スルガ銀行の決算にみる預金が増えると苦労するって話

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。
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今日見ていくのはスルガ銀行株式会社です。
その高収益体質から、地銀の優等生と呼ばれていましたがシェアハウスへの融資の問題から一気に問題が噴出して話題になりましたね。

最近は話を聞くことが少なくなってきたスルガ銀行ですが、現在は一体どうなっているのでしょうか?

さて、こんなニュースがありました。

格付投資情報センター(R&I)は10日、スルガ銀行の発行体格付けを「トリプルBマイナス」から「トリプルB」に1段階、引き上げたと発表した。投資用不動産向けの不正融資問題を受けて経営再建中だが、預金の減少に歯止めがかかり「調達基盤の弱体化が進む懸念は小さくなった」と指摘。企業統治不全の象徴とされた創業家との関係解消にもめどがついたとした。

どうやら、預金の減少がとまり格付けが上がったようですね。
預金残高の推移をみてみましょう。

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確かに預金残高下げ止まっていることが分かりますね、さらに直近の2019年9月には上昇に転じているようです。

続いてこちらの資料をご覧ください


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コア業務の利益は減っていますが、それでもきちんと利益を上げていることが分かりますね。

単純計算でこのまま利益を上げるとすると、今期の利益は300億円になりますから、これは単体の地銀としてはトップ10に入る程度の水準になります。

なんだかんだで地銀としては優秀な水準にいることが分かりますね。

続いてこちらをご覧ください

画像3

赤丸部分は、単純に言うと貸付のうち危険性のある債権が何パーセントかという数字です。

みればわかる通り、どんどん比率が上がってきていますね。
特に増えている破産更生債権及びこれに準ずる債権とは、貸倒に大分近い債権の事を指しています。

この数字に関しては下げ止まりを見せる様子がまだないことから今後の利益の押し下げ要因となるかもしれませんね。

スルガ銀行の未来!!

スルガ銀行がこれまで、地銀の優等生といわれるほど収益を上げてきたモデルは、単純に言うと他の銀行が融資しない層に利率を高く貸し付けるというモデルだったわけです。
少々貸し倒れが増えても、利率が高いのでカバーできるよねって話です。

しかし問題が起きたことでこのモデルは継続不能となりました。
現状でも利益が出ている事から(今の利益は、不正融資問題が起きる前の貸し出しに対するものが多い)も、銀行は全体的に貸し出しの基準をもう少し甘くしても利益が出るのかもしれませんね。

銀行は情報は多く持っているので規制を取り払えば、上手くいく可能性があるというのは以前にユニゾHDの決算でも書きましたので良ければどうぞ
ユニゾHDの決算について

スルガ銀行は、いままでのようにリスクを取る事は出来ませんし、業績優秀な企業はこの状況でわざわざスルガ銀行を選んで借りる事はしませんよね?

つまり今後は貸出がどんどんできなくなっていく可能性が高いという事です。そこそこリスクある案件に低金利で融資をするしかなくなる可能性が高いです。
既存の貸し出しはリスクを取ったものが多いですからそこも危険ですね。

さらに銀行は預金に対して利息を払うわけですから、融資が出来ないと預金残高が下げ止まったことがマイナス要因に転じてしまう可能性もあります。

業績がある程度まで回復したスルガ銀行ですが、今後数年でさらに厳しい状況になる事を予想します。


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