セントラルスポーツの決算から考える今後の業績とスポーツジムが高価格化する話

どうもコージです! 私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。 そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのはセントラルスポーツ株式会社です、スポーツジムをチェーン展開している会社ですね。

こんなニュースがありました。

「ゴールドジム」米の運営会社破綻 日本の店舗と資本関係なし

フィットネスクラブの「ゴールドジム」を展開するアメリカの運営会社は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条の適用を裁判所に申請し、経営破綻しました。日本で展開している店舗は、資本関係がないためこれまでどおり経営を続けるとしています。「ゴールドジム」を運営するアメリカの「GGIホールディングス」は、日本を含む世界各国でおよそ700の店舗を展開していますが、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、経営が悪化していました。
発表によりますと、この会社は4日、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条の適用を裁判所に申請し、経営破綻したということです。
日本で「ゴールドジム」を運営している店舗は東京や大阪など93店舗に上り、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受けて、先月から臨時休業しています。
日本で運営している会社「THINKフィットネス」によりますと、日本の店舗はいずれもフランチャイズで運営され、破綻したアメリカの会社とは資本関係がないため、これまでどおり、経営を続ける方針だということです。会社は「フランチャイズである日本におけるゴールドジムの運営への影響はない。店舗の営業再開に向けて準備を進めている」とコメントしています。

どうやらアメリカのゴールドジムは新型コロナによる、影響で経営破綻してしまったようです、超大手のスポーツジムが破綻してしまった事は驚きですね。

という事で今回は、日本のスポーツジムチェーンであるセントラルスポーツは大丈夫なのか、スポーツジムの今後の形態はどうなっていくのかについて考えていきましょう。

それではまずこちらの資料をご覧ください。

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2019年4月~2019年12月期の決算では、売上高は0.1%減の406.8億円、営業利益は2.1%減の28.6億円、純利益は8.2%減の16億円となっている事が分かります。

若干悪化していますが横ばいといった感じの成績で、新型コロナによる影響が出る以前の段階では安定して利益を出せているようです。

さてそれでは、財務状況はどうなっているでしょうか?

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現金性の資産は、46億円ほどある事が分かります。

そしてスポーツジム経営を行っている会社ですから、もちろんジムを建てて様々なトレーニング器具を入れる必要があるという事で、建物や構築物、器具備品や土地などの不動産が減価償却前の段階で450億円以上と高額になっている事が分かります。

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一方借り入れは、長期、短期のものを含めて33億円ほどと、固定資産の大きさに比べると小さい金額ですので、借入ではなく本業で出した利益を再投資して店舗を増やすことで、規模を拡大してきた事が分かりますね。
危機的状況のと際には大きなレバレッジをかけている(大きな借り入れをして規模の拡大をしている)ところから厳しくなっていきますから、比較的安全な経営をしていると言えるでしょう。

また、買掛金は2.6億円ほどと通常の営業によって支払いが必要になる金額は小さいことが分かります。
スポーツジムをイメージしてみると分かりますが、スポーツジム内で使われているものは、初期投資にかかるものが大半でその後の経営で必要になる物品はそう多くありませんよね。

セントラルジムの未来!!

それでは、資金的に余裕があるといえるかというとそうではありません。
ジム運営の中では人件費や光熱費、土地などの賃借料などの支払いが大きくかかってくるわけです。

こちらの資料をご覧ください

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これは前期の2018年4月~2019年3月の決算ですが、人件費は113億円、水道光熱費は46億円、賃借料が85億円と合計で245億円ほどある事が分かります。
単純計算で1ヶ月20億円ほどかかるわけです。
そして、新型コロナの集団感染が出たことで、ジム利用者や会員数が減少傾向にあるわけですが、この支払いを減らす事が難しいのが大きな問題です。

今でこそ、ジムを閉めているところが多いので人件費や光熱費をある程度削減することは可能でしょうが、今後は再開のフェーズに移ります。
そうなった際には、利用者は減ったとしてもアルコール消毒などの感染症対策タスクが増えてしまうので人件費を減らすことは難しいでしょう。
さらに、光熱費はジムの稼働時間が変わるわけではないので、あまり減らないでしょう。
賃料に関しては交渉の余地はあるでしょうが、どの程度になるかは不透明です。

という事で、利用者が減ったとしても費用や支払いを減らすことは難しく、46億円ほどの現預金では十分だとは言えないでしょう。

また先ほどの資料にもある通り、固定資産が大きいため減価償却費が15億円もある事が分かります。
減価償却費はキャッシュアウトを伴わないので、経営に大きな影響はあたえませんが、この費用が減ることはなく、むしろ減損リスクが考えられますので業績には痛手となりそうです。

今後は健康の重要性がさらに増すこと思います、しかしジム以外の屋外での運動は増えるでしょうし、自宅内で運動する人も増えるかもしれませんから、いったん離れた会員が戻ってくるのには時間がかかるでしょう。

ということで会員数が減少するにもかかわらず、費用を減らせる部分が少ないため業績が悪化することを予測します!!

ジムの未来!!

新型コロナの影響が長期化する中で、今後はジムの運営形態も変化があると考えられます。
今でこそ器具を所狭しと詰め込んでいますが、距離を取って器具を置くことになるでしょう。
となると、今でさえ混雑で設備が使えなかったりすることがありますから、そんなケースがさらに増えていきます。
混雑の緩和のために、施設ごとの会員数に上限を持たせることになるかもしれません。
またスマホを利用して、設備ごとの混雑状況を配信するようなサービスは出てくるでしょう。

となると起きてくるのはジムの高価格化でしょう、人数を減らして単価を上げる代わりに利用者の利便性を上げていくんですね。

今後はジムの高価格化を予測します!!

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