SBIの筑邦銀行への出資はなぜ上限がたった3%なのか

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。
記事一覧

今日見ていくのは筑邦銀行です、この会社は福岡の地方銀行の1つです。

早速ですがこんなニュースがありました。

SBIホールディングスと筑邦銀行 資本業務提携へ
2020年1月16日 23時49分
インターネット金融と地方銀行の新たな連携が動きだします。ネット証券などを手がけるSBIホールディングスと福岡県の筑邦銀行が資本業務提携し、ITを駆使して地方の企業を支援する取り組みなどを強化することになりました。
関係者によりますと、ネット金融大手のSBIホールディングスは、福岡県に本店がある地方銀行、筑邦銀行の株式を数%取得し、資本業務提携します。
両社は提携をきっかけに筑邦銀行の取引先企業にSBIが出資する企業を紹介するなどして販路の拡大につなげるほか、SBIが得意としている金融とITを融合したフィンテックを活用して地域通貨を発行することにしています。

SBIの地銀出資第3弾として筑邦銀行に出資することを決めたようですね。

ご存知の方も多いかもしれませんが、今SBIは第4のメガバンク構想をかかげ地銀への出資を進めており、これまでに島根銀行、福島銀行と資本提携を決めています。

決算から分かる第4のメガバンク構想

まずはこちらの資料をご覧ください。

画像1

業務粗利益が向上していますね、ですがその要因は貸付によるものではないことが分かります、国債等の債権運用による増益が要因なんですね。

貸付業務は減益であり、どうにかして収益性をあげたいわけです。
そのために人件費を減らしてコスト削減していることがわかります。

どこの地銀も同じ様な状況で、貸付業務で収益を出す事が難しくなっています。
さらにフィンテック企業が業界に参入してくる中で、今までのやり方では生き残って行く事は難しくテクノロジーでを取り入れる必要があるわけです。

しかし、多くの地銀は自社開発するだけの人材も資金もないところが多いです。

そこでSBIの第4のメガバンク構想がある訳です。うちの技術力使っていいから、資本提携させてねという事をしているわけです。

つまり地銀の巨大なプラットフォーマーになろうという構想なんですね。

そうなればSBIにはメガバンクが取りこぼしている、地方の中小企業や個人を取れるので強いわけです。

なんで出資比率が上限3%なの?

続報で出資比率は上限3%になることが発表されました。
めちゃくちゃ少ないですよね?どうしてでしょうか?

それは福岡の銀行事情が大きく関連しているとおもわれます。

福岡には地方銀行が5行ありそのうち第1地銀は、福岡銀行、北九州銀行、西日本シティ銀行、そして筑邦銀行と4行あります。

その4行中3行がすでに地銀再編を進めており、福岡銀行は熊本銀行、親和銀行とふくおかFG(フィナンシャルグループ)を、北九州銀行はもみじ銀行、山口銀行と山口FGを。西日本シティ銀行は、長崎銀行と西日本FHD(フィナンシャルホールディングス)をそれぞれ作っているわけです。

筑邦銀行は福岡の第一地銀の中で最後の独立系銀行だったわけです。

筑邦銀行としては、周りは再編を進めテクノロジーへ投資するための資金力を付けていき、さらに金融庁も強く地銀の再編を進めている状況で独立を守るのは難しい事は間違いありません。

そこでSBIの出資を受け入れてSBI系列となる事でその問題を解決したかったわけです、しかし独立性を維持したいという欲もありました。
伝統でいえばSBIより遥かにある訳ですから、そう簡単に傘下に入るような事をしたくないのはお分かり頂けると思います。

福岡とは巨大な市場であり、SBIとしてもどうしても進出したい市場です。しかし他の第一地銀3行はすでに再編を進めており入り込む余地がありません。

つまり残されたのは筑邦銀行と提携する必要があり、SBIとしても独立路線を守りたい筑邦銀行の言い分を飲まなければいけなかったわけです。

両社の思惑が入り混じった結果が出資上限3%というあまりに低い数字だったのではないでしょうか?

筑邦銀行の未来!!

SBIとしては、出資比率を上げていきたいはずですので筑邦銀行が業績不振などの時には一気に行動に出る可能性があります。

また、筑邦銀行の現頭取は10年以上も続けているため、社内の権力が非常に強いだろうと予測できます、今回の提携にも大きな発言権を持っていたことでしょう。
現頭取が退任した際には、社内の強権者がいなくなった隙をついてSBIが一気に出資比率を上げに行くのではないかと予測します。

筑邦銀行の業績と、現頭取の進退に注目です!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?