ユニゾHDの決算にみる割安な会社の見つけ方

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントに絞って説明していきます。

今日見ていく企業は、ユニゾホールディングス株式会社です。

この会社はホテルの運営と、不動産への投資をしている会社です。
ビジネスホテル利用する方は分かると思いますが、最近はユニゾのホテル増えてますよね。

さて、こんなニュースがありました。

ユニゾホールディングスは、チトセア投資による株式公開買付け(TOB)に賛同すると、12月22日に発表した。チトセア投資は、ユニゾホールディングスやグループ会社の従業員らが設立するチトセアと、ローン・スター関連会社が出資する投資会社により設立された会社。チトセアが73%、ローン・スターグループが27%の発行済普通株式を保有している。買付け価格は、1株あたり5,100円。買付期間は12月24日から2020年2月4日まで。少なくとも発行済株式の3分の2以上の取得を目指す。
なお、TOBが成立し、チトセア投資による完全子会社化を条件に、ユニゾホールディングスやグループ会社の全取締役、監査役、執行役員43人は辞任する。さらに、配当や株主優待も取りやめる。

単純に言うと従業員の持ち株会と投資会社で会社作って、ユニゾホールディングスを買収するよという話です。

なぜこのような話になったのでしょうか?
実は複雑な理由が絡まって最終的にこの形に落ち着いた形なのです。

もともとこの会社はみずほFG系列の会社でした。
現在のユニゾの社長である小崎哲資氏は、みずほFGの副社長にまでなった人ですが、最終の争いに敗れユニゾの社長に収まる形になったわけです。そして、その後不動産事業で会社を急拡大させてユニゾを非常に大きな会社にしていきました。

銀行は様々な規制で不動産など積極的な投資をすることは難しいですが、多くの情報を持っているのでリスクを取っていいとなるとうまくいくのかもしれませんね。

低金利で収益率が大幅低下している銀行ですが、積極運用が出来る別会社に優秀な行員を送ると新たな収益源を得られるようになるのかもしれません。

さて、じつはユニゾは事業拡大の中でみずほ離れのために積極的な増資を繰り返してきました、その結果大株主がいなくなることで買収しやすい株主構成になったわけです。

そこに目を付けたHISがまず敵対的買収に動きました、その後ソフトバンク系列の投資ファンドフォートレスがホワイトナイトとして動き出します。(ホワイトナイトの説明はこちら)その後話がまとまらないなか、ブラックストーンも買収に参戦しました。
この話もまとまらず最終的に最初のニュースの通りの結果になったわけです。
株式の買い付け価格(この金額で買うよって宣言する額です)
HIS:3100円
フォートレス:4000円
ブラックストーン:5000円

上の買い付け価格を見てもらうと分かる通りどんどん高くなっていることが分かりますね。

それではどうしてこれだけ多くの会社が買収に動いたのでしょうか?

こちらの資料をご覧ください。

画像1

実は持っている不動産に莫大な含み益があるんですね、その額なんと2200億円です。純資産が1100憶程度ですからその大きさが分かると思います。

簡単に説明すると、実際は財務諸表の数字の3倍くらい優秀な会社だっとという事です。

それに対して市場の評価は低いものでHISが買収を発表する以前はPBR1倍程度でした。
このPBR1倍というのは単純に言うと、財務諸表通りの評価という事です。
つまり実質は3倍あるわけですから低評価だった事が分かりますね。

ちなみに不動産事業はリスクが大きいため、低評価を受けるのが通常であるという点は加味しなければいけませんがそれでも低評価なのが分かりますよね。

つまり、なぜこれだけ多くの会社が買収に参加したのかというと、会社買って持っている不動産売っちゃえば儲かるからです。
負けない投資という事です。

ポイント!!

今日のポイントは、莫大な含み益を持ったユニゾが割安のまま放置されていたという事です。同じような状況の会社を見つけて投資すればいいというわけですね。

小さめの規模の会社だとこのような含み益を抱えながら割安という企業は他にもありますので、今後は見つけ次第紹介していこうかなと思います。

ユニゾの未来予測!!

含み益も大きいですが、不動産会社が低い評価を受けやすいのは出口戦略が難しいからというのも大きな要因ですので、新たな運営組織でそこが上手くいくのかは大切なのです。

実はこのユニゾを買収する従業員の運営組織は、退任する旧トップの影響力が強いとされています。

そのような状態では、社内でごたついて指揮系統が複雑になり、速度感を持った行動が難しくなることが予想できます。
今後の不動産というのは人口減少の中で難しくなっていくのは間違いないでしょうから、出口戦略をミスして業績悪化の可能性があるのではないでしょうか?

出口戦略が上手くいかず含み益が大幅減の展開が十分ありうると予想します!!

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