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批判的人種理論はマルクス主義の一派

アメリカではいま、批判的人種理論Critical Race Theory (CRT) をめぐって「文化大戦争」が起こっています。

これについて、おそらく日本のメディアで今のところ唯一記事にしているのが毎日の以下のものです。

これは「文化戦争」なので、批判的人種理論(CRT)を認めるか認めないか、正しいと考えるか間違っていると考えるかによって、意見は二分されます。

この記事を書いた古本という「毎日新聞北米総局長」は、タイトルをみて一目瞭然のように、CRTを正しいと信じているわけです。だから「狙われる批判的人種理論」というタイトルになるわけです。実にわかりやすい。

記事冒頭には次のようにあります。

この数カ月、それまでは聞いたことがなかった批判的人種理論(Critical Race Theory)という言葉を毎日のように米国のメディアで見聞きするようになった。保守系メディアが「教育の現場や職場で批判的人種理論を禁止しろ」という主張を繰り広げ、これを受けて全米各地で論争になっている。

ここで古本記者にとっての「敵」も明示されています。保守系メディアです。CRTとそれを進めるリベラルは正義、それを禁じろと主張する保守は悪。毎日のようなリベラル・メディアお得意のパターンです。

ではこのCRTとは何でしょうか?古本記者は次のように説明します。

批判的人種理論とは、法学を中心とした大学院レベルの理論的な枠組みで、1970~80年代にかけて誕生した。ハーバード大法科大学院で、黒人として初めて終身雇用の資格を得た故デリック・ベル教授らが先駆者だ。理論の核となっている主張は、「法律を含め米国社会の構造の中に、人種差別的な要素がある。一時しのぎの対応などで人種差別をなくすことはできない」というものだ。

えー。

もやもやーっとぼやかされおり、ちゃんとした定義が示されていませんね。

ではブリタニカの定義から借用して、私がきちんとした定義をお示ししましょう。

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