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Double Fantasy ~ ヨーコの歌う名曲を聴こう

12月になると街中でジョン・レノンばっかり流れるみたいな内容の歌があったような気がします。誰の何て曲だったっけ。それもそのはず、とてもキャッチーな「ハッピー・クリスマス」という曲があるし、12月8日はレノンが亡くなった日です。今年の12月8日も、レノンの話題が方々で取り上げられていました。

私のレノンに対する感情は、真心ブラザーズの歌と全く同じです。ここまで共感できる歌も珍しいほどに。私がレノンを知った時には既に死んでましたし。

で、12月になるとジョン・レノン、イコール愛と平和の使者みたいな感じで語られることに自分の感情との差を感じるんです。

ギターでバンド全体にすさまじいリズムを生み出すスーパーギタリスト、稀有な艶と危ない魅力を持ったヴォーカリスト、唯一無二で独特すぎる天才作曲家、そして不安定でちょっと面倒くさそうな人柄(笑)、そういった要素も含んで全部でレノンだと思います。

愛と平和云々は、こんな事言うと怒られそうですが気まぐれな彼が亡くなる直前にハマっちゃってた一要素みたいな感覚なんです。実際のところは本人のみぞ知るところでしょうがね。その一要素をことさらにクローズアップして語ることは、私のレノンを好きな感情とはぜんぜん違うなという話です。

かなり話が逸れましたが、ようやく本題の「ダブル・ファンタジー」の話です。

逆張りして奇をてらっていると思われると心外なんですが、ヨーコの歌う曲にいい曲が多いんですよ、このアルバムは。もちろん有名曲の「スターティング・オーヴァー」「ウーマン」「ウオッチング・ザ・ホイールズ」はとんでもなく美しくて鬼名曲ですけど、ヨーコの歌う曲のカッコ良さについて無視されすぎだと思うんです。レノンの要素の中で愛と平和ばっかり言われるのと同じ現象です。

「キス・キス・キス」のイントロから早速飛ばしてるリード・ギターはフレーズも音色も完璧なカッコよさです。Cメロの歌メロも短いけどハっとするカッコ良さです。例のあえぎ声は初めて聴いた時は中学生でしたから、そりゃもう大変なことでした(笑)。

「ギヴ・ミー・サムシング」もタイトなロックで、ヨーコのオーヴァーダビングによる一人掛け合いもキマってます。そしてこの曲もリード・ギターが冴えています。

そして私の中でアルバムのハイライトになっているのが、レノンの「アイム・ルージング・ユー」とヨーコの「アイム・ムーヴィング・オン」のメドレーです。死ぬほどカッコいいです。メドレーの構成としては、レノンの方がフリで、ヨーコの方が本編という印象。気持ちの良い盛り上がりです。それにしてもこのアルバムのギターは素晴らしい。

「ハード・タイムス・アー・オーヴァー」は、今こそ聴きたい名曲だと思います。つらい時は去ってだんだん良くなっていく。不覚にも感動してしまいます。

2000年再発売ボーナス・トラックの「ウォーキング・オン・シン・アイス」もカッコいいです。さすがに不採用になっただけあって演奏も含めて散漫なところはありますが、ちょっと前衛的なイメージとプロの歌手では絶対に出ない味がよくマッチしています。

ジョン&ヨーコの愛と平和、それもけっこう。有名曲を聴いて感動するのも良し。でも「ダブル・ファンタジー」はそこだけかじって終わるにはあまりにも惜しい名盤だと思うのですよ。アルバムのバックボーンが有名すぎて、名曲を埋もれさせることになっちゃいませんかということ、それが今回のテキストで書きたかったことです。決まった!(キラーン)・・・?

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