タマホームの決算から考えるコロナ禍での住宅需要と今後の業績

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのはタマホーム株式会社です、もちろん住宅の建設販売を行っている会社ですね。

住宅業界では新型コロナの影響がどのようになっているのかと興味をもちまして、今回は取り上げてみる事にしました。

もともと少子高齢化もあり住宅の需要は長期的には減っていく事は間違いないわけで、成長市場ではありません。
そこに新型コロナがあって業績悪化しているのであれば相当厳しいだろうと考えられます。

しかし緊急事態宣言中には、不動産のポータルサイトなどではアクセスが増加していて意外と賃貸業界は活況だったりします。

家にいる時間が増えた事で、家での生活を見直す動きがあったようです。
となると同様に一軒家の需要も増加している可能性も考えられますよね。

それでは今回は一軒家需要はどうなっているのか、今後がどうなっていくのかについて考えていきましょう。

それではまずこちらの資料をご覧ください。

画像1

売上高は2.2%減の442億円、営業利益は37%減の13.3億円、純利益は5.4%減の12.8億円となっている事が分かります。

この決算の期間は2020年6~8月で、新型コロナの影響を受けているはずの時期ですが、売上高で言うと2.2%減という事でそこまで大きな業績の悪化は起きていないようです。

続いてもう少し詳しく見ていきましょう。

タマホームの事業セグメントは住宅事業と非住宅事業があり、まずは住宅事業から見ていきます。

画像2

住宅事業の中にもセグメントがあり、注文住宅、リフォームとその他を除くと2つある事が分かります。

注文住宅は前期比101%、リフォームは105.9%となっておりコロナ禍でも好調なようてす。
賃貸住宅と同じように一軒家でも住宅需要はあるようです。

そもそも家を建てるというの、人生単位のライフプランで考えている方が多いので、コロナがあったとしても意思決定に大きな影響はなく需要は安定していると考えられますね。

そして利益面では前期は7.2億円の赤字から1.4億円への黒字へと転換している事が分かります。

実はタマホームの住宅事業が黒字化したのは初めてだという事で、利益面でも非常に好調なようです。

画像3

受注状況でも注文住宅は10.1%増と好調ですし、分譲に関してもリモートワークの需要があり好調なようです。

画像6

画像7

月次の推移を見てみると、前期比で注文住宅・建売住宅ともに好調ですが新型コロナの影響が本格化した4月以降はそれまで不調だった注文住宅が伸びだしている事が分かります。

という事はやはり自宅にいる時間が増加した事で、自分に合った住環境を求める動きが加速しているのは間違いなさそうです。

画像4

また、どうして好調だったのかというと、住宅事業では地域限定商品などが好調な事と、価格改定による利益率の改善や着工平準化が進捗したからのようです。

住宅などは特定の時期に着工が被り機会損失が起きたりするので、それを平準化する事で業績が改善するという事なんですね。

また入居10年以上経過した顧客に対してリフォームの提案を進めた事などがありリフォーム事業の業績も向上したようです。

これからは少子高齢化で住宅需要は減るのが間違いないです。

となるとこれまでのように売り切りで関係が終わりという形ではなく、リフォームなど長期継続的に顧客と接点を持ってLTV(人生トータルでの売上)を上げていくいく事が大切になるのは間違いないですね。

ヤマダに買収された住宅建設を行うヒノキヤも同じようにリフォームを伸ばしていましたので、これは業界のトレンドだと言えそうです。

住宅事業は全体的に取り組みが上手くいっていますし、コロナ禍でも需要が減少していないという事で好調が続きそうです。

画像5

続いて非住宅事業では、売上は12.8%減で営業利益は58.6%減となっておりこちらが業績の足を引っ張っている事が分かります。

とはいえそれでも利益はこちらの事業が11.6億円と住宅事業の8倍近いですから、実はこちらが主要事業だと分かります。

そしてなぜ業績は悪化してしまったのかというと、前期に計上していたタマディアホテル羽山の売却益がなくなった事で業績は悪化してしまったようです。

この影響を除くとこちらの事業も業績の大きな悪化はしていないようです。

画像8

では懸念点は無いのかというと、オフィスビル部門の需要が弱含みな点はあるようです。

渋谷など大企業よりもベンチャー企業などが多いところでは、やはり出ていく判断も早く需要が減って賃料の下落が始まっているようです。

しばらく需要は戻ってこない可能性が高いので、今後しばらくはこのオフィス用の不動産販売は業績が落ち込む可能性がありそうです。

画像9

そしてタマホームは不動産販売の事業の規模が右肩上がりで増加している事が分かります。

コロナ前までは東京の不動産価格も右肩上がりでしたので、不動産事業の規模を大きくして収益を狙っていた考えられます。

この点は心配で不動産を多く持っているので、オフィス賃料の下落から価格の下落が起きると業績の悪化があるかもしれません。

という事で、住宅事業はコロナ禍でむしろ好調ですし、非住宅事業に関しても業績の悪化はありながらも、前期にあったタマディアホテル羽山の売却益がなくなっただけで実質的には業績の悪化が起きていないという事で今後も好調が続くことを予測します!!

ただしこれまで増やしてきた販売用の不動産の価格の下落が始まると、業績の悪化が起きてしますかもしれませんのでその点は注意が必要そうです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?