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「学区外に飛び出すワクワク感」を思い出したい(道東3)

小学校の頃、「自転車で学区外に行ってみようよ」と誘われた。
胸が躍った。
知らない景色、知らない街を歩いて楽しんだ。

今思えば大したことのない距離である。
それでも、あのワクワク感は格別だった。

しかし、20歳を超えた今、日本一周してもあの感覚を思い出すことができない。
経験と知識が邪魔をして、
日に日に、心の感度が低くなっているように思える。

新たな刺激を求め、海外旅行も考えたが、このご時世である。
それを国内でやってみた結果が、根室での4泊5日である。

根室2日目

我々は事前情報ゼロの状態で根室入りした。
明日からどうするのか、全く決めていない。
とりあえず、ゲストハウスに転がり込む。

前日の夜、Tがゲストハウスのオーナーさんにオススメの場所を尋ねた。
「春国岱(しゅんくにたい)と落石岬が良いかなぁ」
そして、観光ガイドをいただいた。

なかなか自分の住んでいる街を紹介するのは容易でない。
根室は、郷土の魅力を客観的な視点で見つけることに長けていた。
観光情報が、食事処やスポットはもちろん、コインランドリーまで完璧に網羅されていた。

初めて根室で迎えた朝
窓を開けると、カモメの声が聞こえる。
遠くには海が見えた。

で、その春国岱とやら、どんなもんよ?

うわ。やられた。

木々が立ち枯れした林

あまりのインパクトに、黙ってしまった。

白鳥も散歩(?)をしていた。

続いて落石岬へ向かう。

自動車で半島を縦断し、太平洋側に出る。

と、その道中
神社があったので寄ってみた。

「浜松」八幡神社

我々の地元と同じ名前だった。

なんだろうか、この違和感。
鳥居が新しいせいなのか、この土地に似つかわしくない構造物。

風土に溶け込む「鎮守の森のお社」とは異なり、
「ここは日本国の領土です」と言わんばかりの、建ち方である。

「ワクワク感」を誘う丘陵地。

同じ「浜松」でも180度違う世界。

ようやく落石岬に到着。
開始早々現れた廃墟、これは期待できる。

お?

エゾシカの群れが走り出した。

自動車くらい大きな身体が、力強く駆けていく。

力が抜けているんだけど、力強い。
踊るように走っていく。

そして約20分、

何もない場所を歩く。

夕暮れを拝む。
16時20分頃、日が暮れた。

2日目からド偉いものを見せられてしまった。

それじゃ、また。

根室名物「エスカロップ」

所変わって人里の根室市街
老舗の洋食屋さん「ニューモンブラン」で夕食です。

根室名物「エスカロップ」
バターライスの上に、薄いカツが載った一皿。

「オリエンタルライス」
カレーピラフの上に、ステーキソースのかかった肉の薄切りが乗っかっている。

銀の皿で出てきた時点でもう美味しい。
カツやお肉も、見た目によらずしっかりしていて美味しい。
ライスも美味しい。

はい、ゲストハウスに戻って晩酌。
サッポロクラシック、この時点で5缶は飲んでるなぁ...。
場所も、人も、生活も充実していると、お酒がおいしい。

0章で、今回の旅行は偶発的な出会いに重きを置く、と述べた。
実際に、全く知らない根室を、あえて下調べせずに巡った。

そのおかげか、久々に「学区外に飛び出すワクワク感」と近いものを思い出した。

おまけ

根室市内に面白い駅名がある。

その名は、

昆布盛(こんぶもり)

昆布盛の集落からは離れた場所にあり、近くには道道が通っているくらい。

おっと、ちょうど列車がやってきた。





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