【無料回】アウトドア業界編まとめ、一番熱いのはどれ?(サイクリング・釣り・キャンプ)
さて、これまでは私がキャンプをしたいという事でアウトドア業界について取り上げてきました。
具体的には自転車部品に強みのあるシマノ、釣り具に強みのあるグローブライド、キャンプ用品のスノーピーク、ノースフェイスなどを展開しているゴールドウインを見てきました、サイクリング、釣り、キャンプ、アウトドアウェアと見てきた感じです。
今回はこの4社からアウトドア業界の現状を考えていきます。
「どの業界が特に伸びているんですか?」的なことを見ていく回にしようと思います
これまで取り上げてきた各社について詳しくは各社の個別の回を見てください。
自転車部品をメインとして展開して自転車業界の「インテル」と呼ばれているシマノ
釣り具を中心に展開してフィッシング事業の比率が9割ほどのグローブライド
ノースフェイスなどアウトドアウェアを展開しているゴールドウイン
キャンプ用品をメインに展開しているスノーピーク
それではまずは少しだけ各社の違いというところから見ていきましょう。
決算期のずれはありますが、今回は各社とも2020年4月~2021年3月に調整した数字を見ていきます。
時価総額で見ると
シマノ:3兆1413億円
ゴールドウイン:3473億円
スノーピーク:1151億円
グローブライド:1051億円
と大きな差がついています。
時価総額でも圧倒的なシマノは売上高も非常に大きく、スノーピークは小規模です。
PSRという時価総額÷売上高をした数字で、売上規模に対してどれくらい評価されているのかという指標を見てみると、シマノは売上規模に対する評価も高くなっていてそれに続くのがスノーピークで、そこからゴールドウイン、グローブライドと続く形になります。
ではどうして各社の評価が違うのかというと、利益率を見てみると見えてくる部分もあります。
それこそシマノの利益率は圧倒的で、非常に利益率も高い企業となっていて、評価が低めだったグローブライドは利益率も比較的低めとなっています。
一方でスノーピークとゴールドウインでは、売上規模に対する評価としては低めだったゴールドウインの方が利益率が高いです。
それだけスノーピークの成長性は期待されているという事ですね。
ちなみに粗利率を見てみるとシマノやグローブライドは低く、ゴールドウインやスノーピークは高めとなっています。
特にシマノに関しては営業利益率では圧倒的だったにも関わらず粗利率は低くいです「シマノ」と「ゴールドウインとスノーピーク」この2つのくくりの大きな違いとは何でしょうか?
それはtoBをメインにしているかtoCをメインにしているかという事で、シマノは自転車部品を自転車メーカーに販売するというtoB向けの事業です。
シマノの部品は自転車業界の「インテル」と呼ばれるほど浸透していますから、販路が既に獲得されていて販管費を抑える事が出来ているという事で高い利益率を出せていると考えられます。
販路がある以上は製品開発に力を入れれば、その製品力がそのまま競争力となりますから、販売活動に割くコストが少なくて済むんですね。
さらにtoBの場合はマス向けの広告なんかは意味がありませんから、広告費という面でも減りやすいです。
一方toC向けの2社では、個人の方がサービスの切替は早いですから顧客獲得、維持というところにコストを割く必要があるため販管費が大きくなり、営業利益で見るとシマノに逆転される形になると考えられます。
それでは各社についてざっくりと把握できたところで、コロナ禍での変化を見ていきましょう。
まずは売上高の前年同期比ですが、スノーピークの成長は最も大きくそこからシマノ、グローブライドと続いていて好調です。
一方でゴールドウインに関しては唯一前年同期比で減少に転じてしまっています。
サイクリングや釣り、キャンプなどは好調だったもののノースフェイスなどのアウトドアウェアに関しては、アパレル業界が店舗休業などの影響も大きく苦しい状況だったようにそういった影響を受けたようです。
利益面での変化を見てみると、最も大きく伸びたのが売上と同じくスノーピークでそこからグローブライド、シマノと続きます。
グローブライドは売上の伸びに対して利益の伸びが大きいです。
個別の回でも取り上げましたが、グローブライドは固定費が大きい構造になっている事で売上の伸びに対して利益率が伸びやすくなっていると考えられます。
続いて直近の決算の四半期である2021.4~6月の業績を、コロナ前の2019年の同期比と比べてみます。
これを見てみると各社とも非常に好調となっていて、通期で見た際の数字よりも大きな伸びとなっています。
という事はこの直近の3ヶ月でも成長が続いているという事です、アウトドア人気は低迷せずに高まり続けているという事ですね。
ゴールドウインに関しては悪化した状況が続いていますが、他のアパレルと比べると悪くない水準ですからやはり需要はある事が分かります。
元々シマノやグローブライドは成長力が小さかった一方で、スノーピークは成長していたという事で、そもそもの企業の成長力の違いもありますが、キャンプ人気はやはり高く、そこからサイクリング、釣りも好調になっているようです。
やはり2020の段階ではワクチン普及とともに2021はレジャーの拡充が期待されていたわけですが、現実は多くのイベントが中止されている状況が続いていますからアウトドアの需要は衰える事もないですし、いつまでもステイホームという事はさすがに無理ですから、アウトドアならという事で行動する方たちが増えてきたという事ですね。
また、営業利益率を見てみると大きく伸びたのはグローブライドです。
なんと4杯以上になっています、やはりグローブライドは固定費が大きく売上が伸びると利益率が高まりやすくなっている事が分かります。
シマノやスノーピークにしても倍以上になっていますからコロナ禍でのアウトドア需要の高まりが分かります。
という事で全体を見てみると、どれが好調というかアウトドア全体として非常に大きく伸びている事が分かります。
アウトドアウェアを中心とするゴールドウインに関しては業績は回復していないですが、他のアパレルと比べると好調です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?