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ZOOM R16 ~ とてつもない録音機材だと思う

つい最近、バンドメンバーに配るデモ音源作成に、ちっちゃい4トラックのMTRを使ったというテキストを投稿しました。

この作業で録音の楽しさを思い出して、MTRの出物がないかなとハードオフに行ってきました。ありました、名機中の名機が。ZOOM R16

昔使ってたのに宅録もやらなくなったし手放してしまっていたんですが、15000円という安さだったので気がついたらレジに持っていってました。ハードオフの人が値付けを間違ってるとしか思えないです。

このR16、実はとてつもないMTR(マルチ・トラック・レコーダー)なんです。今回はこのすげえ機械の紹介という趣旨のテキストです。

ZOOM R16 大きさはこんな感じで重さは1.3キロ

そもそもMTRって?っていう話ですけど、パソコンなどを使わずにコレ単体で音源作成ができるという、多重録音機材です。

最近はパソコンやタブレットにオーディオインターフェースをつないで、DAWで音源作成というのが主流のようですが、実際に自分の手で楽器を演奏する派の人にとっては、MTRってのは今でも捨てがたいものだと思いますよ。

これは私が昭和オッサンだからかもしれませんが、マウスクリックやタッチパネル操作よりも、物理的なフェーダーやツマミを回すという操作の方が断然やりやすいんです。

何よりも電源オンで即立ち上がり、玄関開けたら2分で録音みたいな。ファミコンゲームの電源オンで即プレイみたいな感覚。


R16のすげえところ1 安い!

このMTRは2007年頃に発売された機種で、定価は47000円くらいでした。私が入手したのが2013年。その頃の中古価格は25000円くらいで、私もそのくらいで買った覚えがあります。

それから10年以上経って、パソコンによるDTMの普及とかDAWの猛烈な進化によって、MTRというもの自体を使う人が減ったようで、新しい機種もそれほど発売されなくなっちゃった。だもんで、中古品のタマが少なくて、今だとR16は38000円くらいで売られてるみたい。

それでも、この後紹介する機能を考えるとビックリするほど安いと思います。正直なところ、なんでこんなに安いのかわかりません。ホントになんでだ?

たまにネット上で30000円弱くらいで売られてるのも見かけます。30000切ってたら買っても損はないです。

R16のすげえところ2 8チャンネル同時入力

私がR16の前に使っていたデジタルMTRはFOSTEXの8トラック機でした。この機種は同時入力対応数が2チャンネルだったんです。

当時やってたバンドでそのFOSTEXのやつを使ってレコーディングしたんですが、その作業はそれはそれは大変でした。何がって、ドラムの録音が。

↑ 詳しいことは以前投稿したテキストに書いてますが、ドラムにはできれば1個のタイコ、1個のシンバルにマイク1本使うのが理想なんです。標準的なセットでもタイコとシンバル系合わせて8個ありますから、理想は8チャンネル使って同時録音したいんです。

実際にはスネアとハットを1本で録るとか、クラッシュはエアで1本で録るみたいなことをするのでマイクは5本程度でじゅうぶんですが、それでも5チャンネル同時に録音したいわけです。

機材が2チャンネルまでしか同時に録れない場合は、ミキサーを使って色々工夫する必要があり、しかも録った後で個別に音量や音質の調整が効かなくなっちゃう。

そんな苦労をなきものにしてくれるのが、8チャンネル同時入力可能なR16なんです。マイク5本だろうが8本だろうが、一気に録れますから、細かいバランスや音質の調整は録った後でやればよろしい。このラクさをどう表現したらいいんだろう。

料理に例えると、コンロの火がつくところが8個あるキッチンみたいな。違うな。

R16のすげえところ3 痒いところに手が届く

この辺は、他のデジタルMTRでも機種によって搭載されている機能も含みますが、R16は現実的によく使う機能や便利機能は全部入りって感じです。

入力端子はキャノンと標準兼用のコンポタイプ。入力端子8個のうち2つは、コンデンサマイクも接続できます。私は使うことはないでしょうけど。

便利なのがトラック交換機能。

例えば、ギター2本をトラック1とトラック2入れたいなと思った場合。1トラック目にギターを入れ、2本目を入れる時にシールドをトラック2の入力に差し替えてみたいな作業。プチ面倒くさいんですが、R16の場合は差し替える必要なし。

トラック1にギターを入れた後、トラック2と交換。するとトラック2に1本目のギターが入ってる状態になるので・・・っていうね。

内蔵エフェクトも豊富で、たしか300以上搭載されてたはず。ギター用、ベース用、ボーカル用など、実践的なエフェクトが豊富にあるのでよっぽどのことをしようとしない限り内蔵エフェクトで対応できます。さらにアンプシミュやマイクシミュまであるんだから、ちょっと気前良すぎ。

マイクで思い出したけど、なんと内蔵マイクつき。音質はたいしたもんじゃないけど、バンドメンバーに渡す用のデモ音源のボーカル録りならこれでじゅうぶんかな。便利!

記録メディアはSDカードで、32GBのSDHCまで使えます。さらに、古い機械ですがUSBでパソコンに繋げば、R16+SDカードを外付けドライブとして認識させることができるので、全トラックの音声データをwavファイルで取り出すことができます。

っていうことは、パソコンでエフェクトなりミックスダウン作業をしたい場合とかに、録ったものを素材として簡単に吸い出せるってこと。

もちろん、一般的なオートパンチイン/アウトだのバウンスだの、MTRとして必須の機能も漏れなく搭載されていて、これ単体でデモ音源から作品レベルのものまで、ひととおりできちゃいます。

R16のすげえところ4 オーディオインターフェース機能

巷のDTエマーの人にとってはこれは魅力的なんじゃないかなあ、きっと。だって8in2outのオーディオインターフェースって、安いやつでも40000円くらいからでしょ。さっき調べましたけど。

単体での録音ができるMTRの機能つきの8inオーディオインターフェースって考えたら、同じ40000円使うんなら、今(2024年2月)現在の実売価格が40000円弱のR16を検討してみるってのもひとつだと思いますよ。

というわけで、すさまじいMTRを運良く安く買い戻すことができてご満悦なわけです。

MTRっていう機材自体がちょっと今は下火になってるところがあるので馴染みが薄いという人も多かろうと思いますが、気がついたら発売されてた超名機がこのR16で、発売から17年経った今でも、この価格帯でこれ以上の機械はないんじゃないでしょうか。

正直なところ、宅録で作品レベルのものを仕上げるってことも今後あんまりなさそうですし、バンドでのレコーディングもその大変さを考えるとなかなか腰が重いので、R16をすぐに使うかというと微妙ですが、あまりに安かったんで買っちゃいました。

せっかく買ったんで、久々に全力レコーディングをやってみようかななんて思ったりしています。

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