【無料回】ゴルフ業界まとめ編(リソルホールディングス、ゴルフ・ドゥ、ゴルフダイジェスト・オンライン、バリュー・ゴルフ)

  10年近く風邪をひいていないのに対して「バカは風邪ひかない」といわれ悔しかったので「体が風邪の引き方を忘れてるだけ」と言い張ったのですが、それはそれでバカっぽいなと反省しています。

さて、ここ数回にわたってゴルフ業界について取り上げてきました。

具体的には、リソルホールディングス、ゴルフ・ドゥ、ゴルフダイジェスト・オンライン、バリュー・ゴルフを取り上てきました。

今回はゴルフ業界のまとめとして、ゴルフ市場の再確認と業界各社の決算を比較して見ていこうと思います。

各社の事業内容の違いから軽くみていきましょう。
詳しく知りたい方は、個別企業の回でご覧ください。

まず、バリューゴルフは1人予約ランドというオンラインのゴルフ場予約サービスをメインとしています。
予約サービスの利用料をゴルフ場からとるというのがメインの収益源です。

続いてゴルフダイジェスト・オンラインはゴルフメディアなど多様なサービスを起点として国内ゴルファーの8割という会員基盤を持っており、その会員基盤を活かしてゴルフ場予約やゴルフメディア、ゴルフレッスン、ECによるゴルフ用品販売といったゴルフ業界で多様なサービスを提供しています。

そしてゴルフ・ドゥはゴルフ用品の中古販売を行っており、販売チャネルとしてはリアルな店舗が中心で、直営店を25店舗フランチャイズが59店舗の計74店舗を出店している企業です。

最後にリソルホールディングは、リゾート施設の運営を行っておりその中の一部としてゴルフ場の運営を行っています。

ゴルフ場のプレーによる収入の他にゴルフ場の会員権収入も収益源です。

ちなみにこのリソルホールディングスは、ゴルフ場の事業に絞った業績を見ていきます。

続いて、ゴルフ市場について改めて見ていきましょう。

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まずゴルフ業界全体の話としては、ゴルフの最大市場はアメリカでゴルファー数では2380万人、ゴルフ用具の市場規模では35.8億ドルと非常に大きな市場です。

そして実はそれに続いて大きな市場なのが日本でゴルファー数は780万人、ゴルフ用具の市場規模は20.7億ドルとなっています。

他にも市場の大きなイギリスはゴルファー390万人で用具市場規模は4.4億ドル、カナダはゴルファーが550万人で用具市場規模は3.8億ドルと、用具市場で見ると大きな差がある事が分かります。

また、ゴルフ用品の市場規模はアメリカに続いて2位となっているだけではなく、アメリカ、日本イギリス、カナダという大きな市場で1人当たりの用具市場規模を出してみると

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日本:266ドル
アメリカ:151ドル
イギリス:113ドル
カナダ:70ドル
と明らかに日本は単価が高い事が分かります。

日本では用具への支出が多いわけですね。

一方でラウンド数を見てみるとアメリカ4.5億に対して日本は9000万ほどです。
1人当たりのラウンド数を比べてみると、アメリカ20に対して、日本は11.5となっており日本市場ではプレー数は少ないものの用具は売れる市場になっています。

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また、ゴルフ業界の近年の市場認識としては、ゴルフ人口は2019年までは長期的な下降トレンドにありましたが、2020年にコロナの影響で、屋外スポーツとして人気を高めた事や松山英樹選手の活躍もあり2020年からは反転の兆しが見えているとしています。

なのでゴルフ来場者数、ゴルフ練習場来場者数、ゴルフ用品市場規模はともに上向きのトレンドになっているようです。

また、これまで見てきた各社ともコロナ禍で若年層の増加をあげており、高齢化が進んでいたゴルフ業界ですが2020以降は若年層という新たな顧客層が生まれているとしています。

