gumiの決算に見る未来への投資方法

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのは、株式会社gumiです。
この会社はゲームアプリの事業を主軸としてXR(VRやAR、MRなどをまとめた呼び方)やブロックチェーンなどの新しいテクノロジーにも大きく投資している会社です。

こんなニュースがありました。

gumi国光会長、代表権外れる

スマートフォンゲームを手掛けるgumiは創業者の国光宏尚会長が3月31日付で代表権を外れると発表した。2018年に社長につき収益改善を進めてきた川本寛之氏に権限を集中させる。新規事業として展開する仮想現実(VR)など「XR」技術を用いたゲームの開発や、ブロックチェーンを活用した投資やゲーム開発などの領域の収益化を図る。

川本氏は18年に社長に就き不採算タイトルの整理やスタジオの統廃合などを通して、収益改善を進めてきた。

19年5月~20年1月期の最終損益は4億2900万円と同期間で2年ぶりの黒字を回復した。新規事業として注力するXRとブロックチェーンの領域は赤字が続いており黒字化を図っていく考え。

gumiの創業者として著名な国光宏尚会長が代表権を外れることになったようです。

ちなみに意外と知らない方が多いのですが、肩書として代表取締役社長といわれると社長のところに注目してしまいがちですが、本当に大切なのは「代表」の部分です。

法律上「代表権」というものがあります、会社というのは法人と呼ばれるように、法律によって人権を与えられています。
しかし会社は実態が無いですから、喋ったり動いたり出来ません。
そこで自然人(実際の人)に代表権というものを与えて、会社としてふるまう事が出来るようにしているわけです。

つまりA社の代表権をBさんに与えると、BさんはA社として契約したりできるようになるわけです。

取締役社長という肩書の人に結構あるのが、実は社内でなんの実権も持っていないパターンです。
全権をその父親の代表取締役会長が持っていたりします。
意外と社長という肩書だけでは社内の地位が分からない事があるんですね。

さて、今回は創業者が代表権を外れた、gumiの今後を考えていきましょう。

こちらの資料をご覧ください。

売上高は172億円から145億円へと大きく減少していますが、営業利益はマイナス5.4億円から13億円のプラスへと18.4億円も伸びていることが分かります。

その要因は何でしょうか?

広告宣伝費が前期に比べて大きく減少していることが分かります、前期はQ3までに27.8億円使っていましたが、今期は14億円と13.8億円ほど減らしていることが増益の一番の要因と考えられそうです。

しかし、広告を減らしましたが「WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」というヒットタイトルを出す事に成功しており、現社長体制の下で上手くいっているという事でしょう。

gumiの未来!!

大幅減収となりましたが、gumiにとっては規模の拡大より利益を出すことがはるかに大切なのではないかと考えています。

なぜ利益がはるかに大事なのでしょうか?

gumiの注力している事業は3つあります、①モバイルオンラインゲーム事業 ②XR事業 ③ブロックチェーン事業です。

資料から売上の構成を見てみると
①145億4827万円
②0円
③1958万円
となっており、モバイルオンラインゲーム以外では全く売上が立っていないことが分かります。
資料にもある通り、ファンドなどを通じて新しいテクノロジー企業に投資している段階という事です。

こちらの資料をどうぞ

その結果投資有価証券は29億円近くまでになっている事が分かります。
子会社としている会社の事も考えると、それ以上の金額をXRやブロックチェーンに投資していると考えていいでしょう。

つまり、gumiはモバイルオンラインゲームでキャッシュを稼ぎそれをXRやブロックチェーンに投資しているという事です。

飽和状態でリスクも大きいのモバイルオンラインゲーム市場で戦っても大きな成長が望めません、それよりも今後伸びる新市場に出ていく方が大きな成長を遂げられる可能性は高いです(もちろん当てられる可能性も低いですが)。

なので今のgumiにとっては、規模を拡大する事よりも利益が出る体質にして、投資のための資金を潤沢にしていく方が重要だと考えられます。

今回の決算は広告宣伝費を減らし、利益を出せる体質に持って行けたという事で非常に好決算だと考えます!!

新しい市場でどの企業が勝つのかは分かりませんし、多くの企業がそこに挑んでいますので勝てる可能性も高くは無いでしょう、しかし10倍20倍に成長する可能性もあるという事は間違いありません。

今後のXR事業、ブロックチェーン事業に注目です!!

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