老夫婦が営む定食屋
私は老舗と言われているような飲食店が大好きだ。
老夫婦が経営している定食屋であったり、やたらと客に話しかけるマスターが経営している店であったり、なぜかわからないけどサービスが過剰な店であったりと、老舗と言われている店舗でも全て経営スタイルが異なる。
そんな店を見つけるために、Youtubeやテレビ番組でひたすらグルメ動画を見漁っている。
ある日、Youtubeでグルメ動画を見ながら下にスクロールしてみると、自分にぶっ刺さるようなコメントがあった。
「遠方からいらっしゃるのもいいですが、身近にあるお店にも目を向けていきましょう。」
そうだ。飲食店は全国どこにでもあって、それぞれの場所で独自の経営スタイルを創り上げている。
それなのに、私は遠方の老舗ばかり注目し続け、身近な店を見ることを忘れていた。
話は少し変わるが、皆さんは大阪の西成区にある『やまき』という店をご存じだろうか。
立ち飲みスタイルの鉄板焼き屋で、ホルモンやレバーをメインにしている店で、寡黙なマスターが一人で店を切り盛りしている(らしい)。
以前は知る人ぞ知る店という感じであったが、Youtubeに動画を載せる層が現れたことによって、観光客がごった返すようになった。
鉄板を取り囲むスタイルの店だが、今では開店する前から行列ができているため、食べるためには並ぶ必要がある。
かくいう私も、去年大阪を訪れた時に、『やまき』で鉄板焼きを味わおうじゃないかと思ったことがある。
(ただ、その日は予定が重なっていたため、泣く泣く断念した。)
かなり偏見は入っているが、おそらくここを訪れようと思った観光客は、私と同じようにグルメツアーが好きなのはもちろんのこと、遠方まで足を運ぶことを躊躇わない人達だと思う。
そんな人達のことを悪く言うつもりはない。ただ、私も含めて遠方のお店と同じくらい、地元のお店を訪れてみるのもいいんじゃないだろうか。
地元の大好きなお店を潰さないための一番の方法は、観光客を呼び込む事よりも地元民が頻繁に訪れることが大切だ。
いくら、Go to eatやGo to トラベルで観光客が訪れるようになったとしても、それらのキャンペーンは期間が限定的であるため、お店側にとっては一時的な利益の増加にしかすぎない。
結局は、いくらツイッターやインスタでバズろうと、グルメ番組に取り上げられたり雑誌で紹介されたとしても、地元民が通わない店だと継続的に営業し続けることは厳しいだろう。
特に、家族経営や個人経営の店は、チェーン店と違って全国的に展開することはかなり難しい。
そんなことを書きながら、Go to eatやGo to トラベルが再開したら積極的に活用させていただくつもりだ。
それはそれ、これはこれ。地元のお店も大切にしながら、遠方のお店も大切にしていきたいものだ。
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