ヨネックスの決算から考える2021年3月期は業績が大幅悪化する話と、その後の話

どうもコージです! 私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。 そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのはヨネックス株式会社です、バドミントンやテニス用品の販売を行っており、特にバドミントンに強みのある会社ですね。

こんなニュースがありました。

ヨネックス、前期純利益4%減 広告費かさむ

ヨネックスが20日発表した2020年3月期の連結決算は、純利益が前の期比4%減の16億円だった。アジアを中心にバドミントンのラケットやウエアが販売好調だったが、広告宣伝費の積極投入でコストがかさみ利益を押し下げた。

売上高は1%増の619億円だった。特に中国でバドミントン用品の新製品が販売好調だった。同社の海外子会社は12月期決算のため、連結業績上は新型コロナウイルス感染拡大の影響は表れていない。

一方、国内では年明け以降に全国の小・中学校、高校が一斉休校した影響で部活動向けの需要が急減し、売上高が伸び悩んだ。

21年3月期の業績見通しは未定とした。足元で各国のスポーツイベントが軒並み延期や中止に追い込まれており、販売動向の先行きが不透明なため。「売上、利益とも大幅な減少が見込まれる」(同社)という。

どうやらヨネックスは広告費がかさんだ事や、新型コロナによって部活動が停止した影響もあり増収減益となってしまったようです。

今回はそんなヨネックスの今後について考えていきましょう。

それではまずこちらの資料をご覧ください。

売上高は1.4%増の619.6億円、営業利益は2.5%減の24.2億円、純利益は4.1%減の16.5億円となっており、増収ながらも減益となっている事が分かります。

ではどうして、減益となってしまったのでしょうか?

ニュースにもあった通り、その要因を将来への投資として広告費が増加した事だとしています。

多額の広告費を使ったのに、新型コロナがきてしまった事で、せっかくの広告費を回収できそうにないのは不運ですね。

これもニュースにもありましたが、外国法人については決算期が12月なために12月までの業績しか反映されていないようです。
つまり、2020年12月期の決算では海外事業での新型コロナの影響全てが出てしまいますから、他の3月決算の法人と比べても業績へのダメージは大きそうです。

続いてはこちらの資料をご覧ください。

あくまで新型コロナの影響が出る前の12月までの決算を利用しているという理由はありますが、アジア事業が営業利益で20億円ほど稼いでおり、利益面ではメインはアジア市場だという事が分かります。
という事は、先程の説明の通り決算期のずれがありますので、2021年3月期の決算に与えるダメージは非常に大きそうですね。

また、売上に関しては日本が最大で、利益も新型コロナの影響を受けつつも4.5億円ほど出せている事が分かります。
しかし今後はさらに少子化が進むことによって、主要なターゲットと考えられる部活動人口が減っていく可能性が高いので業績は厳しくなっていきそうです。
今後もアジアを伸ばしていく事が出来るかは重要そうですね。

しかし、日本市場に関してもチャンスが無いわけではありません。
その理由は2つ考えられます。

まず1つ目はバドミントンが個人スポーツだという事です。
少子化が進めば野球や、サッカーをやれるだけの人数を集める難易度は上がり、個人スポーツに流れる人数が増える可能性は十分にありますよね。
過疎地域でも2人で出来るバドミントンなら問題ないですよね。

2つ目の理由は、日本のバドミントンが強いという事ですね。
世界ランク1位の桃田選手などを筆頭に、男女共に強豪選手が多いですよね。
東京オリンピックは開催が危ぶまれていますが、無事開催されて金メダルを取るような事があれば、バドミントン人口は一気に増えるでしょう。

さらに、日本人選手の活躍は海外市場にも好影響を与えます。
例えばサッカーであれば、メッシやクリロナモデルのスパイクを履きたくなるのと同じように、世界のトップ選手のモデルは当然人気が出ます。

オリンピックが無事に開催された際には、日本人選手の活躍にも注目ですね。

という事で、少子化の中でも部活動人口を増やしていける可能性は十分にありそうです。

ヨネックスの未来!!

ヨネックスは、現預金と売掛金、受取手形で223億円ほど保有している事が分かります。
一方短期的に支払いが必要な金額は、その他があるので詳しくは分かりませんが60数億円ほどだと分かります。

財務的には大分余裕がありますので、新型コロナによる業績悪化には十分耐えられそうです。

ここまでをまとめると、2021年3月期は、海外法人が2019年12月までの決算を利用しているために、2~5月までの新型コロナによる業績悪化の全ての影響がでてしまい、かなり悪い決算となるが、資金は潤沢なので大きな問題とはならない。
日本市場にもチャンスは十分にあり、海外市場、とくに重要機拠点のアジア市場についても日本人選手の活躍がそのまま広告となり業績が伸びる可能性は十分にある。

という事で、短期的には業績が悪化するが長期的には業績が伸びることを予測します!!

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