東京電力の決算にみる今後の増益の可能性

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていく会社は東京電力ホールディングス株式会社です。

東日本大震災による原発の問題から、電力自由化など大きな変化の中にいた東京電力ですが最近ではどうなっているのでしょうか?

それでは早速こちらをご覧ください。

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まず、第2四半期レベルで4200憶円も利益が出ているようです。
凄いですね、電力自由化などもあり厳しい状況なのかと思いきやそうでもないようです。

面白いポイント!!引当金の戻り入れ

先ほどの資料の通り、利益の半分は特別損益だという事が分かります。

続いてこちらの資料をご覧ください。

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特別利益のうち1000億円が災害損失引当金戻入額という項目であることが分かりますね。

そもそも引当金戻入額とは何でしょうか?

引当金とは将来の損失に対する予測に対して損失を計上するものです。
予測という不確実なものに対してなぜ損失を計上するのでしょうか?

例えば、東京電力の例で言えば原発の問題が起きた時を考えてみてください廃炉や保証など将来にわたって多額の支払いをすることになりますよね。

本来であれば支払いが確定した時点で損失を計上すべきですが、確定前の損失を計上しなかったとすると、決算を見たときに本来の状態よりよく見えてしまいますよね。

東京電力などで言えば将来的に何兆というレベルの支払いの可能性があったとしても、それが決算にのってこないとなると投資家が誤った判断をしかねません。

そこで引当金というものを予測で設定していくわけです。

基本的には引当金とは精度の高い予測が出来るときでなければ計上できないのですが、東京電力の原発問題などの特殊な事例などでは大きく外れることももちろんあるわけです。

そこで予測が外れ、支払いが少なくなった時に起こるのが引当金の戻入です。
つまり純粋な利益というよりは過去の損失を相殺しているというのが本質的なとらえ方になりますね。

という事で、東京電力では過去の予測がはずれ引当金の戻入として1100億円の利益を計上したという事ですね。
その予測が外れた要因は先ほどの資料の通り、福島第二原子力発電所の廃炉が決定したことのようです。

東京電力の未来!!

続いてこちらの資料をご覧ください。

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原発関連の引当金がまだ8700億円ほど残っていることが分かります。

東京電力の引当金はかなり特殊な事例で、保証がいつまでかかるのか、廃炉費用はどの程度になるのかなど不確実要素が非常に多い中で計上されていますので、今後も引当金の戻入が起こる可能性が高いのではないでしょうか?

つまり、今後も特別利益が計上され好決算が発表される可能性があるという事です。

廃炉や補償についてのニュースをしっかり見ておくと、特別利益計上のタイミングがつかめるかもしれませんね。

しかし、長期的に企業の業績を見るうえでは先ほどの説明の通り、本質的には過去の損失の相殺に過ぎないという点には注意が必要です。

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