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躁うつ病と僕の700日の遭難日誌「おわりに」

この章を書いているのは、2023年の7月4日である。今日の体調は平常。軽躁でも、うつでもない。心は「凪」いている。気温は高い。梅雨が明けたのか、日差しは強く、京都特有の蒸し暑い空気になってきた。
日誌は2023年5月15日、つまり、個展の準備をするところで終わっている。
個展は無事終えることができた。個展期間中は本当に信じられない事ばかりが起きた。僕の絵を買ってくれる人がいたし、僕の絵で自分の抱えている問題を話してくれる人もいた。僕の絵が夢に出てきたという人もいた。個展には友人知人もたくさんきてくれた。友人も手伝ってくれた。妻も手伝ってくれた。
それは、この四年間のことを思うと、奇跡的なことだと思う。

個展が終わったあとも、僕は絵を描き続けている。個展を終えて、何かが決定的に変わったような気もするし、何も変わっていない気もする。相変わらず、僕は絵を描き続けると思うし、文章を書き続けると思う。これは「祈り」の行為に近いと思う。繰り返す呼吸の一間に絵を描く。繰り返す呼吸の合間に、文章を書く。とにかく生活を繰り返していた700日だった。僕は苦しみの中で、いわば遭難の末に、絵を描くという行為に「漂着」して、いつしか「祈り」に変わった。

僕はこれからも「祈り」続けると思う。
「祈り」を続けていても、すべては沈黙を貫いている。
それでも僕は「祈り」続ける。
「祈り」の形は変化するかもしれない。「祈り」に挫けるかもしれない。それでもやっぱり僕は「祈り」繰り返すことになると思う。
だから、みなさんには、そっと僕のことを見守っていてほしいと思う。そして、時々、そっと声をかけてほしい。躁鬱に苦しんでいる僕にでも、周りの人にでも。

ここまで読んでくださった方々に心より感謝申し上げる。
この日誌で、誰かひとりでも、同じような病に苦しんでいる人を救えたら。
こんなに嬉しいことはないと思う。

昨日のパステル画『交差点』
昨日のパステル画②『にわか雨のあとの、川端御池の空ver2』
今日のパステル画『雲#7』

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