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朝日新聞のとっちらかったシリア報道

朝日新聞の外国に関する記事はほとんどがとっちらかっているのですが…いや、全部の記事がそうかもしれませんが、それはおいておくとして、今回ご紹介する朝日新聞のイスタンブール支局、高野裕介記者のシリアに関する記事のとっちらかりっぷりは、なかなかすごいものがあります。

「シリアで人命つなぐ支援が瀬戸際 国連、継続決められず」という記事なのですが、シリアでアサド政権の支配地域の外にいる住民への国連の人道支援の継続について、安全保障理事会でロシアが反対しているという主旨で、高野記者は「シリアはこんなに大変なんだ!」と強調したいわけですが、重要な点を隠したり真実を捻じ曲げて既存のパターンに当て嵌めようとしたりしているため、全体としておかしなことになっています。

高野記者は次のように記しています。

息絶えた5歳の少女

内戦が続くシリアで、反体制派などの最後の大規模拠点となっている北西部のイドリブ県。5月、避難民キャンプに住む5歳の少女が短い生涯を終えた。十分な支援が届かない中で適切な治療を受けられず、父親からは鎖につながれることもあったという。避難民の暮らしは困窮し、子どもたちの命がますます追い詰められている。

少女はナハラ・オスマンちゃん。のどに食べ物を詰まらせ、病院に運ばれたが窒息死した。極度の空腹だったとの情報もある。父親のイサムさん(41)によると、10人の子どもを抱える一家は1年半ほど前、アサド政権の攻撃で自宅を追われ、キャンプに移住した。

まず事実関係が判然としません。

5歳の少女が死んだのは、

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