ライザップの決算から見るM&Aの為の財務戦略

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントに絞って説明していきます。

今日見ていく会社はRIZAPグループ株式会社です。
パーソナルトレーニングのジムとあの特徴的なCMで知名度を得た会社ですね。
そして最近では積極的なM&Aと赤字転落で話題になりました。
知らないよって方は、この辺にまとまっています。

面白ポイント !!IFRS第16号によって分かったライザップの財務戦略

謎の言葉が出てきたぞと思った方も多いのではないでしょうか?
IFRS第16号?謎の呪文ですね

ですが、これから3月期の決算を迎えるにあたり重要になってくるので覚えておいて損はないです。

IFRS第16号とはリース取引の会計基準が変わったよって話です。
リース取引(オペレーティングリース)を財務諸表にちゃんと載せようってことなんですね。

「オペレーティングリースとか謎呪文すぎる!!」てか、今の説明全部謎と思った方は忘れてください、なぜなら決算を読めるようになるには正しい知識を入れる必要はないからです。
何となく大筋をつかむことが大切でそれで十分なのです、なので今からそのための説明をしますよ。

ちなみにリース取引とは、例えば車借りて毎月3万払う的な取引です。
レンタルみたいなものですね。

ただレンタルと違うのはリース取引は長期であることが多いです、5年契約で車を月3万円で借りる契約をしたりするわけです。

そうするとあることに気が付かないでしょうか?

そうです、お金借りて車を買って毎月3万円づつ返済するのと、実質的には同じことをしているわけです。

これが問題だよねって話になり、会計のルールに変更があったのです。

なぜ問題となったのでしょうか?

会計の重要な役割に企業間で比較をしたいよねって考えがあるのですが、そこに問題出るよねって話になったんです。

先ほどの例でみてみると、一方では資産に自動車が計上され、負債に借入金が計上されます。

リース取引をした側では、資産にも負債にも何も計上されないんです。

これでは企業間比較できないですよね、実質的には同じことをしていてもまったく違う財務諸表になってしまうわけですから。

そこでリース取引も資産と負債を計上しようよとなったわけです。

この変更が、IFRS第16号ってやつです(ちゃんと知りたい方はこちら

それではこちらの資料をご覧ください。

画像1

リース取引を財務諸表にのせた結果有形固定資産がなんと440億円も増加していることが分かります。
つまり固定資産は買わずにほとんどをリース取引にしていたという事です。

では何故でしょうか?

その理由は2つあると予想できます。

まず、会社としての借り入れにはもちろん限度があります。
借り入れが増加すると銀行もどんどん貸してくれなくなります。(財務内容が悪化するので)
資金が潤沢でないライザップは積極的なM&Aをするには借り入れをする必要があるわけです。
なので新規の借入はM&Aに使いたいので、固定資産への投資は借り入れをしないで済むようにリース取引をしていたのではないでしょうか

そしてもう一つの理由は買った会社を売りやすくするためではないでしょうか。
みなさん会社を買うと想像してみてください。
借入の多い会社は買いたくないですよね?(財務指標が悪い)
つまり借り入れをして固定資産に投資するという方法を取ると、売りずらくなってしまうわけです。
リースにしておいた方が売りやすいんですね。

M&Aをするうえで出口戦略をどうするかは大きなポイントですので、売りやすくしておくというのは非常に重要なのです。

という事で、やはりM&Aを事業の中心にしていたのが分かりますね。

今回はポイントがまだあるので2回に分けて説明しようと思います。

それでは次回、ライザップは資金繰りが苦しくなったのか?に続きます。

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