【無料回】ミルボンの決算で分かった、美容室より美容室向けのビジネスが好調な理由

ミルボンってブルボンに似てるよね!!
(アルフォートが好きです!!)

さて、このコロナ禍で美容業界というのがどうなっているのか気になっている、という事で美容業界がどうなっているのか見ていこうと思います。

具体的な企業としては、Ashなどの美容室を経営する「アルテ」化粧品の「資生堂」美容室向けに商品の販売を行っている「ミルボン」美容メディアの@cosmeを行っていて美容品としては日本トップのECや実店舗を抱えている「アイスタイル」シックスパックで有名で不正会計もあった「MTG」美容商品の卸売を中心としている「ビューティーガレージ」を取り上げていきます。

そんな中で今回取り上げるのは株式会社ミルボンです、美容室向けにヘアケア商品や染毛剤などを販売している企業です。

前回美容室のAshなどを行っているアルテの決算をみましたが、今回はその美容室向けの事業を行っているミルボンを見ていきます。

まずはコロナ禍でサロン業界がどのような状況になっているか見ていきましょう。

都市中心エリアでは10~15%ほど客足が減少していて、都市の居住エリアでは客数や売上が増加傾向にあるようです。
そして地方の郊外エリアではコロナの影響は大きくないとしています。

地方部では大きな変化はなく、都心部では髪を切りに街に出るような人が減少して、居住圏内で髪を切りに行くというような行動変容があったようです。

テレワーク化などもあって、郊外店舗は好調となっていますし生活と行動圏が縮まっている事が見えてきます。

また、都市中心エリアでは客数は減ったものの店販を行う事で客単価は上昇したようで、これは前回見たアルテでも実際にそうなっていました。

サロンとしても客数減少による技術売上の減少を店販にによる単価上昇で補いたいという事で意欲が向上しているようですから、この流れというのは美容室業界でのトレンドとなっているようです。

さらにコロナ禍で消費者の髪質への意識も向上しているとしています。
調べてみたところどうやら、コロナ以前から髪質へのこだわりというのは年々高まり続けていて支出も増えているようで、その伸びはコロナ禍でも継続しているようです。

サロン側からしても、顧客側からしても需要が増えているという事で市場環境は良好ですね。

そういった事もあってか、ミルボンも年々右肩上がりで成長を続けておりコロナ前までの2019年までの5年間の平均成長率は7.5%となっています。

さすがに2020年では業績は悪化してしまってイアンスが、2021年の業績予想では改めて成長軌道となる見通しで成長が続いています。

1アルテを見ても2020年の4~5月あたりは流石に売上が大幅に悪化していましたから、その際にはミルボンも悪化して2020年は業績悪化となってしまったものの、それ以外の時期ではコロナ禍でも市場が拡大しているという事でしょう。

それではそろそろ業績を見ていきましょう。

売上高は23.3%増の195.5億円営業利益は53.2%増の36.6億円、純利益は66.3%増の24.1億円となっており非常に好調です。

s先ほど見たように髪質改善に力を入れたい顧客も増えていますし、サロン側も客数減の中では髪質改善の提案をして単価を上げたいと考えているという事で、市場環境は両面から活況ですからそん中で好調となっている事が分かります。

続いてもう少し詳しく売上を見ていきましょう。

主な商品としては①ヘアケア用剤②染毛剤となっています。

それぞれの売上は
①ヘアケア用剤:売上112.8億円(20.2%増)
②染毛剤:売上71.2億円(27.4%増)
③その他:売上11.4億円(29.9%増)
となっており、それぞれの商品とも非常に好調です。

そしてヘアケア用剤よりも染毛剤の方が伸び率としては大きいです、最近は派手な髪色の方も増えていますから、その影響がありそうです。

それぞれの売上の推移の要因について見ていきましょう。

ヘアケア用剤としては消費者の髪への意識の高まりと、サロン側の店販意識の高まりから、プレミアムブランドの売上が好調で33.8%増となったようです。

サロン側が売りたいというだけでなく、顧客側も意欲が高まっていますからより高単価の商品の方が売れやすいという事で、この点も非常に追い風となる状況でしょう。

さらにブリーチ毛へのダメージ対応の効果の高い商品が好調となったとしています、髪を染める人が増えた事でそのダメージから髪質への意識も高まっているという事です。

つまり髪を染める方が増えると染毛剤とヘアケア用剤は両商品とも相乗的に伸びていく事が出来るという事ですから、事業全体を通じて好調が期待できそうです。

染毛剤に関してはファッションカラー(おしゃれ用に色を入れる染毛)はブリーチ人気によって40.7%増で2019比でも25.6%増となり大きく伸びています。

最近ではビジネスシーンでのカジュアル化も進んでいて色々な髪色の方がいるのが普通になってきてます。

Youtuberの方なんかは自分の印象を付けるためにも派手な髪形をしている人が増えていて、自然と派手な髪色の人を目にする機会も増えていますから髪色に対して違和感を持つ方はかなり減っているでしょう。

そういった市場環境の変化もありますし、今後もまだまだ伸びていくのではないかと考えています。

一方グレイカラー(白髪染めなど)は11.8%増で、2019比では6.3%増となったとしています。
白髪染めの需要は伸び悩んでいたという事もあるようですし、白髪染めでも単純に黒に染めるだけではなくファッションカラー剤を使ってデザインカラーを楽しむ方も増えているようです。

白髪染めの需要が減ったわけではないものの、色々な髪色を楽しみたいという方が増えているんですね。

そういった好調を受けてミルボンは上方修正を発表しています、売上高で24億円、営業利益で13.8億円ほどです。

特に海外も伸びていて海外比率は2020年が16.4%だったところから18.5%になる見通しだとしています。

ミルボンは日本市場の売上が8割と日本が主要市場ながらも韓国や中国を中心に海外展開もしている企業となってます。

2021年12月期の2Qの段階の売上高は、中国が55.9%増の10.9億円、規模は小さいながらもアメリカが114.8%増の4億円とこの2市場が伸びています。

どこまで行っても日本は人口減少ですから、海外が伸びているというのは重要で今後も成長が持続するか注目です。

また、milbon:iDという美容室のお客さん向けのオンラインショッピングサービスを2020年6月にローンチして、想定以上のスピードで拡大したとしています。

個人的にもこの事業は可能性があるのではないかと思っています。

サロンはやはり髪を切るときにしか行きません、そうなると例えば一度髪質改善の商品の提案が上手くいったとしても、それがちょうど無くなった時にサロンで買ってもらうというのは難しいです。

商品を買いにはサロンに行きませんよね。

となると無くなった時には他のECや美容品を扱う小売店に流れていってしまって、提案をした時の1度しか売上に貢献できなくなってしまう可能性があるでしょう。

とするとこうしたECによって、長期的に商品を売る事が出来ればサロン側にとっても長期的な収入になるはずで、髪質改善などを通じて顧客単価を上げる際の取り組みとしては非常に有用でしょう。

これまでサロンは労働集約的で、美容室に顧客がいるときにしか売上が発生させられなかったわけですが、ECを通じてそれ以外の時間にも売上が立つようにできるわけで、これは十分に需要があるのではないかと思っています。

という事でミルボンでは業績は非常に好調で大きく伸びていました。
美容室では少なからずコロナの影響を受けていますが、それによって髪質改善の商品を販売して単価を上げたいという需要は増えていますし、顧客の髪質改善への意識も高まり続けていて、美容室向けの事業というのは実は両面から市場環境が良好となっています。

さらに海外比率も伸びていますし、新しいECの取り組みも可能性がありそうだという事で今後も成長が続くことを予測します!!

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