ライザップの決算から見える未来

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントに絞って説明していきます。

今日見ていく企業はライザップグループ株式会社です。

この記事は、前回の記事の続きとなっておりますので
是非そちらから読むことをお勧めします。(こちらからどうぞ)

それではまずこちらの資料をご覧ください。

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前回の記事で説明しましが、会計基準の変更でリース取引の支払額を負債として計上する必要がでたわけです。
そしてその金額はライザップでは非常に高額なものでした。(その理由も前回記事のこちら

この結果資料の通り財務状況が想定より悪い事が判明しています。

ちなみに流動比率をざっくり説明すると、手持ちのお金を近々支払いが必要な金額で割った数字です、つまり100%超えていればとりあえず支払いは間に合うよねって指標です。(この説明は不十分かつ不適切ですので詳しく知りたい方はこちら


なぜか、リース取引の負債を外すことで安全水準にあるように資料を作成していますが、リース契約は長期契約で解約料が必要なケースが多いので負債と同じように支払いの必要があります。

なのでリース取引の負債を含めると、実質的には流動比率が100%を割れていることが分かります。

単純に説明すると近々お金が足りなくなるよって話ですね。

さらにこちらの資料もご覧ください

2019年3月期決算説明会_ページ_2

営業債務が大きく減少している事が分かります。

企業では、なにかものを買った時などにすぐに支払いをするわけではありません。翌月末にまとめて支払ったりするわけです。

その支払いが必要なものが、営業債務です。
クレジットカードの利用残高的なシステムです。

これが大幅に減っていることから何が想定できるでしょうか?

支払いサイトが短くなっている可能性です。

みなさん何かものを売る事を考えてください。

トヨタに売るなら、支払い3か月後って言われても安心できますよね?

ですが、つぶれそうな小さな町工場に売るとしたら支払い3か月後では心配になりませんか?
来月払ってくれないなら取引しないよって言いたくなりますよね。

つまりライザップで何が起きているか想像できるかというと、最近の業績不振で、心配だから支払いまでの期間短くしてねって言われてる可能性があるということです。

先ほどの資料の通り財務状況がよくないライザップにとってこれは痛手です。

しかし、その注記として3月31日が休日だったためと理由が付けられています。
これが理由の大半であれば問題はないでしょうが、ここは今後の注目ポイントですので是非見てみてください。

さて、財務的に厳しいライザップは今後次のどちらかの行動に出るのではないかと予想できます。
1.大幅な新規の借り入れ
2.子会社の売却

このどちらの行動をとるにしても、共通して言えることがあります。
さて、何でしょうか?


それは、しばらくの間は今までのように新規のM&Aを行って、事業の拡大をすることは難しいとういう事です。

大幅な借り入れを行えば、M&Aのための借り入れをするのは難しくなりますし、現在の子会社売って返済に回して、余ったお金で新しく会社買ったとしても事業は拡大しませんよね?

今後のライザップの展望

財務状況が危ないという話をしてきましたが、子会社には上場企業も多く売れる企業が多いので倒産してしまうという心配は必要ないでしょう。

しかし、これからもまだ優秀な企業を数社手放す事になると私は予想しています。借り入れが難しい状況にあると考えられるからです。

そして、しばらくの間新規のM&Aは難しいので事業の規模がどんどん小さくなっていくでしょう。

しかし、そう悲観すべきことばかりではありません。

こちらの資料をご覧ください

2019年3月期決算説明会

実際に買収した企業の多くは業績が改善していますので、社内には多くのノウハウがたまっている事は間違いありません。

一旦腰を据えて、収益体質に改善していく事は可能なのではないでしょうか?
そうなれば、その後はまたM&Aを利用して再拡大を始める可能性があります。

ただしそれが期待できるのはあくまで数年後の話なので、しばらくは大幅な業績改善、再拡大を期待するのは難しいでしょう。

今後は、今持っている子会社がしっかり利益を増やしていけるかに注目です!!

それが可能であれば数年後に再拡大を始める可能性は高いです!!

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