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トルコ、女性に対する暴力・DV防止条約から脱退

トルコのエルドアン大統領が大統領令を発布し、欧州評議会「女性に対する暴力及びドメスティック・バイオレンス防止条約」、通称イスタンブール条約から離脱しました。

女性に対する暴力とDVを防止する条約から離脱した、というのはどういうことかというと、トルコ当局はこの条約はトルコの価値観に矛盾するので批准したまま放置するわけにはいかない、という結論に至ったということです。

トルコ当局とは言っても大統領令で一方的に離脱を宣言しただけであり、議会などの承認を得て決定されたわけではありません。

え?トルコの価値観に矛盾って、でもこの条約「イスタンブール条約」って呼ばれてるんじゃないの?とお気づきになった方、鋭いですね。

そうなのです。この条約は2011年にトルコのイスタンブールで署名式が行われたことにちなんで「イスタンブール条約」と呼ばれているのです。しかもトルコは最初の承認国です。この時、現在のエルドアン大統領はトルコの首相でした。

ところが去年7月、トルコの与党AKPの中で、イスタンブール条約は家族の一体感を損ない、離婚を助長し、LGBTを正当化しているなどといった問題提起がなされ、エルドアンが離脱の検討を指示、先日大統領令で離脱を宣言した、というのが一連の流れです。

「女性に対する暴力及びドメスティック・バイオレンス防止条約」が家族の一体感を損ない、離婚を助長し、LGBTを正当化しているとはどういうことかというと、

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