【無料回】美容業界編まとめ 明暗が分かれた美容業界の現状

急にやってみたくなって、生まれて初めて自分でタイヤ交換をしてみたのですが、車に乗るたびに恐怖を感じています。

一番信頼できないものが自分です!!

さて、このコロナ禍で美容業界がどうなっているのか気になる!という事で美容業界を取り上げてきました。

今回は美容業界編のまとめとしてこれまで見てきた企業を比較していこうと思います。

取り上げた企業が6社ほどあり、少し多めなので各社の個別的な事について踏み込んだ話はせず、大まかな事業内容から「どこが伸びているのか?」というような話をしていきます。

それではまずは取り上げた各社の大まかな事業内容から紹介です。
詳しく知りたい方は個別の回を見てみてください!!

まずビューティーガレージは、美容系のサロン向けにECをメインのチャネルとしてプロ向けの美容商材の卸売りを行っている企業です。

PB(プライベートブランド)比率も43.4%となっていて、PBの比率も比較的高い企業です。

続いて資生堂は、化粧品などを扱う美容所品メーカーです。

最近はシャンプーの「TUBAKI」など日用品を提供していたライフスタイル事業を売却した事でも話題となっていました。

そしてMTGは美容ローラーなどのReFaブランドやシックスパックを展開している企業です。

上場直後には不正会計も見つかり話題となりました。

ミルボンは美容室向けにヘアケア商材や染髪材などを提供していて、その市場ではトップの企業です。

また、アイスタイルは@cosmeという美容メディアをやっていて、そこを起点としてECやリアル店舗でも美容商品の販売をおこなっています。

そしてEC、リアル店舗ともに化粧品専門店としては国内最大となっています。

最後にアルテサロンHDはAshやNYNYなど、美容室をFC(フランチャイズ)中心で展開している企業となっています。

今回はこの6社を比較していきます。

ちなみに各社の決算期にずれがあります。

なので、今回は2020年の1月~12月の1年間と2021年の1月~6月に各社の業績を調整した数字を見ていきます。

また、時価総額を見てみると、資生堂の3兆円からアルテの60億円まで非常に大きな差が開いています。

純粋な業績の比較は出来ないほどの差なので、今回はコロナ前と比べて比率としてどんな変化があったのかという事を中心に見ていきます。

それではまずは2020年1月~12月の業績についてみていきましょう。

大まかな業績はこんな感じです。

まず、売上の前年比に絞ってみてみます

伸びたのはビューティガレージとMTGで、ミルボンは悪化しつつも影響は少なかったことが分かります。

大きく悪化したのは資生堂で、そこからアルテ、アイスタイルという形で続いています。

ビューティーガレージはECをメインとしていますし、MTGも巣ごもりでシックスパッドなどがECでの好調を受けての好業績ですからECに関しては美容業界でも好影響があったわけです。

また、ビューティーガレージやミルボンはBtoBがメインですから比較的toBの事業は影響が小さかった事が分ります。

というのもミルボンの回で取り上げましたが、美容系のサロン側は客数が減少した事を単価の上昇や物販などで補おうとしていました。

なのでtoBでの美容商材の売れ行きは好調で市場環境が悪化しなかったんですね。

アルテの不振を見ても分かるように美容サロン側は悪影響を受けていますが、単価上昇への意欲を背景にそこへ商品の販売を行っている企業は業績が悪化しないというのは面白いですよね。

また、リアルの側面が強いところはやはり落ち込んでいますし、toCが中心になっているところも悪化してしまっています。

そしてリアル中心の資生堂だけでなく、化粧品のメディアやECなども行っているアイスタイルも業績が悪化しています。
なので化粧品というのも苦しかった事が分かりますね。

店舗での販売が難しくなっていた事もありますし、消費意欲の減退、外出自粛による化粧需要の減少なども影響していたと考えられます。

続いて営業利益の変化を見てみましょう(アイスタイルは2期連続の赤字なので記載がありません)

概ね売上の減少と同様の推移となっています。

MTGだけ大きな増加となっていますがこれは不正会計を行うほどの販売不振などがあって、これ以前の期に大きな減損を出していたりと特殊要因によるものも大きいです。
なので純粋な売上増加だけの影響ではないという事です。

ちなみに各社の事業内容を利益率から見てくと分かりやすいです。

toCをメインとしている資生堂やMTGは非常に粗利率が高く74%ほどとなっています。
商品の原価はほとんどかかっていないんですね。

その一方でtoCの美容商品などはブランドで売れていくため、広告費やブランド価値獲得のために好立地の店舗を出したりと、販管費が多くなりやすい側面がありますので営業利益率で見てみると特別高い水準にいるわけではありません。

また、toBをメインとして美容サロン向けの商品を販売しているビューティーガレージとミルボンでも粗利率で倍以上の大きな差があります。

というのもミルボンは自社製造の商品を売っていますが、ビューティガレージは6割ほどが卸売となっています。

ミルボンは比較的高単価の商品に強みがあるという事もありますが、作って売るか、仕入れて売るかで粗利率にはこれだけ差が出るんですね。

そしてミルボンは営業利益率でみても非常に高くなっています。

また、美容室のアルテも粗利率が低いです。
美容室は原価として人件費や店舗の賃料が乗ってくるので粗利が低いビジネスなんですね。

続いて2021年の1月~6月の業績を、コロナ前と比べて見ていきます。

※MTGは赤字から黒字転換なので記載なしです

実はこの直近の6か月というところでは売上・利益で減少となったのは資生堂とアイスタイルのみだと分かります。

意外と各社とも業績は回復して、コロナ前を上回っています。

美容への欲求というのは大きいですから、回復が早いんですね。

業績悪化となった2社は化粧品を扱っていますから、緊急事態宣言などで外出が減少する中で化粧品の需要は回復していないようです。

今後はようやく緊急事態宣言も開けて、外出の需要は戻ってくるでしょうからそんな中で化粧品の需要がどの程度戻ってくるかには注目ですね。

という事で、アルテを含め美容系のサロン側はコロナの影響を受けていますが、単価を増やしたいという需要が増えた事でそういった美容サロン向けのtoBで事業を行っている企業は堅調です。

そしてECもやはり伸びています。

ですが、外出減少などで化粧品に関しては不調です。

直近の2021年6月までの半年間でも、同様の傾向で基本的には各社好調ですが化粧品だけはまだ回復していないません。

緊急事態宣言あけで化粧品がどうなっていくのかに注目です!!

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