カメラは撮ってナンボの道具だ。
先述のSIGMAfpとはよく登山をする。小さいのに良く写るお気に入りのカメラだ。そして、そのコンパクトさはバックパックの質量と体積を圧迫しない。
2.暮らしに溶け込んでくれる
僕は、美しいと感じたものや時間は、日常生活の中であってもカメラで記録する性分だ。家族・友人との食事や徘徊中に見つけた喫茶店でも、カメラを持ち込みたいのだ。そのような日常的な空間でも、小さなカメラはシームレスに溶け込んでくれる。
一方で、一眼レフ機などの大きな筐体は、スポーツ写真やポートレイトなどのいざ勝負!という場面では絶大な頼もしさを発揮するが、日常生活に入り込むにはやや威圧的すぎる。正直、喫茶店や美術館にキヤノンの5Dを持ち込むのは勇気が要った。
以上が、僕のライフスタイルに合ったカメラ選びである。
フォトグラファーによって、撮るものも運用シーンもばらばらなので、カメラ選びは十人十色だろう。皆さんのカメラ選び、道具選びについても話を伺ってみたい。
ただ、カメラ機材系YouTuberのような商品を巧みに紹介するコンテンツや、メーカーの魅力的な売り文句を鵜呑みにしすぎて、写真表現の道具選びという本来の目的を見失わないようにしたい。
まずは、自分自身のライフスタイルを分析して、身体感覚に合ったカメラ像を見極めることが先だ。