DDホールディングスの決算から考える都心へ出店している飲食店は厳しい話

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのは株式会社DDホールディングスです。
この会社の決算読んで欲しいという要望を大募集します!!」にてご要望いただいた会社です。
そしてどのような会社なのかというと、飲食店を中心に多数の店舗を運営している会社です。
個店主義というチェーン店ではなく店舗ごとに違ったブランドのを展開しながら多数の店舗を運営している事が特徴です。(ブランド一覧)

個人的には学生時代に「ベルサイユの豚」錦糸町店に何度か行ったので、それもDDホールディングスだと知って親近感が湧きました。

今回はそんなDDホールディングスの今後について考えていきましょう。

売上高は143.8億円→45.7億円、営業利益は8.4億円→42.7億円の赤字、純利益は5.7億円→26億円の赤字となっており物凄い業績悪化で赤字転落している事が分かります。

ではどうしてこれほど業績が悪化したのか見ていきましょう。

まずDDホールディングスの事業セグメントは①飲食②アミューズメント③不動産サービスと3つある事が分かります。
また、不動産サービスに関しては今期から出来た事業セグメントのようで、規模が小さいので残りの2つに関して重点的に見ていこうと思います。

①飲食:売上高119億円→35.9億円・利益7.4億円→32.1億円の赤字
②アミューズメント:売上高24.8億円→7.6億円・利益5.3億円→6.9億円の赤字
となっており、飲食もアミューズメントもともに大幅に業績悪化してしまっていますね。

そしてどうしてこれだけ悪化してしまったのかというと、飲食・アミューズメントともに新型コロナの影響のようです。
DDホールディングスは居酒屋が多かったですから、飲食店の中でも新型コロナの影響が強く出た業態ですね。

続いてこちらの資料をご覧ください。

DDホールディングスはドミナント戦略という出店戦略を取って山手線沿線を中心に出店を進めている事が分かります。
ドミナント戦略とはあるエリアに集中的に出店する戦略で、例えば飲食店だと食材の配送コストを下げたりすることが出来るようになります。

このnoteでも何度か書いていますが、新型コロナの影響が大きく一番回復が遅いのは都心の店舗となっています。

テレワーク化によって都心へ出勤する人の数が減った事や、感染者数が多い(人口が多く検査数も多いので当たり前ですが)ので人手が戻りきっていない事が大きいですね。

ご存知の方が多いと思いますが、政府が経済界へテレワーク率70%の要請をするとのニュースがありましたから、今後また都心部への人の流れが止まる可能性が高いです。
なので山手線沿線を中心に出店しているDDホールディングスは、今後もまだまだかなり厳しい状況が続きそうです。

また最近は再び、メディアでかなり新型コロナ関連のネガティブなニュースが増えています。
その影響もあってか居酒屋などは特に客足が減少してしまっているようです。

まだまだ世間の空気によって業績が左右される状況が続いていますから、飲食業界に携わる方の精神的な負荷もかなりのものでしょう。
このまま進んでいくと、財務的にも精神的にも疲弊してかなりの飲食店が閉店していってしまうのではないでしょうか。

こうやって決算を読んでいても前期比5割以下の売上の飲食店ばかりですから、そのつらさは容易に想像出来ますので、感染症対策をしっかりしているお店からでもいいので外食する方が増えるといいなと思っていますし、微力ながらも貢献していこうと思っています。

続いてこちらの資料をご覧ください。

現預金や売掛金、未収入金などの現金化が容易な資産が合計で69億円ほどあることが分かります。
また、流動資産は116億円→86.4億円となっている事が分かります。

一方流動負債は110億円→127億円へと増加している事が分かります。
手元資金は69億円ほどですから財務状況は厳しいですね。
さらに財務健全性を測る簡易的な指標である流動比率=流動資産/流動負債(高いほうがいい数字)は99.9%→67.6%となっており、財務状況が急激に悪化している事が分かります。

さらに有利子負債も213億円から253億円へと40億円も増加していますが、流動資産は減少してしまったという事で業績不振によってかなりの資金を失っている事が分かります。

既に253億円もの有利子負債がありますし、2020年3月~5月の3ヶ月の間だけで40億円も借入を増加させていますから、今はまだ政策的に新型コロナでダメージを受けた企業へ積極的な融資が行われていますが、このまま業績が回復せず数十億円単位の赤字を計上し続けるようだと新たな融資は難しくなっていく可能性があり危険な状態です。

続いてこちらの資料をご覧ください。

DDホールディングスは今後グループ企業の1割強もの不採算店舗の撤退も含めてコスト削減を進めていくとの発表がありました。
先程も書いたように、都心を中心とした出店を進めており今後も需要の回復には時間がかかりそうだという事と新たな融資が難しくなりそうだという事を考えると、出血少しでもを小さくしなければならない状況だという事ですね。

今後しばらくの間は資金繰りと、コストカットに注力していく必要がありそうですので、ある程度都心に人が戻ってきたとしても、まずは財務基盤の立て直しが必要になりますから業績が拡大に向かう事はなさそうです。

コスト削減を通じてどれだけキャッシュアウトを抑えられるようになるのかに注目です。

という事で、DDホールディングスは都心を中心としたドミナント戦略によって、新型コロナの影響が大きく今後も影響が続きそうだという事で、コストカットをしたとしても業績の悪化が続くことを予測します。

財務的にもかなり厳しそうですので、長期的に規模の縮小が続く可能性が高い事も予測します!!

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