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最寄り駅、なんて嘘じゃない。


遠い。

最寄り駅、なんて言葉は
都会に住んでいる人しか
使うまい。


地元の駅は駅員もおらず、

夜は悠々と自動販売機の明かりが
ついているだけだった。


電車も
1時間に1本にもかかわらず
待つ人なんてせいぜい3人ほどだったのだけれど。



なぜか知りたくなる
駅の中。


そんな駅構内をコテージにして
2人で切り盛りする話


昔から小説が好きで
良く読む。

その中でも
ミステリーやサスペンスよりも
ゆったりと日常を描いているような、


その人の人生を自分が体験しているような


そんな話を良く読む。


この「駅に泊まろう!」は

そんな僕の好みにドストライクだった。


主人公の女性は
東京で居酒屋チェーン店の社員だった、

そんな会社に辞表を出すところから
物語は始まる。

亡き祖父から北海道にある
コテージを相続し、そこの
オーナーになる決意をする。


意気揚々と東京を旅立ち、

ついた先は

駅構内を改造したコテージだった!

周りにはコンビニすらない。

そんな個人的に親近感を覚える
駅の構内をコテージに変えるなんて、

男心をくすぐる、とんでもない発想である。


この小説は

そんなコテージを
従業員と2人で切り盛りし、

訪れるお客様や

主人公の人生を覗き見るような

そんなお話。


どこか羨ましさを覚える。

夢見て上京。

なんて良く聞くが、

そんな都会で
焚き火の動画が流行るもんだから
皮肉なモノである。


人は皆、
この小説のような人生を望んでいるのではないか、
とまで思う。



まだ窓の桟には
読んでない本がある。



次は何を読もうか。


積み上げられた
一つ一つの物語をじっと見つめながら


考える。


開けた窓の外から


電車の音が聞こえる。



ガタンゴトンガタンゴトン、、、


なんて上品な音は、
案外しないものである。


ゴーーーー!
ドコンドコン!


目覚ましはかけない。


自然に起きる。

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