それでは市場についてある程度確認できたところで、各社の近年の業績の推移を見ていきましょう。

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売上高の成長率を見てみると、オンラインのゴルフ予約サービスを提供しているバリューゴルフの成長率が高く、続いてゴルフ用品のECやゴルフメディア、ゴルフ場のオンライン予約などオンラインのサービス中心のゴルフダイジェストが高い成長率となっています。

2019までは縮小傾向だったゴルフ業界においても、オンライン化は進んでいたという事ですね。

一方でゴルフ場のリソルHDのゴルフ事業やリアルな店舗中心のゴルフ・ドゥは伸び悩んでいたようです。

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また、コロナの影響が出る前の期の営業利益率を見てみると
最も高いのがリソルホールディングスの4.7%
続いてゴルフダイジェストが2.9%
バリューゴルフが2.9%
ゴルフ・ドゥに関しては赤字で-0.5%と各社とも利益率は低めだと分かります。

リソルホールディングスに関しては全体の内ゴルフ事業のみの、セグメント利益なので高めに出ている事が考えられますから実際はもっと利益率は低そうです。

なのでゴルフ業界全体としてなかなか利益を出しづらい市場環境だったと考えられます。

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また、数年間の利益率の推移を見てみると2018、2019辺りは各社とも利益率は下落傾向にある事が分かります。
ここ数年はゴルフ業界は特に不調となっていたという事でしょう。

続いて2020年度の業績を見ていきましょう。
12月決算のゴルフダイジェストに関しては3月に調整しています。

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まず売上高の前年同期比をみてみると

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ゴルフ・ドゥ:107.8%
ゴルフダイジェスト:98.6%
バリューゴルフ:77.6%
リソルホールディングス:75.4%
となっています。

伸びていたのは中古のゴルフ用品販売のゴルフドゥで、その他の企業はコロナの影響をうけ売上は減少してしまっています。

日本はもともとラウンド数は少ないにも関わらず、用具の売上規模は大きな市場でしたからゴルフ用具に関しては好調だったという事ですね。
日本市場においてはゴルフ用具の市場は安定している事が分かります。

ちなみに1人予約ランドのバリューゴルフに関しても売上は減少してしまっていますが、その要因は旅行事業でゴルフ事業は好調となっていました。
なので売上は減ってしまっていますが、ゴルフをプレーする需要は増加していたという事です。

プレー需要は増加していた一方でゴルフ場のリソルホールディングスは、25%もの売り上げ減です。

なぜかというと、その要因は宴会やコンペの需要が減少したためです。

コンペや宴会といった1回の金額の大きなプレーは減少してしまったものの、少人数や仲間内でのゴルフ需要は増加していたという事ですね。

続いて各社の直近の3ヶ月の決算をコロナの影響がなかった2期前の決算と比較して見ていきましょう。
ちなみにバリューゴルフはゴルフ事業のみの業績で2021.2~4月、その他の企業は2021.1~3月をみていきます。

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直近の3ヶ月の売上としてはコロナ前比で
ゴルフ・ドゥ:125.3.8%
バリューゴルフ(ゴルフ事業のみ):119.8%
ゴルフダイジェスト:114.9%
リソルホールディングス:84.3%
となっていて、ゴルフ場運営のリソルホールディングスが相変わらず、コンペや宴会需要の減少を受けて売上減となっているものの、それ以外の企業は伸びていて、ゴルフ業界としては好調だと分かります。

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さらに営業利益の変動額を見てみると、実は各社とも増益となっています。

そもそもコンペや宴会の需要というのは、利益率が低かったと考えられその需要減というのはゴルフ業界には悪影響を与えていなそうです。
むしろ通常のプレーをするプレーヤーが増えたというのはゴルフ業界全体にとっても好影響がありそうです。

という事で、日本市場では1人当たりのゴルフ用具単価が高くゴルフ用具市場は安定していて、コロナ禍でプレーヤーが増加した事はそのまま好調につながっています。

それ以外の企業はコロナの影響を一定程度受けてしまっていますが、直近の業績は基本的に好調で、利益面は全社ともコロナの影響が出る以前の水準を上回っているようで、好調な市場となっています。

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