ヤマダ電機の決算にみる、大塚家具を買収した理由

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントに絞って説明していきます。

今日見ていくのはヤマダ電機の決算です。

さて、先日話題になったこんなニュースがありました。

ヤマダ電機が、経営再建中の大塚家具を子会社化する方向で最終調整に入ったことが12日、分かった。大塚家具の第三者割当増資を40億円超で引き受ける方針で調整を進めており、週内にも発表する。大塚は売り上げの減少が止まらず、最終赤字が続いてきたが、ヤマダの傘下に入ることで、経営再建を進めることになる。(ダイヤモンド編集部副編集長 布施太郎)

それではなぜ、ヤマダ電機はどうして大塚家具を買収するのでしょうか?
今日はその理由について考えていこうと思います。

まずこちらの資料をご覧ください。

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ざっくり説明すると、これからは家電だけだときついから「住」全般(家、家具、リフォーム等)でやっていくよって話ですね。

ちなみにこれを推進していくのは住宅機器事業部との名称だとのことです。

では現状はどうなっているでしょうか

画像2

売り上げ、利益ともに微増ですが、力を入れている分野が住宅機器事業だとすると横ばいといった印象ですね
規模は全体の10%ほどでコアな事業としてはまだまだといった感じでしょうか?

ではうまくいっていない理由はなんでしょうか?

それは家電小売店という業態の弱さにあります。

どういうことかというと、売っている商品のイメージと売っている店舗のイメージに乖離が生まれてしまう業態という事です。

商品の品質やブランドイメージは製造しているメーカーが担保しています。
ヤマダ電機でMac買ったとしましょう、皆さんはappleのMacを買ったと思いますよね。

ヤマダ電機のパソコンを買ったとは思わないですよね。

「ヤマダ電機のパソコンめっちゃいいわー!」

って友達に話したら

「いやヤマダ電機のパソコンとかねーから」

と冷静な突っ込みを受けることになるはずです。

つまり商品の良し悪しは企業のイメージアップにつながりにくいんですね。

ではヤマダ電機のイメージはどうなっているでしょうか?

おそらく多くの人にとっては、なるべく安く家電を売ってくれるお店というイメージがあるだけではないでしょうか?

そうです、このイメージが「住」を売るうえではマイナスになってくるわけです。

それはどうしてでしょうか?

例えば家を買うとき何を一番大切にしますか?

多くの人にとってそれは安心ではないでしょうか。

多少高くなっても安心が欲しいはずです、一生に一度という気持ちで買う人が多いわけですから、安かろう悪かろうでは嫌なわけですね。

「住」を売るという事は安心を売ると言い換えることが出来るでしょう。

そうするとヤマダ電機にある、なるべく安く売る会社というイメージはネガティブに受け止められてしまうわけです。我々は潜在的に安いものは質が悪いというイメージを持っています。

そうするとヤマダ電機が大塚家具を買収した理由が見えてくるのではないでしょうか?

大塚家具のイメージといえば、最近はお家騒動でイメージダウンがあったとはいえ、やはり高級家具のイメージがありますよね。
我々は高いものは質がいいという潜在意識を持っているんですね。

そうです、先ほどとは逆の話で「住」を売る(安心を売る)うえではそのイメージはポジティブに働くわけです。

もうお分かりでしょう、ヤマダ電機が欲しかったのは大塚家具にある高級(安心)のイメージです。

正直それが40億で買えるのであれば、割と安い買い物なのではないかと私は思っています

今後ヤマダ電機を見ていく上では、住宅設備機器事業部が成長していくのかに注目です。

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