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「ネタバレ⚠️すずめの戸締まりの感想」2022年11月18日

すずめの戸締まり

・滅茶苦茶に泣いた、これでもかというほどに泣いた。刺さりすぎてしまったな。

・このテーマに正面から、この期間でアニメーション作品で挑むの凄い。攻めてる。かっこいい、新海誠。この立場になってからコレができるのは凄い。

・賛否両論の作品になることは間違いないのに、この作品をつくりたかった理由がわかる。

・重くなりすぎず説教臭くならず、でも大切なことはちゃんと伝えて、"エンタメ"になっているの凄い。

ストーリー

・最初の数分から最後まで、中だるみが一切なかった。これは、新海誠過去2作品(君の名は以降)よりダントツでよかった。劇中歌のバランスも今作が1番良いと思う。

・いわゆるロードムービー、バディ物。王道の設定だから、わかりやすく面白い。

・だからこそ、現代日本の描写や地震テーマに対して意識が向き、現代日本を改めて考えさせられる。自分の動機みたいなものを思い出した。

・方言だったり、街並みだったり、廃墟だったり。

・新海誠のセカイ系作品の中でも、破滅思考的でなくしっかりと男女が向き合い大局の為に何ができるかというところに焦点があっていてよかった。破滅思考的なのも大好きです。

キャラクター

・すずめ、良い子。叔母さんに対する感情、叔母が抱く感情がリアルだった。デート行って欲しいよね、申し訳ないって思ってしまうよな。こういった家庭があの日をきっかけに増えたんだろうな。観て、どう思うんだろう。

・草太、抱え込んじゃうタイプの人だった。いや、えらいなと思った。あと、すずめに雑に扱われていて面白かった。

・スナックのママもみかんの高校生も、優しくてよかった。泊めてくれること、送ってくれることに対して、ちゃんとすずめが対価を払うのがよかった。皿洗いだったり、接客だったり、風呂掃除だったり。主人公がちゃんと周りの人たちにギブされる映画って当たり前だけど、そういった時にテイクする描写がある映画は少ないような気がする。テイク大事。心があったかくなる。

・芹澤、良い奴すぎる。あまりにも良い奴。そりゃ、草太も「あいつ良い奴だから」って言うよな。ギャップ萌えが過ぎた。新海誠、神木隆之介大好きすぎる。あまりにも好きすぎて、あまりにも良い奴の声優やらせちゃってるやん。

・芹澤、最後のシーンで煙草に火をつけていなかった。火、つけてませんよ!的シーンがあった。どういう意図かは分からないけど、何か芹澤を変えるきっかけになったよってことなんだろうか。すずめ、叔母、草太、4人がみんな成長したという表現なのかな。

・ダイジンが、元々人間の子供だった説は凄くしっくりきた。そりゃ、変わって欲しいよ。可愛がられたら親のように思ってしまうよ。好きだから、また人柱になったけど、誰かがならなければいけないからだけど。可哀そうではある。でも好きという気持ちを叶えれてよかったね。

作画・演出

・これ、めちゃくちゃ良かったと思いました

・特に、鍵を閉める演出がわざとらしく何回も出てくる。これが、毎回鳥肌が立つ。映画を観た帰り、鍵閉めるときにちょっと意識しちゃった。

・タイトルの出方良かったな。ここでくるのか!と思った。

・RADのMVと揶揄されるところがあったが、今回はそういったMV風演出も極限まで減らしていた。確立された新海誠の演出であるのにも関わらず、使用しなかったのは凄い。挑戦している。

・MV風演出、好きだけど好きじゃないのであってもいいけど、ない方が好きだな。劇薬すぎるんだよな。コントの暗転的な。

・現実描写とファンタジー描写のバランスが、丁寧だった。現実すぎても、重すぎてしまう。エンタメじゃなくてドキュメンタリーチックになってしまう。ファンタジーすぎても、コンテンツとして消化している感だったり、同じ日本の話ではなくなってしまう。そこのバランスが神がかりだったように思う。

ジブリ

・新海誠の過去作の「星を追う子ども」も、母子家庭の少女が異性と出会って旅するロードムービーである。ジブリに対するリスペクトが強く、ジブリ要素のちぐはぐ的になってしまい、評価はあまり良いものではなかった。

・「君の名は」で爆発的興行収入を記録した際も、"ポスト宮崎駿"と各所で言われていた。

・今回、"ポスト宮崎駿"ではなく"新海誠"であるということを強烈に印象付ける作品になったと思う。今後、"ポスト宮崎駿"と言われることもないだろう。新海誠らしさが、何であるかというのが提示されたように感じた。

・劇中では、ツイッターで「みみすばみたい」と呟かれるシーンとルージュの伝言を歌うシーンがあった。ジブリを現実世界のアイテムとして落とし込んでいた。ジブリはもうそういう次元(日常)にあって、そして自分はジブリになる気はないのだということだと思った。

・前に進まなきゃいけないけど、忘れてはいけない。だから、いつでも開けれるところに戸締りしておこう。

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