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ウェブディレクターの終焉

強い言葉を使ったタイトルですが、内容はただのお悩みポエムです。

突然ですが、ウェブディレクターという職種はあと何年ぐらいあると思います?

* プロダクトで目指す世界観は PO が示してくれる。
* 世界観を実現するためのプロダクトの価値は何か・どのような機能を作るべきかは PdM が示してくれる。
* スクラムマスターがプロジェクトを円滑に進めてくれる。
* プロダクトのクオリティは UI デザイナーと UX デザイナーとエンジニアが磨き上げてくれる。
* ユーザ体験は UX デザイナーが最大化してくれる。
* ユーザが使いやすくなるために UI デザイナーと UX デザイナーが「デザイン」してくれる。
* こうなったらいいなをエンジニアが実現してくれる。
* マーケやアナリストが分析してくれる。
* やるべきことはチームメンバーで常にすり合わせておくことが当たり前。
* 全員が「こと」に向かう。

数年前は、プロジェクトのプロセス最適化とサービスのクオリティにコミット、そして世に出すまでがウェブディレクターの役目でした。

ですが、ウェブが担う役割も大きく変化し、「とりあえずホームページ」や「ちょっとした便利サービス」ではなく、企業の収益や社会インフラを支える重要な手段となっています。

「ウェブサービスがプロダクト足り得る」と認識されるようになったのも、IT 系を除いてここ最近だと思います。

つまりリリースしたらお終いではなく、むしろリリースしてからがスタートです。もちろんリリースさせることも稀有な能力であることは間違いありませんが (リリースまでの過程でいくつもの決断・責任が伴います)、リリースしたプロダクトを企業や社会にどれだけ貢献できる・させるかを考える戦略・戦術部分の重要性が高まってきています。

加えて「ウェブ」の定義も以前とは比較できないほど複雑化し、もはや一人でクオリティ担保することは不可能……とは言い切れませんが、前述したようなメンバー・チームで (すぐではなく将来的に) 臨まなければまともなプロダクトを作ることが難しくなりました。

できる幅が増えたからこそ、戦略や戦術をおざなりにするとプロダクトは迷い、技術を持て余すことになりかねません。やりたいこと・できることを全て注ぎ込んだプロダクトが大成する確証もありません。

かつてウェブディレクターは広く・そこそこ深くウェブ技術に関する知識を有することでプロジェクトを効率良く進捗させてきたと思います。それは今でも大切な部分ですが、もう昔の話。チーム開発とあらば各分野に精通したメンバーがいるわけですから、頼れる部分は大いに頼り、先を見据えたロードマップを皆で引くべきです。

とまあ、以前と比べてウェブディレクターが居なくともプロジェクトは回るようになり、もともとはウェブディレクターが受け持っていた領域が徐々に細分化・独立化して、それぞれが自走して調整できるようになってきています。

ぼんやりとですが、ウェブディレクターという職種はあと 1 年ぐらいで市場から消えてしまうような気がしています。消える、とまでは行かないにしろ新しい別の何かに取って代わるのではないでしょうか。

ただ一方で、ウェブディレクターをどこか否定できない自分も居ます。たぶん今も、本質的には変わってないハズなんです。

否定できない理由も、別業界のこの職種に相当するのでは?という仮説も自分の中にあって、いずれ気が向いたときに「ウェブディレクターの再誕」のようなタイトルで note 投稿してみようと思います。

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