負ののれんについて解説する

どうもコージです! 私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。 そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

早速ですが、こちらの資料をご覧ください。

これはヤマダ電機の2020年3月期の決算です。
ヤマダ電機の決算を読んでいたところ、負ののれん発生益というものが出てきました。

知らない方が多いのではないかと思いましたので、今回は負ののれんについて説明していこうと思います。

「負ののれん」を理解するには、そもそも「のれんってなんだ?」という事を理解する必要があります。
以前にのれんについて、とにかく優しく解説した記事がありますのでそちらをどうぞ
のれんについて優しく説明してみる

一応軽く説明しておくとのれんとは会社を買うときに出てくる科目で、数字で測れる現在の価値(人材など数値化出来ないものもある)と、実際に支払った金額との差額の事です。
基本的には現在の価値より、多くの金額を払って会社を買う事が多いです。

数字で測れる現在の価値が100億円の会社を経営しているとします。
例えば、この会社が今後も毎期5億円の利益が出る見通しだとしたら、その会社を100億円では売りたくないですよね?
売らずに5億円稼いでいた方が得しそうです。

さらに、これまでの経営の中で手に入れた顧客や優秀な従業員など、数字で測る事が出来ない価値のあるものもあれば、なおさら100億円では売りたくないはずです。

つまり現在の価値が100億円の会社を買おうとすると150億円かかったりするんですね、そしてその差額の50億円が「のれん」となります。

では負ののれんとは何でしょうか?

多くの場合は、数字で測れる現在の価値以上の金額を払う事になるのですが、もちろんそれより安い金額で会社を買うことがあります。

例えば、先程の会社が赤字が続いていて今後も毎期5億円の赤字の見通しだとしたら、100億円出したくないですよね。

なので、そういった会社は80億円で買えたりするわけです。
そして、この時の差額の20億円が「負ののれん」となります。

のれんと、負ののれんの違いとは?

まず「のれん」は、資産として計上されます。
日本の会計基準だと20年以内に償却(徐々に費用にしていく)する必要があります、IFRSという国際会計基準では償却の必要性はありません。(その代わり毎期減損テストをしなければいけないのですが、その話は以前書いた記事にあります)

例えば日本基準の場合、50億円「のれん」を計上したら、例えば、50億円÷20年で2.5億円づつ費用化していったりします。
IFRS(国際会計基準)であれば費用化の必要性がないので、50億円の資産が残り続けます。

一方「負ののれん」は発生した期に全て利益として計上する必要があります。
30億円の「負ののれん」が発生したら、その期に30億円の利益とするという事ですね。

これが、「のれん」と「負ののれん」大きな違いです。

この違いを利用して、ライザップなんかは積極的に「負ののれん」が発生するM&Aを繰り返して、毎期大きな利益を上げていました。
もちろん負ののれんが出るという事は、買う会社は状態が良好な会社ではないので再生していかなければいけないのですが、それが上手くいかずに業績が悪化した事は記憶に新しいです。

という事で、今回は「負ののれん」に関する説明でした!!

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