管理部門のKPIを立ててみた~トップダウン型アプローチ編~

さて、前回に引き続きKPIについて書いていきます。
今回は組織が成長期のときに、管理部門のKPIをどう立てていくかを考えていきます。前回に引き続き「人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント」を参考書籍として活用しています。

KPIを設定するためのアプローチがあります。
・トップダウン型のアプローチ(今回はこっち)
・ボトムアップ型のアプローチ

トップダウン型アプローチ編

決められた取り組みの中で網羅的に改善すべき点を見つけていく指標を作る際にこのアプローチを取ることが多いとのことです。

組織が成長期にあるので、単純にタスク量が増え、通常の業務の品質を落とさずに納期に応えていくこと自体が困難になっていきます。そのため、活動目的を「組織の拡大に応える」としました。生産性の話と組み合わせて考えると、昨年と比べて分子となる「出すべき成果」が増えます。
このとき、「人員体制を変えず」、「経費も増やさず」、「生産性向上のためのシステム投資」を20で投資できると、32%の生産性向上につながります。
※人員体制に伴う給与などをまとめた経費を100、交通費や研修費などその他諸経費を50というイメージで使っています。

この場合、組織の成長は管理部門としてコントロールが難しい要因となりますので、KGIは「人員体制、諸経費は前年度踏襲、システム投資は20まで」を指標とします。※システム投資にかかる人員はシステム投資側で検討する。

次にKRI、KAIについてですが、組織の成長に伴い以下が懸念されます。
(1)新しく入ったスタッフからの問い合わせの増加
(2)ルーティンタスクの量の増加
そのため、あるべき状態としては(1)はスタッフが自分で知りたいことを調べらる状況を作ることを目的としていきます。質問が重複することも考えるとFAQにまとめることによって問い合わせ自体を減らすことをしていきます。
スタッフとしてはいちいち質問のメールを打ったり、スタッフに電話で尋ねたりする手間が減るので一石二鳥です。
※現実はそんな簡単な話でもないと思います…
KRIとしては問い合わせが減っている状態を作りたいので、問い合わせ件数を指標として置き、KAIとしてはそのためにFAQを投稿した件数をみていきます。

(2)に関してはルーティンタスクが増えているので、そもそも自動化しちゃえ!というのが目的です。ここはシステム投資を考えていきます。KRIとしてはルーティンタスクにかける工数が減っていること、KAIとしては自動化できるルーティンタスクを洗い出すことにしてみました。

トップダウン型で注意すべき点は以下になります。
・上位からブレイクダウンしていくので、指標の数が増えやすい。
 →指標を精査し、取捨選択していく必要がある。
・現場の感覚が強い「ターゲットの意識や状況」について議論がプロセス的に入りにくい。

次回はボトムアップ型のアプローチについて記載していきます。

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